この新車販売増に貢献した軽自動車が「スズキ新型ワゴンR」と「ダイハツ新型ムーヴキャンバス」。2017年3月の新車販売台数はスズキ新型ワゴンRが13949台。一方、ダイハツ・ムーヴが15077台ですが、大半がムーヴキャンバス。
そこで今回はスズキ新型ワゴンRとダイハツ・ムーヴキャンバスを比較してみました。軽自動車の車選びに是非ご活用ください。
【ワゴンR】車体スペックなど主要諸元の比較【ムーヴキャンバス】
まずは「車体サイズ」や「主要諸元」の比較。
どっちも軽自動車ということで、基本的にワゴンRもムーヴキャンバスも車体サイズはほぼ同じ。キャンバスはスライドドアタイプではあるものの、車高の高さは1655mmとワゴンRと5mm程度の違いしかなく、ほとんど大きな違いはありません。
ただスライドドアタイプということで、ムーヴキャンバスの車重は920kgとかなり重め。
新型ワゴンRが「ハイブリッドFZ」のグレードでも790kgですから、比較するとキャンバスが130kgほど重い。果たして、それが走りや加速感、実燃費にどう影響を与えるのかは後述。
見た目の違いについては前述の画像を改めて確認してもらうとして、ワゴンRのデザインはやや硬派。ムーヴキャンバスはいかにも女性向けのデザインになってます。
しかも、新型ワゴンRはデザインが豊富。
ムーヴキャンバスのデザインは一種類のみに対して、ワゴンRには三種類の見た目が用意されてる。ノーマル廉価グレードのワゴンRは、さながら故ムーヴコンテ風。
もちろんワゴンRとムーヴキャンバスのキャラクターが被るとは思いませんが、キャンバスの方が買い物としては制限されます。男からしたら胸焼けするほどの可愛らしいデザインはやや選びます。
「室内の広さ」の比較では意外とワゴンRが健闘
続いては「室内の広さ」を比較。
実はムーヴキャンバスは「ムーヴ」という車名が付いてるものの、実はダイハツ・タントがベース。そう考えるとワゴンRが不利のように思えますが、果たして結果はどうなのか?
結論から書くと、意外にも新型ワゴンRはムーヴキャンバス相手に健闘してる。
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さすがに全高はほぼ同じ両者ですから、頭上空間に関してはワゴンRもキャンバスもやはり違いは見て取れません。ちなみにノーマルムーヴの室内はキャンバスよりやや狭めですから、いかに新型ワゴンRの室内が広々か分かります。
じゃあ乗り心地はどうなのか?室内が広いだけでは意味がありません。やはり軽自動車でも快適性も重要であります。
結論から書くと、乗り心地や座り心地といった快適性では、新型ワゴンRもムーヴキャンバスもあまり違いはありません。良くも悪くも、どっちも乗り心地は上質。特にキャンバスは女性向けを謳っている軽自動車だけあって座り心地は優しい。
荷室ラゲッジの比較では違いも…
続いて「荷室ラゲッジスペース」の比較。室内の広さでは若干ワゴンRが有利に思えましたが、荷室の大きさや荷物の上げ下ろしなど積載性ではどっちが比較すると有利なのか。
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要するに、ムーヴキャンバスの方が後席シートを前方に動かすことができるので、その分だけ荷物を積み込める量が増える。後席空間ではワゴンRが若干広かったものの、逆に荷室はムーヴキャンバスに軍配が上がります。
ただバックドアの開口部分だけを見ると、リアコンビランプの位置が工夫されていてワゴンRの方が横に幅広。逆にムーヴキャンバスは下に行くに連れてすぼまってる。荷物の上げ下ろしのしやすさ・実用性の高さの点ではワゴンRに軍配が上がるかも知れない。
ちなみに画像は少し見づらく申し訳ありません。dマガジンではベストカーの過去号の配信がすぐ止まってしまうので、改めて再編集しようとしてもモタモタしてると難しいのです。
【比較】加速性能ではワゴンRがおすすめ
続いて「加速性能」や「動力性能」の違いを比較。
さっそく結論から書くと、やはり非スライドドアタイプである新型ワゴンRの方が走りの点ではおすすめです。
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数字以上に「ワゴンRの速さ」を体感できるか。とはいえ日常で使う速度域では、ムーヴキャンバスもそれなりに健闘してるレベルとは言えます。基本的にママさんや女性が使う分では特に走りで困ることはないはず。
ちなみにムーヴキャンバスはデザインが一種類というだけではなく、エンジンも一種類のみ。つまりキャンバスにターボエンジンは用意されていません。だからワゴンRスティングレーターボと比較したい場合、一番右端のハスラーの加速性能が参考になります。
50km/h以上の加速感では、ムーヴキャンバスとハスラーターボは4秒以上の差が発生。つまりワゴンRターボでも、加速感の比較で同様の差が生まれると想像されます。さすがにここまで違いが現れると、キャンバスを使って大人数で移動する場合はストレスが溜まるか。
走りや静粛性でもワゴンRがおすすめ
加速性能を比較したので、続いては走りそのものではどうなのか。ハンドリングや静粛性など総合的にどっちが優秀なのか。結論から書くと、やっぱり新型ワゴンRの方がおすすめになります。
車体設計が新しいだけあって、新型ワゴンRのプラットフォーム(ハーテクト)の剛性感は高い。前後サスペンションにスタビライザーも装着されるなど、新型ワゴンRではロールが抑えられた走りは操縦安定性に優れてる。また水平基調のインパネは見晴らしが良いなど、トータルの走りではキャンバス以外の軽自動車もワゴンRに勝つのはしんどいか。
ムーヴキャンバスもスライドドアタイプの軽自動車の中ではバランスが良い走りは担保されてるものの、ノーマルムーヴレベルを期待するとさすがに肩透かしを食らうか。またキャンバスは超背高ハイト系と違って見晴らしそのものは平凡。
他にも静粛性に関しても、ムーヴキャンバスはややうるさめ。エンジン設計の古さが影響しているんだそう。考えてみるとダイハツのエンジンはここ10年ぐらいは大きく進化してないのか。
そういった諸々を考慮すると、新型ワゴンRの走りと比べるまでもないか。
自動ブレーキはワゴンRがおすすめ
続いて自動ブレーキの比較。軽自動車は走りだけではなく、やはり安全性も大事。そこら辺を心配してるユーザーさんも多そう。
結論から書くと、新型ワゴンRもムーヴキャンバスもどっちの自動ブレーキも高性能です。
発売当初はどっちも赤外線センサー+単眼カメラ方式の自動ブレーキだった。でもワゴンRが「歩行者を検知して停止(時速30km/h以下)」できるのにに対して、ムーヴキャンバスは「歩行者を検知」するだけでした。
でも現在ムーヴキャンバスは歩行者でも停止できるステレオカメラ式の自動ブレーキ(スマートアシスト3) を標準装備済み。当初、ワゴンRの自動ブレーキが「圧勝」と表現してもいいぐらいでしたが、2019年現在はさほど大きな違いは存在しません。
ただし、スズキ新型ワゴンRは上級モデルにのみ「サイドカーテンエアバッグ」が標準装備されてる。一方、ムーヴキャンバスはなし。そのため敢えて優位性を比較するなら、ワゴンRの方が総合的な安全性能は高いです。
実燃費や維持費ではどっちがおすすめ?
ラストは「実燃費」の比較。ムーヴキャンバスは車重が100kg以上ワゴンRより重いことがどう影響してるんでしょうか?
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高速燃費などはキャンバスもなかなか健闘してるものの、市街地や一般道における実燃費はワゴンRと比較して4km/L程度引き離されています。新型ワゴンRはマイルドハイブリッド搭載。ストップアンドゴーが多い市街地でこそ実燃費に貢献する模様。
主に日常生活で使う軽自動車。税制こそ違いはありませんが、走れ走る分だけ維持費の点でもワゴンRをおすすめしたいと思います。とはいえムーヴキャンバスの実燃費も車重を考えたら十分健闘してるレベルだとは思います。
【違いまとめ】ワゴンRとキャンバスの比較総括【どっち】
以上、スズキ新型ワゴンRとダイハツ新型ムーヴキャンバスの比較でした。
発売時期はさほど違いはない両者ですが、やはりタントがベースだけあってキャンバスは意外と基本設計に古さも見られます。そのことが新型ワゴンRとの比較では、色んな差となって現れた印象。
とりわけムーヴキャンバスデザインやエンジンなど商品としての幅の狭さが気になる所。もし購入することを考えると、少し人は選びそう。
とはいえ、ワゴンRクラスの車体サイズで「スライドドアを搭載」してるのはキャンバスだけ。この唯一無二の武器は強い。それ故に競合しそうで競合しない両者。いずれワゴンRもムーヴキャンバスの成功に追随してスライドドア化してくる可能性もありそうか。
ちなみに【比較】ムーヴキャンバス vs タントや【比較】ムーヴキャンバス vs ルーミー・タンク、【比較】ワゴンR vs デイズ 、【比較】新型ワゴンR vs ムーヴ 、【比較】ワゴンR vs ハスラー、【最新版】人気おすすめ軽自動車ランキングまとめも良かったらご参照。
また新車総合サイト・カーギークの【人気軽自動車】スズキおすすめランキングや【人気軽自動車】ダイハツおすすめランキングも興味があればご覧ください。
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