特に日本国内におけるマツダの新車販売の落ち込みがヒドい。アメリカ市場では2%ほどの減少幅だったのに対して、日本は12.8%の落ち込み。日本市場はそこまで大きな市場ではないものの、それでも1割以上も販売台数が落ち込めば経営に与える打撃は必至。
確かに最近の新車販売ランキングを思い返してみると、つい先日フルモデルチェンジした新型CX-5とデミオが割りと目にしますが、それでもデミオは前年割れ。2016年12月まで遡ると1000台を超えた車種がなかった気がする。
ちなみに好調な新型インプレッサのおかげで競合車種として急浮上したのか、地味にアクセラは前年比増と堅調だったりする謎。
じゃあ何故マツダの販売台数が伸び悩んでいるのかを考えると、個人的には「マツダデザイン」にあるのではないかと思います。もはや「自滅の始まり」とすら表現してもいいのではないか。この理由を簡単に考察してみた。
【スポンサーリンク】
高級車ブランドの戦略がマツダでも通じるのか?
結論から書くと、マツダのクルマは全部同じ顔に見えてしまうのが原因だと思います。つまりは極論すると何を選んでも一緒。クルマ好きでもない限り、マツダ車同士の違いが見えてこないのでどう選べばいいかが分からない。
マツダ車は内装も含めて、確かにデザインの質感は高い。またメーカー全体で統一感をもたせることもブランド戦略としては重要だし、効果も大きそう。
ただ、所詮そういった戦略は「高級車ブランドの戦略」に過ぎない。高級車ブランドを購入する人は特定の車種が欲しいというよりかは、「そのメーカーの自動車が欲しい」から購入しているんですよね。
あくまで自分の所得の範囲内でクルマ選びをしているはずだから、例えばメルセデス・ベンツであればCクラスは購入できなかったらBクラス、Bクラスが購入できなかったらAクラスとランクを徐々に落としていく買い方をしてるはず。
逆にランクを上げていく場合はAクラスからちょっと贅沢したい人はCLAクラスや、SUVが欲しい方はGLAといった買い方をしていくはず。これはメルセデス・ベンツに限らず、レクサスやBMW、アウディといった他の高級車ブランドでも同様のはず。
ただ日本では少なくともマツダは高級車ブランドという扱いではない。アテンザが購入できないからアクセラ、アクセラが購入できないからデミオ…という買い方をしてる消費者がどれだけいるのか?おそらく極めて少ないと思うんです。しかもCX-3とCX-5の価格差は少ないなど、車種同士の立ち位置も分かりづらい。
【スポンサーリンク】
マツダは言うなればフォルクスワーゲン
マツダはどちらかと言えばフォルクスワーゲンに近い。そのフォルクスワーゲンも全車種は確かに似たようなデザインはしてるものの、結局売れてるのはゴルフだけ。フォルクスワーゲンですら戦略として正しいかどうかは不透明。
日産自動車やホンダ自動車も敢えてデザインに統一感をもたせてるフシはあるものの、あくまでワンポイントやワンアクセント程度。マツダ車ほど似通ってしまうと、逆に消費者からすると選択肢の幅がなくなる。CX-3は「デミオSUV」で良いだろうし、「コンパクトCX-5」で良いやんって話。
もちろんマツダはあくまで主戦場は海外ですから「マツダデザイン」や「KODOデザイン」の方向性は受け入れられているのも現実だと思います。それでも日本という市場も考えると、どこかそれぞれの車種オリジナルの個性が欲しい気がしました。
以上、マツダの利益販売急減の考察記事でした。来年再来年にはアクセラのフルモデルチェンジやアテンザのフルモデルチェンジが控えている中、果たしてマツダは再び販売台数や営業利益を伸ばすことができるんでしょうか?
【スポンサーリンク】