2014年10月25日土曜日

自動ブレーキ 3分でわかる違い特徴-アイサイトは他と何が違う?

トヨタが2015年から車両改良を機に普及価格帯の「自動ブレーキ」システムを2018年までに順次、小型車を含めた約50車種に展開(STD/OPT)すると発表。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141019-00010001-clicccarz-bus_all
トヨタが来年から自動ブレーキシステムを順次搭載する予定。つい最近も、国交省が初めて自動ブレーキに対する安全評価も行った。

ただ実は一言で「自動ブレーキ」と言っても、色んなタイプと種類が存在するらしい。

そこで自動ブレーキシステムのそれぞれの特徴と違いをまとめてみましたた。お子さんや奥さんといった同乗者の安全を考えると、自動ブレーキの違いを是非知っておきたい。



近赤外線レーザータイプの自動ブレーキ

まずは赤外線レーザータイプ。その名の通り、赤外線を飛ばして対象物・障害物を検知して自動的に停止。価格が安価なため、ダイハツ・ホンダ・スズキなど主に軽自動車に幅広く採用されてる。

ただしリモコンや携帯電話でも分かるように、赤外線が届く距離は短い。その結果、自動ブレーキが作動する対応速度も時速30kmまでと性能はほどほど。しかも止まってる障害物に対してのみ。

また夜間などでは測定精度が高いものの、太陽の直射日光や雨など気象条件に弱い。その理由はフロントバンパー(フロントグリル?)に赤外線レーザーの装置が収納されてるから。雨粒を誤認識してしまう。

ただし国交省の評価では高得点だったスズキ ワゴンRとハスラーでは、赤外線レーザーがルームミラー近くに位置してるため雨の日でも自動ブレーキは機能。見た目はやや悪くなるが、安全性が少しでも高まるなら選びたい。


ミリ波レーダータイプの自動ブレーキ

続いて、ミリ波レーダータイプの自動ブレーキ。赤外線と同じくレーダーだが、使ってるのは電波。周波数の違いにもよるが、100m以上先の障害物が認識可能。また天候や気候条件に左右されることも少ない。

だから、その分だけ自動ブレーキが作動する反応速度が早まる。赤外線レーザーでは止まってる対象物・車両にしか停止できないが、動いてる車両に対しても自動ブレーキが作動可能。この差はかなり大きいはず。

スズキ・ソリオを例にとって見ると、車速が時速80km近くでも対応可能。ただし、時速30km以上の場合はブレーキで完全に停止するのではなく、ブレーキの制動力をアップさせるだけだから注意。

国交省の調査でも高評価だった、日産スカイラインもミリ波レーダー。ソリオとは違って全方位にミリ波レーダーを飛ばしてるので、後方などからの飛び出しにも対応可能。

ただし、逆にミリ波レーダーが遠くまで届く分だけ、近くの障害物を認識しにくい。つまり、アクセルとブレーキの踏み間違いに対応しにくい。その結果、赤外線レーザーでは可能な誤発進抑制システムがないものも多い。ただしミリ波レーダー装置が複数あれば別かも。


ステレオカメラタイプの自動ブレーキ

最後は、カメラタイプの自動ブレーキ。ステレオカメラをルームミラー近くに設置して、その画像を解析して障害物を認識する仕組み。だから赤外線レーザーやミリ波レーダーでは不可能だった、歩行者や自転車などにも対応可能

このカメラタイプで一番有名な自動ブレーキが、何と言ってもスバルのアイサイト。画像はレヴォーグに搭載してるEyeSight3。障害物・対象物との速度差が時速50km以内であれば、自動的に停止可能。

カメラで撮影するので、車線を認識することも可能。だから車線からはみ出しそうになると、自動的にはみ出ないようハンドル操作もしてくれる。このアイサイトは誤発進抑制システムもあって、カメラセンサーひとつでここまで可能な自動ブレーキは存在しないはず。

他だと日産のエマージェンシーブレーキもステレオカメラタイプですが、アイサイトより機能は劣る。ただ価格帯を考えると、最近標準装備されたノートあたりはお買い得であることに違いはない。

ただカメラで画像を解析するってことは、当然画像が鮮明に映らなければ障害物など判別できない。だから、赤外線の自動ブレーキと同じく、やはり濃霧や直射日光など気象条件に左右されやすい。今後はカメラの性能が向上していけば問題なさそうですが、カメラタイプの自動ブレーキも完璧とまでは言えない。


今後の主流はカメラ+レーダー併用型自動ブレーキ

以上を見てもらったら分かるように、カメラセンサーにもレーダーセンサーにも、それぞれメリットとデメリットがあります。でも各々を併用することお互いのデメリットが相殺されて、衝突事故の予測防止力がパワーアップする。

最近国土交通省とNASVAが共同で自動ブレーキを評価。そこでスバルアイサイトと共に満点を叩き出したのがレクサスLS。いわゆる1000万円を超える超高級車。まさにその自動ブレーキが、ステレオカメラと赤外線レーザーを併用した自動ブレーキ

他だとメルセデスベンツのSクラスも併用タイプの自動ブレーキを搭載。こちらも余裕で1000万円を超える高級輸入車。歩道に間違って突っ込む可能性を低くしてくれる。

ただレクサスLSの赤外線とは違い、周波数の違いで近距離遠距離のミリ波レーダーを使い分けてる模様。レクサスよりもTHE優れもの。惜しくもカーオブザイヤーを逃した比較的お手頃なCクラスにも導入済み。

また国産車でも見渡すと、マツダ・アテンザも併用タイプの自動ブレーキ(i-Activsense)。最近ホンダも「ホンダセンシング」と呼ばれるカメラ+ミリ波レーダーの自動ブレーキを開発。さっそく来月11月に発売の新型セダン レジェンドに搭載されるそう。

だから今後は、カメラ+レーダー(赤外線orミリ波レーダー)を併用した自動ブレーキが主流になっていくはず。もちろん単体でもアイサイトほど性能が良い自動ブレーキだったら別ですが。

これが冒頭のトヨタのニュースにも繋がります。

現在トヨタは自動ブレーキに力を入れてるイメージはありませんが、これから数年間でパッソやヴィッツあたりにあっという間に自動ブレーキが搭載されていくはず。その速さはハイブリッドエンジン以上かも。

当然各社も追随してくるでしょうから、いつの日か軽自動車にもベンツSクラスやレクサスLSレベルの自動ブレーキが搭載されてもおかしくない。

ちなみにカーギーク【新型】第二世代トヨタセーフティセンスの実力まとめ【最新情報】スバル新型アイサイト4.5まとめもご参照ください。

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