そこで最近は各メーカーが新車を次々と投入してるので、その残価設定型クレジットのメリット・デメリットを軽くまとめてみた。
金利が低いから支払いが楽
残価設定型クレジットという自動車ローンのメリットは、とにかく金利が安い。例えばディーラーローンで購入した場合、普通は金利が5~8%ぐらいが相場。でも残価設定型クレジットだと、その金利が半分以下に低く抑えられることが多い。中には1%前後の金利でローンが組めることもある。例えば、スバルだと現在34回払い(ローン期間3年)だと1.99%らしい。
だから支払い額の負担が全体的に楽になる。住宅ローンでも、ローン会社の決め手の多くは「金利の多寡」だったりするので、決して無視できない部分。
高価な新車を数年ペースで乗り換え可能
そもそも残価設定型クレジットは、最終的に車両をディーラー側に返却・下取りに出すカタチで一括返済する仕組みを取ってる。その買い取りされる車両価格が、いわゆる「残価(リセールバリュー)」。最終的に自分の所有物にはならないものの、その残価があることでトータルの負担額では少なく収まる。とにかく確実に車両を返却さえすれば、ローンが完済したカタチになるのは大きい。
だから例えばリセールバリューが高い輸入車などは、実は残価設定型クレジットでは狙い目。輸入車は年々日本国内で売れてますが、実際残価設定型クレジットで購入してる方は多そう。つまり自分の経済力に見合った以上の新車に乗ることも可能。
また車両を返却した場合でも、新しく新車に乗り換える選択も選べる。残価設定型自動車ローンの多くではローン期間が5年ぐらい。ちょうどクルマがフルモデルチェンジを行う時期。まさに絶妙な設定と言える。
もちろんディーラーに車両を返却せずに、そのまま乗り続けることは可能。その場合は残りのローン金額をまとめて支払うことになるので、言ってしまえば頭金ならぬ「尻金」を支払うことになる。ただ毎月支払う金額は少ないので、比較的お金を貯めておきやすいはず。
残価設定型クレジットは実質的なカーリース
だから残価設定型クレジットという自動車ローンは、カーリースに仕組みは近い。毎月の支払う額も抑えられて、最終的に車両は所有物にはならないなど。ただし、残価設定型では頭金が必要な場合が多いので、「元手がかかる」という観点ではやや異なる。
つまり残価設定型クレジットを利用するなら、若者や主婦向きと言える。例えば、子育て世帯の場合。新婚時代ははフィットやノートといったコンパクトカーに乗っておいて、4年後5年後に子供が生まれたらそれを返却して、新たにN-BOXやデイズルークスに乗り換える、といった選択が比較的容易。
カーリースと残価設定型、どっちが得なのか?
じゃあカーリースと残価設定型の自動車ローンでは、一体どちらがお得なのか?残価設定型は毎月支払う額は少ないものの、要所要所で頭金やボーナス月などまとまった額の負担が必要。ただカーリースは特にまとまった負担を強いられることはないが、毎月支払う金額は高め。
例えば、170万円前後のホンダ・フィットハイブリッドを残価設定型プランで購入する場合、毎月の支払いは1万円にも満たない。ただし数十万円以上の頭金やボーナス払いが必須だから、60回払い(ローン期間5年)だと返却する場合が総額147万円、所有する場合が総額200万円になる。
そしてオリックスのカーリースでフィットハイブリッドを借りる場合。5年契約(いまのりくん)というプランだと毎月支払う額は3.8万円だから5年分の総額は228万円。
ここだけ見ると残価設定型プランの方がトータルの金額的にはお得ですが、カーリースの総額には5年分の自賠責保険や車検代なども全部含まれてるので、実際ここまで大きな差はないはず。
一概にどちらがお得かは言いづらいですが、カーリースでは1年2年単位で返却できるなど融通が効くことも多い。
カーリースと同様に様々な制限とデメリット
ただし注意したいのは、残価設定型の自動車ローンではカーリースと同じく、やはり色んな制限やデメリットが存在すること。例えば最終的にディーラー側に返却・下取りに出す場合、車両に傷が付いちゃ当然ダメ。もちろん薄い傷だったら中古車査定には響かないので問題無いですが、イヤな精神的プレッシャーが常にある。またカーリースと同様に、走行距離制限がある場合も多い。もし制限距離を超えて走行しちゃうと、最終的に追加で負担が求められることも。
だから日常的にクルマを使用したい場合、残価設定型プランでの購入は不向き。例えば、通勤で毎日長距離移動するサラリーマンさんなどは、普通にディーラーの自動車ローンなどで購入するのが無難でしょう。あと残価の部分に金利がかかるので、もし車両を返却する場合は少し損してる気分。
メーカーandディーラー側がおすすめする裏事情
ちなみに残価設定プランという自動車ローンは、ディーラー側にとってどういうメリットがあるのか?それを端的に言うと、「優良な中古車が数年後に必ず手に入る」という点。購入者が車両を所有する選択を選ばない限り、自社が経営してる中古車店で販売できる弾数(中古車)を確実に増やせる。
例えばホンダやトヨタだとハイブリッド中古車は確実に大きな需要があるので、比較的キレイな状態で自分たちの元に戻ってくるメリットは相当大きい。
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