2014年8月13日水曜日

日産と三菱の不和から見る 新型モコがフルモデルチェンジする可能性

好調な軽自動車をめぐって蜜月関係にある日産自動車と三菱自動車に不協和音が生じている。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140809-00000503-biz_san-nb
数年ほど前、日産と三菱はNMKVという軽自動車専門の合弁会社を作りましたが、産経によると早くも不協和音が生じてるそう。ただ、まだ両社の関係は1年も2年も経ってないはずなので蜜月という表現は大げさな気もしますが。

その理由は、日産が「デイズルークスを自社で生産する」と言い出したからだそう。デイズルークスも含め、日産の軽自動車を全て生産したいと考えてる三菱にとっては、寝耳に水?


日産と三菱それぞれの生産目標が原因

この背景にあるのは、日産と三菱がお互いに掲げる「国内生産の目標台数」にある。

例えば、日産はずっと経営方針として「年間100万台」を掲げてる。

ただ今年度の1月から6月の上期の生産台数を見ると、45万7571台。単純に倍にしたら「90万台」ちょっと。実際に今年度の国内生産台数は91万1000台の見込みだそう。つまりずっと目標としていた「100万台」には遠く及ばず、1960年代以来の悪夢が待ってる。

そこを日産的にはデイズルークスの生産で補いたいということ。ただ「国内生産台数の低迷に悩んでいるのに、三菱自の稼働率を支えている場合ではない」と某日産関係者が言ってるそうですが、じゃあ海外生産を少し減らしたら?みたいな意地悪を少し言いたくもなったのは内緒。

一方、三菱は国内生産台数「年間60万台」を目標に掲げてる。三菱の今年上期の生産台数を見ると、33万3598台。倍にしたら余裕で達成できる数値。去年2013年は3年ぶりぐらいに60万台の目標を達成できたそうから、まさに日産の軽自動車さまさま。

ただ消費増税や軽自動車税増税の悪影響を考慮すると、上期33万台はやや心もとなさも残る。三菱はギリギリ達成できてて、日産はギリギリ達成できてない。お互いが綱渡りのような状態と言っても良さそう。

だからこそ、三菱も日産もお互い『デイズルークス』という魅力的な商品は手放したくないんだと思う。

それでも一蓮托生な日産と三菱

それでもNMKVという新しい会社を作った以上、日産と三菱が簡単に別れるとは思えない。

三菱は販売網やブランド力、日産は軽自動車の開発力や技術力。そういう大きい弱点を抱えてるわけで、ここで空中分解してしまったら両社に与えるダメージは計り知れない。今更新しいパートナーを見つけるのもいささか考えづらいし、お互いがお互いを補っていく他ない。

新型デイズモコ誕生?

もし日産と三菱の不協和音が実際にあったとして、じゃあそれを解決できるとしたら「モコ」しかない。

日産モコは、スズキのMRワゴンのOEM車。日産はスズキから離れて三菱とくっつきましたが、それでも未だに販売し続けてる。だから、このモコを三菱や日産のどちらかで生産すれば、余裕で問題はクリア。

一時期モコはすごく売れたけど、最近は数千台程度に落ち着いてる。だからスズキとしてはモコを生産しなくても、基本的にそんなに影響は出ないはず。むしろ今現在は、ハスラーという人気車種に生産を振り向けられると喜ぶぐらいか。

当然そうなったら「デイズ」ブランドの中に含めて販売されるでしょうから、新型『デイズモコ』といった名前に変わるんじゃないだろうか。三菱だと『ekキュート』みたいな名前とか?

日産三菱は新しい軽の電気自動車(EV)を作ると公言してるようですが、生産台数を考えると、この新型デイズモコで対応するのが一番現実的じゃないだろうか。EVでは投資を回収するのも大変そう。

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