CVT(しーぶいてぃー)の意味を説明
CVTとは、無段階で自動的に変速する変速機という意味。無段変速ATや連続可変トランスミッションと呼ばれることもある。CVTは「Continuously Variable Transmission」の頭文字をとった略語。意味を直訳すると、「断続的に変化するトランスミッション」ということ。
CVTの普及率
CVTの歴史はおよそ30年前後。スバルがECVTなるものを開発。1987年2月に量産車として初めて「ジャスティ」に搭載して発売したのが始まり。そして2015年5月現在、日本国内の新車市場においてCVTの普及率は、軽自動車で8割、普通車では7割を超えている。
海外とは異なり、日本国内でのCVT普及率は年々向上している。ちなみにCVTが世界的に普及しない理由としては、主にCVTの製造コストの問題が挙げられる。ATやMTよりも価格が高く、新興国市場においては普及の壁となっている。
ただしマツダ自動車のCVT採用率は0%であるため、CVTの全体的な普及率は想像以上に高いと言える。ちなみにマツダ自動車の変速機には、主にステップATが採用されていることが多い。
特徴と不人気な理由
CVTは先にエンジンの回転数を上げるのが特徴で、車の速度は後から追い付くのを待つ仕組み。そのため瞬発力に乏しく、アクセルを踏み込んでも速度が体感的に連動しない。また曖昧なアクセルの踏み込みを繰り返すと、エンジンの挙動が不自然になりがち。いわゆるダイレクト感は少なく、これが一部のカーマニアにはCVTが不評とされる原因。また欧米でも、CVTの挙動の不自然さは「ラバーバンドフィール」と呼ばれ評判が良くないとされる。
ただし最近はATの感覚や挙動に合わせたCVTも増えている。例えば、アクセルを踏み込み加速させようとする時に、敢えてエンジンの回転数を制御するといった仕組み。
具体的には、日産エクストレイルのエクストロニックCVTや、スバルWRXのリニアトロニックCVTがそれである。
CVTの構造まとめ
CVTの構造的としてはATで使用される歯車(変速ギア)ではなく、ベルト(金属やゴム)などを使用。その分だけ無断階に変速できるので、いわゆる変速ショックが小さくなり、伝達効率も上昇。そのためCVT車はMT車などよりも、一般的にカタログ燃費が向上する。
ただし摩擦だけでは大きな力を伝達することは難しいのがデメリット。トルクが大きくなるほど油圧の伝達効率が落ちるため、CVTは大きな負荷や高い速度域には一般的に対応しづらい。
だからCVTは、トラックやバスの変速機に基本的に採用されることは極めて少ないのが現状。過去には高排気量にも対応したトロイダルCVTがあったが価格面の問題があり、現在は廃れている。
またトヨタのハイブリッド車などは金属ベルトなど摩擦力を使わず、電気を併用することで無段変速を達成している。それらはE-CVTやECVTと呼ばれることもある。他にも油圧機械式無段変速機(Hydraulic Mechanical Transmission)などもある。
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