そこでCX-3の試乗に関する意見や感想をまとめてみました。同じエンジンを搭載してるにも関わらず車重がデミオより重いんですが、CX-3の動力性能や走行性能は実際どんな感じなんでしょう?
ザ・マイカー
まずは『ザ・マイカー』さん。試乗メインの記事ではありませんが、CX-3に関するデータに載ってた情報。ちなみに自動車雑誌各誌の特徴も参考。「プレミアム感はある」とデザインの質感が好評価。インテリアはデミオに似ているが細部を変更し、各所に赤いパーツを配置するなど若々しい仕上がりをくわえて、上級者に相応しい仕上がり」とべた褒め。
ただ「2組のカップル(大人4人)があちこち出かけるには後席や荷室サイズが不足気味」と室内空間に対しては批判的。「若い夫婦の4人家族(大人2人子供2人)なら特に問題はなし」ともあるので実用性という点では軽自動車並みか、それ以下という感じ。
おそらくCX-3の試乗で一番気になるディーゼルエンジンのパワー感。こちらに関しては「もう少しパワー感がほしい」とのこと。でも「5000回転からレッドゾーンになり高回転では使えないが、低速からのトルクの湧き出し方は見事」と評価。街乗りメインで走行するなら走りを楽しめそう。
カーウォッチ
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20150403_695025.html岡本幸一郎という自動車ジャーナリストさんが試乗したカーウォッチさんの記事。6速AT・2WDの「XD」と、6速AT・4WDの「XDツーリングパッケージ」を試乗されたそう。
「ドアを開けて乗り込むときにまず感じた」のは、ドライビングポジションがちょうど良い高さだそう。サッカー日本代表の長友佑都がCMでアピールしてましたが、シートの調整具合が抜群で「筆者の体格(身長172cm)なら前後席とも非常に楽に乗り降りできる」らしい。
CX-3の走行性能もデミオ以上。デミオではイマイチだった低回転域からの「トルクの立ち上がり方がだいぶリニアになっている」らしく、要するに加速感が直線的に増していく。ディーゼルエンジンでありがちなデメリットですが、静粛性の高さもデミオ以上。「トルクの数値が上がったからというよりも、エンジンの特性自体がよくなった」と記事では分析されていました。
ただCX-3に対する批判的意見も。それが「ステアリングフィール」。ハンドルの曲げた量とタイヤが曲がる角度に若干のズレを感じたそう。「よく曲がることを演出しようとした意図」があると記事では分析されていました。後述もしますが、CX-3のデザインの完成度は高いとはいえ、若干の調整不足感はあるのかも?
ニューモデルマガジンX7月号
続いて、ニューモデルマガジンXさん。マガジンX7月号の祓川隆一という自動車ジャーナリストさんが試乗した記事。6速MT・2WDの「XDツーリングパッケージ」というグレードを試乗。
まずは「くやしいくらいに良い車」と絶賛。記事のテーマが「経済性」を売りにしているらしく、CX-3は軽油で走ることもあってか「1kmあたり5.8円程度」と、燃費が良いとされるガソリン車よりも半分ほど安い維持費とのこと。
気になるCX-3の動力性能ですが、「発進時は1.5Lガソリンと同程度」と意外にトルクフルではないのかなと思わせる感想もありますが、やはり「1500回転あたりからの盛り上がりは心地良い」と低速トルクの良さを評価。「高速巡航時に6速に入れたままでも1500回転からストレスなく好きなだけ加速できる」と絶賛。騒音に関しても、「ナチュラルサウンドスムーザーがなくても静か」とのこと。
ただ他にもデザインの完成度を賞賛されてるんですが、CX-3に対する批判的な意見も。例えば、ダッシュボード。デザイン性が優れているだけにデジカメを置けるスペースぐらいが何故ない?市販のドリンクホルダーを後付けすると、せっかくのデザイン性が損なわれてカッコ悪いとのこと。
他にも視界の悪さ(左前方の見切りを考えると小さなフェンダーミラーが付けるべき)や、シート表皮とパッドの耐久性が気になる、アームレストが欲しいなど使い勝手や機能面ではイマイチな部分も。
祓川隆一さん的には「XD(4WD)」がおすすめグレードだそう。
でもこの方だけでは、逆に試乗レポートで「ツーリングパッケージ」というグレードはダメという方は多め。その理由がタイヤのサイズが珍しいタイプだから。具体的な経口を書くと「215/50R18」。基本的にトーヨータイヤ(TOYOプロクセス)ぐらいしか販売してないないらしく、いざという時に代用のタイヤを用意できないというデメリットが。
XDではACCはオプションでも搭載できないものの、他メーカーと比較するとマツダ製のACCはやや安心感に欠けるレベルらしく、マツダレーダークルーズコントロールは無くても気にするほどではないとのこと。
自動車通の覆面座談会
マガジンX9月号。おそらく編集者の方がCX-3を試乗。まずはグレード「XD」。気になるCX-3の動力性能ですが、「3名乗車でも不満なく気分よく走れる」とのこと。片道150kmの長距離ドライブだったようですが疲労感は少なかったそう。
騒音面でも問題はなく、デミオにあったカラカラ音も少ない。「乗り心地はしなやかで、同時に安定感もあって、ドライビングフィールは上々」とまさに絶賛。カーウォッチでは批判的な意見もあったハンドリングも素直で、CX-3は「背高ではあるもののカーブでも不安定感はない」らしい。
ただシートに関しては「フィット感に欠ける」という評価。後部座席の乗り心地も微妙。座面長が短く、更にシートも柔らかいゆえに、お尻に荷重がかかりすぎるらしい。長距離ドライブでも疲労感はなかったようですが、同乗者に関して言えば長距離ドライブには不向きか。
続いて、「XDツーリングパッケージ」というグレード。駆動方式は4WDということもあって、FFよりも更に+100kgほど車重は重いものの、それでも快適に走行することが可能。4WDモデルだけに搭載される「ナチュラルサウンドスムーザー」は窓を開けると実感できるらしい。
既に批判的な意見もあった、18インチタイヤは路面からの振動がやや強いとのこと。やはり16インチタイヤを選択できないもの難。こういった部分が「XDツーリングパッケージ」が選びにくい大きな理由っぽい。
同じくマガジンX9月号から「覆面座談会」というコーナー。自動車業界に精通する色んな職業の方が試乗してアレコレ品評する企画。
まずは、某ベテラン実験ドライバーのCX-3に対する評価。「一般的なドライバーであれば走行性能に不満はない。でも自分のような常に自分のドライビングを組み立てながら走ってる人には期待外れ」と厳しめ。ATはノターッとした加速感なので、トルクコンバーターはもっとタイトに使いたいらしい。
ただ逆に考えると、プロのドライバーさんでこういう意見が出るということは、CX-3の加速感はむしろ必要十分と評価してるようにも聞こえます。
そして例の「XDツーリングパッケージ」というグレードに関しては、「大径タイヤを履かせるにはプラットフォームの能力が足りない」という評価。実際、某チューニングショップ社長は「CX-3はフォード・エコスポーツやルノー・キャプチャーより剛性感が劣る」ように感じたそう。
もっと言うと、18インチタイヤは見た目の勇ましさだけとのこと。ホンダ・ヴェゼルでもタイヤは17インチまでなので、確かにCX-3クラスの車体だと大きすぎる印象もします。また路面からの衝撃が伝わるととたんに車重の重さが顔を出す、EPSの感触がザラッとしてる、という声も。
ただ某事情通の方は、カーウォッチでは批判的な意見もあったハンドリング性能に関しては「ハンドルの操舵性に関しては18インチの方が優れており、16インチタイヤは調整不足」という感想。また「元気良く走るのであれば18インチの方が良い」という意見も。
他の批判的な意見をまとめると、元部品メーカー社員さんは「運転席からの斜め後方に関する視界がダメ」。チューニングショップ社長は「座面から骨盤付近に思ったように体重を預けることが難しい。後部シートの出来が悪く、妙に頭が揺さぶられる」など。
やはりCX-3の気になる点としては、特に「視界の悪さ」と「シートの座り心地」を挙げる人が多め。こういう辛辣な方々でもCX-3の内装に関しては「オー!と唸る」とべた褒めだったものの、使用感という点では今一歩だった模様。
ベストカー
最後はベストカー6月26日号。テリー伊藤がCX-3を試乗。CX-3は勝手に5ナンバーだと思ってたんですが、車体サイズ的には一応3ナンバー。ただエクステリアは「細幅デザインで良い」と評価。室内空間に関しては「後席は狭いものの、そのタイト感が逆に良い」という感想。
CX-3に対するダメ出しとしては「ヘッドアップディスプレイが邪魔」「レカロシートが硬すぎる」とのこと。テリー伊藤と一緒に同乗した編集者は「アームレストがない」ことに不満だったそう。意外にアームレストを使ってるドライバーが多いのか。
そしてテリー伊藤がCX-3で気になった点が「価格が想像以上に高い」こと。やはりディーゼルエンジンのみということもあって、自分も初めて価格を聞いた時は驚きました。実際同じ「XD」というグレードで比較してみると、CX-3はデミオディーゼルより約60万円ほど高い。軽く中古車一台分ぐらいの差。コンパクトカー・コンパクトSUVというジャンルを考えると決して無視はできない価格差。
ただ走りは軽快という評価で、贅沢な「背の高い2ドアクーペ」としてなら買いらしい。
試乗インプレッション感想まとめ
CX-3はデミオより車重が重いこともあって走行性能に関する不安もありましが、批判的なのはプロのドライバーさんぐらいなので、基本的に気にするレベルではなさそう。むしろデミオよりエンジンの完成度が高まったのか、CX-3の低速トルクはやはり抜群。車重が重めの4WDモデルでも快適な走行性能を確保してる。CX-3のデザイン性の高さも折り紙つき。内外装に関する質感の高さは国産車の中でも随一と呼べそう。CX-3はデミオベースということですが、両者を画像比較してみると見た目からして意外に両者が違うことが分かります。
ただCX-3は内装のデザインの完成度が高いがゆえに、例えば安っぽいドリンクホルダーを付けるのがためらわれるといったデメリットも。じゃあ標準で収納スペースなどが用意されてるかというと、残念ながらそれは微妙。アームレストの件も然り、CX-3は実用性とのバランスよりもデザイン性に完全な軸足が置かれている模様。その延長線上に18インチタイヤに対する批判もありそう。
その割に18インチタイヤを履いた方がハンドリングの評価が高かったりチグハグ感もありますが、今後の一部改良やマイナーチェンジで改善されていくかも知れません。今年はロードスターが新しく発売されるなど、ここ数年でマツダから立て続けに新車がリリースされてますので、誰かが言ってましたが企業規模を考えるとCX-3の調整不足感もあったのかも。
CX-3は価格の高さもネックですが、テリー伊藤が言ってるように「2ドアクーペ」の枠組みでCX-3を捉えると一番シックリくるのかなと。価格が価格だけに機能面や実用面でも多くを求めてしまいがちですが、CX-3は「見た目と走り」でハッキリ割りきって楽しむ車と言えそう。230万円からこの質感を楽しめるのは外車でもなかなか無い?
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