2016年6月5日日曜日

【2017】パッソ vs イグニス 徹底比較まとめ 人気Aセグ買うならどっち!?【2018】

driver7月号
つい先日6年ぶりにパッソがフルモデルチェンジ。

そこで自動車雑誌「driver」さんの比較記事をベースに、同じAセグメントであるスズキ・イグニスとパッソを比較してみたいと思います。これまではパッソがAセグメントの牙城だったと思いますが、果たしてイグニスとどっちがおすすめできるクルマなんでしょうか?

それぞれ比較したグレードは、パッソが「X Gパッケージ(車重は910kg)」。イグニスは「MZ セーフティーパッケージ(車重は880kg)」になります。



トヨタ新型パッソ 試乗レビューまとめ


まずイグニスと比較する前に、トヨタ新型パッソの試乗評価を簡単におさらい。

パッソはシートの位置が高くなったのか、それに伴ってアイポイントが高くなった。結果、先代パッソよりもボンネットフードが確認できるので車両感覚を把握しやすくなってるのが特徴。

他にもトヨタ新型パッソは、路面のうねりによる常態的なロール感は少なく、コーナリング時のロールも少ない。新型パッソから前後サスペンションにスタビライザーを配置したおかげ。

また新型パッソでは1.0L 直3NAエンジンに集約されました。最高出力69馬力で最大トルクは9.4kgm(92Nm)程度とほぼ軽自動車並ですが、坂道ではさほどストレスを感じさせない走りだそう。ザ・マイカー7月号を読むと「大人4人が乗車していても加速感は不満なし」とのこと。

新型パッソは新しいプラットフォームを採用したものの車重はそのままでした。ずっと不思議に思ってたんですが、理由は車重の減少分をアンダーフロアの強化に当てたから。つまり先代パッソよりも剛性感がアップして、全体的に走りの安定感やしっかり感が増しました。

ただ乗り心地は空気圧高めのタイヤを履いてるせいもあって固めで、凹凸感のいなし方は上手くないらしい。それでも「トヨタの軽」とは言いつつも軽らしさは全然なく、今回のフルモデルチェンジで走りの面では割りと進化している模様です。

燃費の良さはイグニスがおすすめ


新型パッソの実燃費記事は少し前に書きましたが、今回はイグニスと比較して低燃費なのかどうなのか。どちらが勝ってるのか。

イグニス パッソ 実燃費比較
driver7月号
結論から書くと、イグニスの方が圧倒的に低燃費。街中ではフィットすら大きく上回り、高速燃費でも迫っています。トータルでもイグニスはフィットを上回ります。一方のパッソはイグニスより悪燃費。両者ともカタログ燃費が同じ28.0km/Lなので思ったより差が産まれてます。

この理由はイグニスがマイルドハイブリッドを搭載している点が大きいと考えられます。アイドリングストップ機能が働く時間が他よりも長く、また再始動も実にスムーズ。逆に、パッソはこのアイストの時間がとにかく短い。そのことが顕著に現れている数字。

ただ、あくまでイグニスと「敢えて比較」した場合の話。もちろんパッソが驚くほどの低燃費ではありませんが、そこまで悪い数字とも思いません。少し擁護しておくとパッソの方が燃料タンクは4Lほど大きいので、一回の給油でイグニスより60km程度は長く走れるメリットがあります。

走りはイグニスがおすすめ


どちらかと言えば、問題は走行性能。このことが少なからず実燃費面でも影響していると考えられます。

前述の「パッソ試乗まとめ」では好意的な評価もありましたが、この1.0L 直3エンジンのスペックは所詮軽自動車ターボ並。むしろ「軽自動車のターボエンジンの方が…」という厳しい評判もあります。

具体的に比較するとイグニスの1.2L 直4エンジンより20馬力ほど落ちます。それだけ加速性能ではイグニスの方が断然スムーズ。高速燃費でパッソが奮わなかった理由も、やはりエンジンが非力だからでしょう。

そして静粛性でも違いが見られます。パッソは3気筒ということで振動やノイズは、4気筒のイグニスと比べると大きめ。アイドリングストップの再始動音も耳障り。イグニスの方が静粛性が高めと評価できます。

またイグニスの方が剛性感があるので走行面でも安定感があります。ちなみに日産GTRを開発した水野という方によれば、イグニスは全体的に高評価だったものの「Aピラーあたりの剛性感が足りない」という指摘をされています。

自動ブレーキならイグニスがおすすめ


続いて自動ブレーキの性能差。パッソはダイハツの「スマートアシストⅡ」を設定、イグニスはスズキの「デュアルブレーキサポート」を設定してます。

ただ 結論から書くと、自動ブレーキはイグニスがおすすめ

【比較】デュアルブレーキサポート VS スマートアシストⅡも参照してもらうと一目瞭然ですが、まず作動する速度差が違います。

例えば、パッソは時速30km/h、イグニスは時速50km/h。しかもパッソの場合は時速30km/hですら止まれるかは怪しい。またイグニスは歩行者相手でも自動ブレーキが作動するのに対して、パッソはあくまで歩行者を検知できるだけ。

パッソが「単眼カメラ+赤外線レーザー」タイプに対して、イグニスは「ステレオカメラ」タイプ。簡単にまとめるなら、カメラ2個の方が自動ブレーキの性能としては優秀ということ。

どちらもサイドエアバッグやカーテンシールドエアバッグが設定されてますが、パッソは自動ブレーキとは別で設定。イグニスはセットオプション。価格もトータルではパッソの方が割高。

乗り心地の良さもイグニスがおすすめ


乗り心地においても先程は「新型パッソはしっかり感が増した」と書きましたが、結論から書くとイグニスの方が乗り心地は上回ります。

例えば、イグニスはパッソよりも足回り系だけではなく更にしなやかさがプラスされるカタチ。

ただシートの座り心地に関しては、新型パッソのクッションはやや固めだそうですが、このクラスの車だとフィットを含めても両者に大差はないでしょう。どっちもAセグメントカーという価格帯も考えるとそこまで大きな違いは出ないか。

強いて言えば、パッソのヘッドレストが先代と比較して異様にデカくなってること。6対4分割シートなので真ん中にもヘッドレストがあるんですが、これがまた邪魔で仕方ない。

一方、イグニスのヘッドレストは常識的なサイズ。確かに交通事故時における頭部保護力を考えると…とは思いますが、後部シートの座面高はイグニスもパッソも変わらないのでパッソの後方視界性は最悪と言ってもいいでしょう。

室内空間の広さはパッソがおすすめ


続いて室内空間の比較。主に「後部座席」の空間を見てみたいと思います。

結論から書けば、新型パッソの後部座席は広め。いわゆるニークリアランスと呼ばれる足元空間はホンダ・フィットと肉薄するほど。またカップルディスタンスも広く、後部座席に二人が乗ってもお互いの距離は離れてて座りやすい。こちらもフィットと肉薄。

一方のスズキ・イグニスの足元空間はパッソより少し狭い。またカップルディスタンスに関しては、パッソより目に見えて狭いです。とはいえトヨタ・アクアより広いといった評価もあるのでイグニスの試乗記事も合わせて気になる方は読んで下さい。

だから室内空間では全体的にパッソが有利と評価できますが、唯一イグニスより劣るのが意外にも頭上空間(ヘッドクリアランス)。ザ・マイカーさんによれば、パッソは身長180cmだとギリギリ当たらない程度だとか。まだムーヴの方が頭上空間があるらしい。

車体を後方から改めて比較してみると明らかですが、イグニスは絞り込みが強くルーフにかけて狭まってるオニギリ型。逆に言えばそれだけ高さが確保されていて、頭上に関してはパッソよりかなり余裕があります。

数字で比較すると更にハッキリ差が出てて、パッソの全高が1525mmに対してイグニスの全高は1595mm。この7cmの差が室内空間の特徴として顕著に現れている模様です。

荷室空間はイグニスがおすすめ


続いては荷室空間ですが、結論から書けばパッソの方がイグニスよりやや狭め。イグニスより室内空間が広かったのは、逆に考えると荷室空間が犠牲になってる裏返し。

例えばフル積載時だと、パッソの荷室奥行きは99cmに対して、イグニスは124cm。割とエグい差。

この違いはパッソの6対4シートを折りたたむと段差ができるのに対して、イグニスの5対5シートは折りたたむとほぼフラット状態になる違いから出た差。つまり、使い勝手の面で比較してもイグニスが上回りそうです。

そして、イグニスの荷室はトイレットペーパー(18ロール)が縦にまるまる入るぐらい大容量のアンダーボックスが隠されてる。容量にすると106L。もちろんパッソに床下収納はなし。

とはいえ使い方にも寄りますが、それでもイグニスの方がより多くの荷物を積み込めるでしょう。

収納性はイグニスの方が高い


ラストは収納性。

結論から書けばイグニスの収納性の方が優れている印象。

いわゆるコンソールボックスを見てみると、イグニスは大容量。ペットボトルだけではなくスマホも置けるなど実用性は抜群。例えば、フィットのコンソールボックスに肉薄してるか。

一方、パッソはスマホを一個入れるだけで限界。パッソにはインパネトレイこそ設置されてますが、横長空間なので用途は限定されそう。ちなみにパッソモーダではこのインパネトレイにフタが付きます。

ドアポケットもイグニスの方が幅広で容量は大きめ。パッソは至って平凡。写真ではペットボトルが入ってませんが、もちろんイグニスもドアポケットに入れることが可能。むしろホルダー付き。ちなみにフィットのドアポケットは幅狭で意外に使いづらいそう。

ただパッソが唯一勝ってるのが、アームレスト(肘掛け)に隠された大きめの収納ポケット

ベンチシートを採用してるからかアームレスト自体がかなり大きめ。もちろんイグニスにもフィットにアームレストに収納ポケットはありません。まあ頻繁にアームレストを上げ下げする場合、収納できるアイテムは限られそうですが…。

【比較まとめ】イグニスとパッソの違い総括【口コミ】


以上、長々と比較してきましたが個人的には「おすすめはイグニス」という結論に至ります。

イグニスはドアハンドル部分の色だけ変えるなどインテリアの質感の高さやデザイン性など、数字では測りにくい部分を含めてもトータルでおすすめできます。

パッソはあくまで「軽自動車として上質」イグニスはしっかり「Aセグメントとして上質」という評価ができるのかなと思います。それぐらいの価値観や目指す方向性が違ってて、この言葉以上に中身の差は大きいと思いました。

価格帯はエントリーグレードこそパッソが圧倒的に安いんですが、上級グレードを見比べるとイグニスと価格差はほとんどない。一般的に売れ筋は装備が充実するミドルグレード以上になると思うので、じゃあ敢えてイグニスを選ばずにパッソ(モーダ)を選択する理由があるのか?

個人的には…うーん。

だからパッソの安いグレードは「黄色ナンバーがイヤ」という需要を依然として取り込めそうですが、そこから価格帯が上がっていけばイグニスがかなり強力なライバルとして新型パッソの前に立ちはだかってることは間違いなさそうです。

ちなみに【比較】ソリオ VS ルーミー(トール)【人気】国産コンパクトカーおすすめランキングまとめなども興味があればご参照ください。

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