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2017年4月15日土曜日

【考察】自動車業界はアベノミクスの恩恵を受けているか?【コラム】

安倍政権が2012年12月26日(ほぼ2013年1月)に始まってから、2017年4月時点でおよそ4年半が経過しました。日本の歴史上において、既にトップクラスの長期政権に入ることは言うまでもありません。

集団的自衛権の強行採決や愛国小学校の森友学園問題(正確には稲田朋美のような使えない大臣問題?)など何度か支持率を大きく下げましたが、基本的に国民から安倍政権が安定して支持されているのは「アベノミクス」という経済政策が好評だからとのこと。

そこで今回は自動車業界とアベノミクスの関係について考察してみました。ざっくり言うとアベノミクスとやらの恩恵を自動車業界が享受しているのか否かを新車販売台数といったデータを使って評価したいと思います。



アベノミクス以前の為替相場のほうが円安だった


結論から書くと「アベノミクスで自動車業界は特段潤っていない」と考えられます。

確かにアベノミクスの金融政策で円安が進みました。その結果、一台あたりの輸出における利益は増加したので、自動車メーカーの業績そのものは民主党政権時代よりも改善しました。これは間違いないはず。

ただもう少し過去に掘り下げて比較してみると、意外な結果が見えてきます。そこで安倍政権以降の為替相場と2000年代前半の為替相場を比較してみましょう。

日本 2000年以降 為替相場の推移
http://ecodb.net/exchange/usd_jpy.html
そうするとアベノミクスで円安が進んだとは言っても、実は2000年代前半の為替の方が余裕で円安だったことが分かります。最近2017年4月半ばには110円を割り込みましたが、むしろリーマンショック直前と比較しても「安倍政権時代は円高」と表現することも可能です。

もちろん民主党政権時代が極端に円高だったことは否定しませんが、だからといってアベノミクスによる円安誘導も所詮は知れてるレベルに収まっていると分かります。

ちなみに何故自動車業界にとって為替相場が重要かというと、円安に振れると海外で販売する時に価格を安く設定できる。その分だけ自動車の販売がしやすくなり、結果的に海外への輸出台数も増えやすいから。

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生産台数は下落傾向など自動車業界が喜ぶ指標がない


じゃあアベノミクス効果で自動車の輸出台数が伸びたのかというと、これが実に微妙。

日本 自動車海外輸出台数 2006年から2015年の推移
http://www.jama.or.jp/industry/four_wheeled/four_wheeled_4g2.html
日本自動車工業会(JAMA)が作った『自動車海外輸出台数の推移』に関するグラフデータを見る限りは、2010~2012年の民主党政権時代を比較してもほとんど自動車輸出台数は変わらないと言っていいレベル。トラックとバスの輸出台数に至っては、完全にご臨終状態。

アベノミクスが成功してるとは言いがたいものの、それでも為替レートの関係を考えると自動車業界に対して一応ギリギリの恩恵をもたらしているとなんとか擁護することはできそう。

でも更に重要なのは、雇用に直接関係してくる「自動車生産台数」。ただ残念ながら、安倍政権以降の自動車生産台数の推移がもっとひどかった。

日本 自動車生産台数 2006年から2015年の推移
http://www.jama.or.jp/industry/four_wheeled/four_wheeled_1g2.html
同じく日本自動車工業会(JAMA)のグラフデータを参考にすると、見事に2012年を最後に日本の自動車生産台数は頭打ち。2012年はほとんど民主党政権下にあったと言えるので、2013年のアベノミクス以降の自動車生産台数は減少傾向にあると表現して良いでしょう。

つまり、やはりアベノミクスで自動車業界はほとんど恩恵を受けていないと結論付けられます。日本政府による円安誘導で利益が出たとしても、それは自動車業界が必死こいてコストを下げる努力をしたからに過ぎません。


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アベノミクス以降は新車販売台数の減少が止まらない


自動車業界にとって、もっと重要なことは「国内の新車販売台数」。残念ながらこちらもアベノミクス以降の新車販売台数の減少が止まらない。

日本 新車販売台数 1989年から2016年までの推移
http://www.garbagenews.net/archives/2031049.html
ガベージニュースという有名なサイトさんを参考にすると、2013年度を境に目に見えて新車販売台数が減少してることが分かります。理由はシンプル。2014年4月に安倍政権が実施した「消費増税による駆け込み需要」が2013年度中に発生したから。

つまり先程は安倍政権は「自動車業界に対して無策」だと批判しましたが、むしろ真逆。2015年4月には軽自動車税を引き上げるなど、恩恵どころか自動車業界の足を引っ張ってるのがアベノミクスと言えます。

2016年度こそ新車販売台数が下げ止まってこそいますが、これはトヨタであれば新型プリウス、日産だと新型セレナなどがフルモデルチェンジし、スズキはイグニスといった新型車を相次いで投入したから。つまり自動車メーカー自身の企業努力で、ようやく新車販売台数が現状維持にできてるに過ぎない。アベノミクスは一切関係ないと言ってもいい。

日本 乗用車の新車販売台数 2011年から2016年までの推移
ベストカー5月10日号
それでも2012年の乗用車の新車販売台数と比較すると、2016年の新車販売は全然追い付いておらずいかに悲惨かが分かるはず。もし「アベノミクスで自動車産業に恩恵がもたらされた」なんて言い出す人がいたら、むしろ自動車業界の人は激おこしちゃうぐらいでしょう。

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そもそもアベノミクスは成功しているのか?


ラストはアベノミクスそのものに対する批判。「アベノミクス景気」とマスコミはさんざん宣伝してますが、自動車業界がどうこう以前に果たして本当に大成功しているのか。

確かに安倍政権以降は就業者が100万人以上増加して、失業率は脅威の3%を下回るなど「大失敗」とまでは言いがたいと思います。でも、だからといって前述のように民主党政権と比べて、何か格段に成功してる部分があるかといえば大きな疑問。

日本 GDP経済成長率 2010年から2016年までの推移
http://ecodb.net/exec/trans_country.php?d=NGDP_RPCH&c1=CN&c2=JP
例えば2010年以降の経済成長率(GDP成長率)。民主党政権時代の3年間では東日本大震災があった2011年を除くと最大4.71%の成長率を見せてるのに対して、一方2013年以降のアベノミクスにおける経済成長率はまさかの「0%台」のオンパレード。2014年に至ってはマイナス成長。

実際、日本人一人あたりのGDPに関しても、民主党政権下の2011年は世界15位だったにも関わらず、アベノミクス真っ最中の2016年は世界30位まで下落してる。もちろんデータを見る限りは、中国経済の動向に日本の経済成長率が左右されている感もありますが、そう考えたとしても「アベノミクスは日本経済に何も影響を与えていない」と認めてるに等しい。

他にも最低賃金。民主党政権の3年間も含んでるため一概にアベノミクスに対する評価とは言えないんですが、日本の最低賃金はここ9年で687円から798円まで上がった。率に換算すると上昇率は16%程度。

ただお隣の韓国に関しては、ここ9年で3770ウォンから6030ウォンまで大幅上昇させてる。率に換算するとなんと62%の上昇率。このままの上昇率が続くと、あと4年で日本の最低賃金の金額そのものが韓国に追い抜かれるらしい。どんだけ日本の最賃低いねんって話。

前に『ニッポン、世界で何番目?』というランキング本をレビューしましたが、データで確認する限りはアベノミクスは本当に大した成果を残していないことが分かります。野球で例えるとバントの連続で出塁率だけはそこそこ高いな、というレベル。


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アベノミクスと自動車業界の関係まとめ


以上、自動車業界とアベノミクスの関係に関する考察でした。

結局まとめると国民の年金資金を使って少し円安誘導した以外、アベノミクスは基本的に何の政策も実行してない。特に安倍政権による自動車産業に対する施策は皆無に等しく、少なくとも、自動車業界に対して目に見えた恩恵は残していないと個人的に判断します。

基本的に批判ばかりの内容でしたが、あくまで安倍政権に早くまともな経済政策を打ち出して欲しいだけですので悪しからず。日本の人口や経済規模を考えると、毎年600万台前後の新車を販売したいところ。

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