元祖ハイブリッド車。アクアが登場するまでは長らく新車販売台数1位を維持していた人気車種。もちろんフルモデルチェンジ後の販売台数は好調で、しばらく1位を維持してました。
しかしながら今年2016年11月の新車販売台数では早くも首位陥落。日産ノートがビッグマイナーチェンジを果たして、ハイブリッド車「ノートe-POWER」を追加したことが特に影響として大きく出たと推察されますが、プリウスの勢いそのものが落ちてることも大きい。
フルモデルチェンジ直後にも関わらず失速
実際、2013年11月のプリウスの販売台数を見ると20706台。一方、2016年11月のプリウスの販売台数は13333台。フルモデルチェンジ直後にも関わらず、7000台以上失速してる。
もちろん3年前はフィットが2.6万台、カローラが1.3万台近く売れてたことを考えると、そもそも新車市場全体がクソ売れてない。日本国内でこれだけ新車が売れてないんだから、トヨタが世界一の座から陥落するのもうなずけます。
ちなみに安倍総理曰く、日本経済は絶好調のようです。
だから今後もプリウスが販売台数首位を維持するのは非常に難しいはず。そこで新車販売全体が賑わってないことは別にして、プリウスの前に立ちはだかる3つのハードルを考察してみました。
ハイブリッド車の代名詞ではなくなったプリウス
まず一つ目の理由は「ハイブリッド車はプリウス以外にもたくさん発売されるようになった」ことがやはり一番大きな理由でしょう。
例えば、アクアは2011年、カローラは2013年、ノア・ヴォクシーは2014年、アルファード・ヴェルファイアは2015年、シエンタも2015年。これらの車種が毎年のように立て続けにモデルチェンジなどを機にハイブリッド化されてる。
2020年前後には新型ノアヴォクシーのフルモデルチェンジや新型アクアのフルモデルチェンジを控えるなど、プリウスを追い詰める攻勢が止みそうにない。
また2016年12月に発売されたトヨタ新型C-HRにもハイブリッドモデルが販売され、2017年初頭にはヴィッツもついにハイブリッド化されます。当然トヨタ以外のメーカーを見渡してみると、最近ではスズキすらもハイブリッド車を発売する時代。
まさにプリウスのライバルは枚挙にいとまがない。それだけプリウスの存在感は低下しつつある中で、プリウスがかつてのように王者の風格を保つのは難しい。実際プリウスより利便性を考えたらスライドドアタイプのハイブリッド車を買う人も多そう。
改めて考えてみると「プリウスしか所有してない武器」を探しても意外にその答えが見当たりません。
プリウスは需要が少ないCセグメントカー
実際、プリウスの車体サイズはいわゆるCセグメントカー。5ナンバーサイズではなく、3ナンバーサイズ。アクアより大きいけれども、クラウンよりは小さめ。だから日本国内では何ともいえないサイズ感。
プリウスの競合車を挙げると、スバル・インプレッサやマツダ・アクセラ、外車輸入車のフォルクスワーゲンのゴルフを含めてもかなり少なめ。もちろん良い車ではあるものの、その一つ一つの車種の販売台数も多くはない。
つまり高級車でもなければ大衆車にもなりきれてない、どこか趣味性の強い車に多いCセグメントカーそのものの需要が少ない以上、プリウスの販売台数が伸びる余地や伸び代はそもそも潜在的に弱いことが分かります。
プリウスは30万円ほど割高になった
ラストの3つ目は、プリウスの価格。2015年のフルモデルチェンジで先代プリウスから、エントリーグレードが約30万円ほど値上がりしてる。
実際購入する場合、あまりエントリーグレードを購入する人も少ないと思うんですが、ただこれではレンタカーやタクシーなど法人需要が伸びづらいはず。実際エントリーグレード「A」の販売比率は1%程度。
先代プリウスはここまで極端な販売比率ではなかったはず。フリート営業は特に価格にシビアだと思うのでプリウスの販売台数が伸び悩む一因だと考えられます。ただプリウスにも希望があります。
それが来年2017年2月にはようやく新型プリウスPHVも発売されること。新型プリウスPHVの試乗インプレッションは高評価が目立つ。プラグインハイブリッド車と聞くとあまり売れるイメージが湧きませんがプリウスPHVの価格は326万円からとそこそこお安め。
下手な電気自動車を買うより使い勝手や走りなど高い満足度を得られると思うので、そこそこ人気が出る余地があると思います。実際、新型プリウスPHVの台頭でMIRAIのフルモデルチェンジが早まったという情報も。
トヨタ車はダサいと言われがちですが、新型プリウスは2018年後半にマイナーチェンジを行って不評なデザインのテコ入れを図るという情報も。
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