2016年11月26日土曜日

【日産】ノート e-POWER 試乗評価と実燃費まとめ【イーパワーの納期や感想】

先日、日産ノートがマイナーチェンジ。それと同時に電気モーターのみで走行する「e-POWER(eパワー・イーパワー)」という新グレードを新たに展開。基本的にハイブリッド車と表現していいと思うんですが、日産的には「e-POWER(eパワー)」という名称にこだわりを持っている様子。

何故なら、ノート e-POWERと一般的なハイブリッド車と仕組みが異なるから。従来型はガソリンエンジンとモーターを併用して走行するため、走行感覚になめらかさが欠けると言われがち。でもモーターのみで駆動する電気自動車などは複雑な制御を必要としないのでなめらか。

driver1月号
じゃあ果たしてノート e-POWERの走りは実際どんなもんなのか?自動車雑誌さんの試乗インプレッションをかい摘んでまとめてみました。ノート e-POWER(eパワー)の購入を考えてる方は参考にしてみて下さい。(11月26日:実燃費と納期情報追加)



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ノート e-POWERの見た目や室内などおさらい


まずはノート e-POWERの見た目をチェックしておきます。

ザ・マイカー1月号
基本的にePOWERもノーマルノートと見た目は一緒ですが、フロントグリルのV字メッキの部分に青いラインが入ってる。あとサイドとリアに「e-POWER」のロゴが貼り付けられてるのが特徴です。

ただいかんせん地味(笑)ノート e-POWERの価格を考えたら、個人的にはもっとLEDを使ったゴテゴテ感を出しても良かった気がします。

ノート e-POWERのインパネ周りを見ておくと、メーターはeパワー専用。速度計の横にもeパワーの作動状況が表示されるそう。マイナーチェンジで内装の質感がノート全体で高められたそうですが、「e-POWER」限定に限るとシフトレバーがリーフのデザインを継承した丸型が採用されています。

だから基本的に外観も内装もノーマルノートと大差ないものの、1.5kWのリチウムイオンバッテリーを前席下に配置してるのでノート e-POWERの後席の居住性は若干犠牲になっている模様。もともとノートはフィットに負けないぐらい室内空間が広いので気にするレベルではありませんが。

ちなみに荷室には補助用の鉛電池が搭載されているものの、サイズが小さいのでノーマルと比較してもノート e-POWERの荷室空間は犠牲になってない模様。

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ハイブリッドとe-POWERの違いとは?


試乗インプレッションに入る前に、従来型のハイブリッド車とノート e-POWERの仕組みの違いを改めて簡単に説明しておきます。

両者の違いを簡単に図にするとこんな感じ。ノート e-POWER(真ん中)はガソリンエンジンの動力を使って発電して、その電気を使ってモーターのみで駆動する。

一方、トヨタやホンダのような従来型ハイブリッド車(右)だと、状況に応じてエンジンで走行したり、モーターで走行したり、はたまたどちらも併用して走行する。自分のような素人でも複雑な制御が求められることは想像にかたくなく、ハイブリッド車を投入する自動車メーカーが少ないことも頷けます。

結局ePOWERもガソリンエンジンを使うのであれば意味なくね?と思っちゃいますが、常に実用回転域を2000~2500rpmに下げることでガソリン消費効率を高めてるので問題ナッシング。具体的には現行ノートに搭載されてるものと同じ1200cc NAエンジン(79馬力)で発電してるんですが、これを更にターボチャージャー並みに圧縮比高めてるので燃費消費は従来型ハイブリッドより目に見えて少ない。

ただ反面として「e-POWER」は強力なモーターを必要するので、従来型ハイブリッド車よりもやや割高になってしまうのが玉に瑕。具体的にノートイーパワーはトヨタ・アクアより+10~20万円ほど割高。これをどう考えるかといった部分です。

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イーパワーの加速感はリーフ超え


ということで前置きが長くなりましたが、ここからがようやくノート ePOWERの試乗インプレッションに関する本題。まずイーパワーの加速感。

driver1月号
結論から書くと、ePOWERは日産の電気自動車リーフをしのぐ加速感とのこと。先程ePOWERの仕組みを簡単に解説しましたが、電気モーターは日産リーフと同じ最高出力が109馬力のものを搭載してる。それなのに何故ePOWERはリーフの加速感を超えるのか?

答えはシンプル。

リーフの車重は30kWバッテリーを搭載するモデルが1480kgに対して、イーパワーに搭載されてるバッテリーはわずか1.5kW程度の「ノート ePOWER(メダリスト)」の車重は最大で1220kgと200kg以上も軽量だから。逆にノーマルノートより170kgほど重いものの30馬力ほどパワフルですから、やはりePOWERの加速はキビキビ走るっぽい。

ちなみにリーフのバッテリーより30分の1程度しかないので航続距離が心配ですが、ノート ePOWERはガソリンエンジンで常に発電してるのでバッテリーは小さくても大丈夫。ご安心なさらず。

ザ・マイカー1月号
他の試乗インプレッションでも「従来型ハイブリッドより巡航状態から加減速まで常にスムーズ」といった評価。駆動用バッテリーがある程度充電された状態であれば、時速40km/h程度の速度域までなら、ガソリンエンジンが始動することはなく電気モーターのみで走行してくれるそう。

また加速感についても「従来のガソリンエンジンでいえば2000ccクラス」とのこと。ノートは言うまでもなくコンパクトカーですから、ePOWERはワンクラス上の加速感が実現されてることになります。ノートイーパワーは試乗インプレッションを読む限り、走りではアクアやフィットハイブリッドを寄せ付けない格好。他の試乗記事ではデミオディーゼルの加速感よりe-POWERは上といった感想もあります。

ただ批判的な試乗評価もありまして、どうしても電気モーターは高回転域は得意じゃない。実際似たような仕組みを導入してるホンダ・オデッセイハイブリッドなどは高速域に達するとガソリンエンジンで走行する。

だからノート ePOWERのレスポンスが鋭い加速感や快適性は「市街地」に限られるようです。これがセレナのようなミニバンだったら分かりませんが、ノートで遠出する機会は少ないと思うので基本的に問題はないでしょう。

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ノート e-POWERはとにかく静粛性が高い


続いてイーパワーの静粛性(せいしゅくせい)。どれだけ車内が静かなのか。

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結論から書くと、ノートイーパワーの静粛性は「アクアやフィットハイブリッドよりも静か」とのこと。ザ・マイカーでは「エンジンが始動しても騒々しく感じない」ので車内での会話も思わず弾むレベル。モーターのみでの走行がかなり静粛性にも寄与してる模様。

もちろんアクセルを踏んで加速すれば当然ガソリンエンジンは始動するものの、前述のように回転数が抑えられているのでエンジンノイズがそもそも少ないことも、ノートePOWERの静粛性に寄与してると考えられます。

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しかもそれだけではなくノート ePOWERは「静粛性をさらに向上させる入念な遮音対策」が施されてる。発電用のガソリンエンジンルームからの振動音やロードノイズへの対応だけではなく、上級グレードの「e-POWERメダリスト」ではボディ側面の遮音材を増やすことでサイドからの騒音もカット。だからメダリストの車重が10kgほど重いこともうなずけます。

ただ基本的にノートe-POWERは常時ガソリンエンジンが動いてる状態なので、ガチの電気自動車のように静粛性に関して過度な期待は禁物です。

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Sモードやエコモードは強烈な回生力が働いてブレーキ要らず?


ノート ePOWERの特徴はやはり「Sモード」と「エコモード」。Sはスポーツかスポーティーの頭文字を取ったモードで、とにかく加速感が増す。逆にエコモードはモーターの出力が抑えめ気味に走行してくれる。

この二つのモードで走行する場合、アクセルペダルを戻すだけでブレーキがかかったような減速感を得ることができる。その回生エネルギーを利用することで更に発電するわけですが、逆に考えるとノート ePOWERは「アクセルペダル一つだけで走行可能」ということ。これはBMWの「i3」とほぼ同じ挙動。

じゃあ、この回生力を利用した「ワンペダル走行」は実際試乗してどうなのか?

ザ・マイカーによれば「慣れると運転しやすい」とのこと。アクセルペダルを戻すと速度が下がるだけではなく、しっかり停止状態までカバーしてくれる。ノート ePOWERは渋滞時の操作も楽ちんだと期待できます。

しかも高速走行時では回生力はやや穏やかに働くように設定されてるので安心。イーパワーは意外に細やかな配慮がなされていて、少し驚きました。またこのメリットとしてブレーキパッドが減らない点も挙げられそうです。ちなみに、もちろん停止後はブレーキペダルを踏む必要があります(笑)

マガジンXの市場によれば、このSモードとエコモードの走りに慣れてしまうと、「ノーマルモードに戻してアクセルペダルから足を離した時の空走感に逆に恐怖感さえ感じてしまう」とのこと。感覚的にはMTとAT以上に違うのかも

ただワンペダルで加減速を調整する難しさもあって、driverでは「うまくコントロールできないとギクシャクしてしまう」とのこと。それでもノーマルモードは「通常のATと同じ感覚で操作できる」ので、最近はCVT車が増えていることも考えたらノート ePOWERの走りや操作性は意外と万人受けしそうです。

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ノートイーパワーの乗り心地と不満点


最後はイーパワーの乗り心地と不満点。試乗インプレッションである以上、ネガティブな情報も書かなければいけません。

ザ・マイカー1月号
ノート ePOWERの乗り心地は「少し硬いが、車両重量の増加に伴って重厚」と評価されてます。反面、後輪タイヤの接地性を維持するために「スポーティーに走ると若干曲がりにくい」といった評価も。

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そこでノートイーパワーの不満点を更にピックアップしておくと、試乗した方によると「電動パーキングブレーキが搭載されてない点」が不満だったらしい。ざっくり言えば「ブレーキ停止を自動的に保持してくれる機能」が搭載されてない

先日フルモデルチェンジした日産セレナにも電動パーキングブレーキは設定されてるので、このノートイーパワーにないのはやや意外。トヨタの新型SUV「C-HR」にも設定されてたり、割りと増えつつある機能ですから特に前述のワンペダル走行が可能なePOWERだからこそ確かに欲しかった機能です。

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ノートePOWERの実燃費と納期


続いてノートイーパワーの実燃費を見たいと思います。
ノートイーパワーの実燃費
カートップ1月号
国沢光宏氏が試乗した場合の実燃費は高速燃費が20km/L弱、市街地燃費が23~24km/L程度だったとのこと。ハイブリッド車全般の傾向ですが、やはり回生エネルギーが実燃費に貢献するのでストップアンドゴーが少ない高速燃費は意外と伸びない。

ベストカー12月26日号
そしてノートイーパワーとアクアを比較したときの実燃費は、意外にもアクアの方が低燃費。詳しくは画像を見てもらうとして、ノートイーパワーの平均実燃費が26.0km/Lに対して、アクアの実燃費は29.1km/L。

ノートイーパワーの実燃費は優秀な部類に入ると思いますが、アクアの後塵を拝した理由がノートの車体そのものが大きくて100kg以上も重いことが挙げられます。空力性能に特化したデザイン性やパッケージング全ての点において、改めてアクアの燃費性能の高さを見せつけられます。

ザ・マイカー2月号
ちなみにザ・マイカーさんがノートe-POWERで1000km走行した平均実燃費では25.8km/Lだった模様。ノートイーパワーの実燃費は20km/L台半ば超あたりに落ち着いてくる感じっぽい。

ただ現状ノートe-POWERはリーフのお下がり技術なところがあるので、今後のブラッシュアップ次第で更に実燃費を伸ばしてくる余地はアクアやフィット以上にあるはずです。

ベストカー12月26日号
このePOWERはノートの受注全体の6割を占めるぐらいに既に人気。だから納期も気になるところですが、意外にもガソリンエンジン車と同じくePOWERの納期は一ヶ月程度と短いらしい。これは決して人気がないからってことではなく、日産はハナからePOWERを売りまくるつもりだったので量産体制が整っているからだと推察されます。

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カスタム仕様のノートePOWERモードプレミアの試乗はどうなんだ?

ベストカー12月26日号

ちなみにノートePOWERには「モードプレミア」と呼ばれるオーテックジャパンによるカスタム仕様のモデルも発売済み(画像右)。フロントグリルデザインが清潭と評価されてますが、フツーに左のノーマルePOWERの方が良くね?と思ったのは俺だけか。

最後に、この「e-POWERモードプレミア」の試乗もまとめておきます。一応簡単に「e-POWERモードプレミア」を説明しておくと、ベース車はXグレード。内装は専用本革巻きシートなどがあしらわれて質感が高められており、専用16インチアルミホイールも標準装備。

機能的な部分はほとんど変わらず、ノートのガソリンモデルにも「モードプレミア」が設定されてるものの、「e-POWERモードプレミア」には専用チューニングされたサスペンションや電動パワステやファインレスポンスから構成される「ツーリングパッケージ」がオプションで設定される。

例えばカートップさんの試乗によると、締め上げた足回りは「不快なロールを抑え」られている。タイヤもヨコハマタイヤのDNA Sドライブはグリップ力が高く、フットワークも軽快。

モードも加速度重視でスポーティーさが高められており、加速は伸びが増してパワーフィールは至って爽快。回生力も一般的なクルマの3倍ほどの減速Gが発生するので、ノーマルe-POWERよりメリハリある走りが可能。

まさに上質な走りを提供する「e-POWERモードプレミア」は日常の足にもおすすめとのこと。この「ツーリングパッケージ」の価格は8万6400円程度と機能面を考えるとお安いので、ノーマルのノートe-POWERにも設定してもいいぐらいか。

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ノートePOWER試乗の感想口コミ評価まとめ


試乗インプレッションを読む限り、燃費性能ではやや見劣りするもののノートePOWERはかなり完成度が高い仕上がりだと思います。価格は少し割高なものの、イーパワーはアクアやフィットハイブリッドなどを軽々と凌駕したのではないか。

国沢光宏氏の試乗によると「街中で乗るには滑らかだし燃費もいいしアクセルレスポンスもいいしで、こんな素敵なエコカーはない」とePOWERを評価。やはりノートイーパワーの良さは走りにあると言えそうです。ふざけたエアコンレスの廉価グレードさえなければ完璧でした。

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また2016年中には、このノート ePOWERから更にスポーティーなNISMOモデルも発売されるとのことですから楽しみです。前述の「ツーリングパッケージ」にはニスモチューンが含まれているらしい。ノートイーパワーNISMO(ニスモ)の試乗情報があれば簡単に追記したいと思います。

ちなみに「ノートe-POWER vs デミオディーゼル」「ノートe-POWER vs アクア vs フィットハイブリッド」は比較済みなのでよろしかったらどうぞ。

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