何故なら、ノート e-POWERと一般的なハイブリッド車と仕組みが異なるから。従来型はガソリンエンジンとモーターを併用して走行するため、走行感覚になめらかさが欠けると言われがち。でもモーターのみで駆動する電気自動車などは複雑な制御を必要としないのでなめらか。
driver1月号 |
【スポンサーリンク】
ノート e-POWERの見た目や室内などおさらい
まずはノート e-POWERの見た目をチェックしておきます。
ザ・マイカー1月号 |
ただいかんせん地味(笑)ノート e-POWERの価格を考えたら、個人的にはもっとLEDを使ったゴテゴテ感を出しても良かった気がします。
ノート e-POWERのインパネ周りを見ておくと、メーターはeパワー専用。速度計の横にもeパワーの作動状況が表示されるそう。マイナーチェンジで内装の質感がノート全体で高められたそうですが、「e-POWER」限定に限るとシフトレバーがリーフのデザインを継承した丸型が採用されています。
だから基本的に外観も内装もノーマルノートと大差ないものの、1.5kWのリチウムイオンバッテリーを前席下に配置してるのでノート e-POWERの後席の居住性は若干犠牲になっている模様。もともとノートはフィットに負けないぐらい室内空間が広いので気にするレベルではありませんが。
ちなみに荷室には補助用の鉛電池が搭載されているものの、サイズが小さいのでノーマルと比較してもノート e-POWERの荷室空間は犠牲になってない模様。
【スポンサーリンク】
ハイブリッドとe-POWERの違いとは?
試乗インプレッションに入る前に、従来型のハイブリッド車とノート e-POWERの仕組みの違いを改めて簡単に説明しておきます。
両者の違いを簡単に図にするとこんな感じ。ノート e-POWER(真ん中)はガソリンエンジンの動力を使って発電して、その電気を使ってモーターのみで駆動する。
一方、トヨタやホンダのような従来型ハイブリッド車(右)だと、状況に応じてエンジンで走行したり、モーターで走行したり、はたまたどちらも併用して走行する。自分のような素人でも複雑な制御が求められることは想像にかたくなく、ハイブリッド車を投入する自動車メーカーが少ないことも頷けます。
結局ePOWERもガソリンエンジンを使うのであれば意味なくね?と思っちゃいますが、常に実用回転域を2000~2500rpmに下げることでガソリン消費効率を高めてるので問題ナッシング。具体的には現行ノートに搭載されてるものと同じ1200cc NAエンジン(79馬力)で発電してるんですが、これを更にターボチャージャー並みに圧縮比高めてるので燃費消費は従来型ハイブリッドより目に見えて少ない。
ただ反面として「e-POWER」は強力なモーターを必要するので、従来型ハイブリッド車よりもやや割高になってしまうのが玉に瑕。具体的にノートイーパワーはトヨタ・アクアより+10~20万円ほど割高。これをどう考えるかといった部分です。
【スポンサーリンク】
イーパワーの加速感はリーフ超え
ということで前置きが長くなりましたが、ここからがようやくノート ePOWERの試乗インプレッションに関する本題。まずイーパワーの加速感。
driver1月号 |
答えはシンプル。
リーフの車重は30kWバッテリーを搭載するモデルが1480kgに対して、イーパワーに搭載されてるバッテリーはわずか1.5kW程度の「ノート ePOWER(メダリスト)」の車重は最大で1220kgと200kg以上も軽量だから。逆にノーマルノートより170kgほど重いものの30馬力ほどパワフルですから、やはりePOWERの加速はキビキビ走るっぽい。
ちなみにリーフのバッテリーより30分の1程度しかないので航続距離が心配ですが、ノート ePOWERはガソリンエンジンで常に発電してるのでバッテリーは小さくても大丈夫。ご安心なさらず。
ザ・マイカー1月号 |
また加速感についても「従来のガソリンエンジンでいえば2000ccクラス」とのこと。ノートは言うまでもなくコンパクトカーですから、ePOWERはワンクラス上の加速感が実現されてることになります。ノートイーパワーは試乗インプレッションを読む限り、走りではアクアやフィットハイブリッドを寄せ付けない格好。他の試乗記事ではデミオディーゼルの加速感よりe-POWERは上といった感想もあります。
ただ批判的な試乗評価もありまして、どうしても電気モーターは高回転域は得意じゃない。実際似たような仕組みを導入してるホンダ・オデッセイハイブリッドなどは高速域に達するとガソリンエンジンで走行する。
だからノート ePOWERのレスポンスが鋭い加速感や快適性は「市街地」に限られるようです。これがセレナのようなミニバンだったら分かりませんが、ノートで遠出する機会は少ないと思うので基本的に問題はないでしょう。
【スポンサーリンク】
ノート e-POWERはとにかく静粛性が高い
続いてイーパワーの静粛性(せいしゅくせい)。どれだけ車内が静かなのか。
driver1月号 |
もちろんアクセルを踏んで加速すれば当然ガソリンエンジンは始動するものの、前述のように回転数が抑えられているのでエンジンノイズがそもそも少ないことも、ノートePOWERの静粛性に寄与してると考えられます。
driver1月号 |
ただ基本的にノートe-POWERは常時ガソリンエンジンが動いてる状態なので、ガチの電気自動車のように静粛性に関して過度な期待は禁物です。
【スポンサーリンク】
Sモードやエコモードは強烈な回生力が働いてブレーキ要らず?
ノート ePOWERの特徴はやはり「Sモード」と「エコモード」。Sはスポーツかスポーティーの頭文字を取ったモードで、とにかく加速感が増す。逆にエコモードはモーターの出力が抑えめ気味に走行してくれる。
この二つのモードで走行する場合、アクセルペダルを戻すだけでブレーキがかかったような減速感を得ることができる。その回生エネルギーを利用することで更に発電するわけですが、逆に考えるとノート ePOWERは「アクセルペダル一つだけで走行可能」ということ。これはBMWの「i3」とほぼ同じ挙動。
じゃあ、この回生力を利用した「ワンペダル走行」は実際試乗してどうなのか?
ザ・マイカーによれば「慣れると運転しやすい」とのこと。アクセルペダルを戻すと速度が下がるだけではなく、しっかり停止状態までカバーしてくれる。ノート ePOWERは渋滞時の操作も楽ちんだと期待できます。
しかも高速走行時では回生力はやや穏やかに働くように設定されてるので安心。イーパワーは意外に細やかな配慮がなされていて、少し驚きました。またこのメリットとしてブレーキパッドが減らない点も挙げられそうです。ちなみに、もちろん停止後はブレーキペダルを踏む必要があります(笑)
マガジンXの市場によれば、このSモードとエコモードの走りに慣れてしまうと、「ノーマルモードに戻してアクセルペダルから足を離した時の空走感に逆に恐怖感さえ感じてしまう」とのこと。感覚的にはMTとAT以上に違うのかも
ただワンペダルで加減速を調整する難しさもあって、driverでは「うまくコントロールできないとギクシャクしてしまう」とのこと。それでもノーマルモードは「通常のATと同じ感覚で操作できる」ので、最近はCVT車が増えていることも考えたらノート ePOWERの走りや操作性は意外と万人受けしそうです。
【スポンサーリンク】
ノートイーパワーの乗り心地と不満点
最後はイーパワーの乗り心地と不満点。試乗インプレッションである以上、ネガティブな情報も書かなければいけません。
ザ・マイカー1月号 |
driver1月号 |
先日フルモデルチェンジした日産セレナにも電動パーキングブレーキは設定されてるので、このノートイーパワーにないのはやや意外。トヨタの新型SUV「C-HR」にも設定されてたり、割りと増えつつある機能ですから特に前述のワンペダル走行が可能なePOWERだからこそ確かに欲しかった機能です。
【スポンサーリンク】
ノートePOWERの実燃費と納期
続いてノートイーパワーの実燃費を見たいと思います。
カートップ1月号 |
ベストカー12月26日号 |
ノートイーパワーの実燃費は優秀な部類に入ると思いますが、アクアの後塵を拝した理由がノートの車体そのものが大きくて100kg以上も重いことが挙げられます。空力性能に特化したデザイン性やパッケージング全ての点において、改めてアクアの燃費性能の高さを見せつけられます。
ザ・マイカー2月号 |
ただ現状ノートe-POWERはリーフのお下がり技術なところがあるので、今後のブラッシュアップ次第で更に実燃費を伸ばしてくる余地はアクアやフィット以上にあるはずです。
ベストカー12月26日号 |
【スポンサーリンク】
カスタム仕様のノートePOWERモードプレミアの試乗はどうなんだ?
ベストカー12月26日号 |
ちなみにノートePOWERには「モードプレミア」と呼ばれるオーテックジャパンによるカスタム仕様のモデルも発売済み(画像右)。フロントグリルデザインが清潭と評価されてますが、フツーに左のノーマルePOWERの方が良くね?と思ったのは俺だけか。
最後に、この「e-POWERモードプレミア」の試乗もまとめておきます。一応簡単に「e-POWERモードプレミア」を説明しておくと、ベース車はXグレード。内装は専用本革巻きシートなどがあしらわれて質感が高められており、専用16インチアルミホイールも標準装備。
機能的な部分はほとんど変わらず、ノートのガソリンモデルにも「モードプレミア」が設定されてるものの、「e-POWERモードプレミア」には専用チューニングされたサスペンションや電動パワステやファインレスポンスから構成される「ツーリングパッケージ」がオプションで設定される。
例えばカートップさんの試乗によると、締め上げた足回りは「不快なロールを抑え」られている。タイヤもヨコハマタイヤのDNA Sドライブはグリップ力が高く、フットワークも軽快。
モードも加速度重視でスポーティーさが高められており、加速は伸びが増してパワーフィールは至って爽快。回生力も一般的なクルマの3倍ほどの減速Gが発生するので、ノーマルe-POWERよりメリハリある走りが可能。
まさに上質な走りを提供する「e-POWERモードプレミア」は日常の足にもおすすめとのこと。この「ツーリングパッケージ」の価格は8万6400円程度と機能面を考えるとお安いので、ノーマルのノートe-POWERにも設定してもいいぐらいか。
【スポンサーリンク】
ノートePOWER試乗の感想口コミ評価まとめ
試乗インプレッションを読む限り、燃費性能ではやや見劣りするもののノートePOWERはかなり完成度が高い仕上がりだと思います。価格は少し割高なものの、イーパワーはアクアやフィットハイブリッドなどを軽々と凌駕したのではないか。
国沢光宏氏の試乗によると「街中で乗るには滑らかだし燃費もいいしアクセルレスポンスもいいしで、こんな素敵なエコカーはない」とePOWERを評価。やはりノートイーパワーの良さは走りにあると言えそうです。ふざけたエアコンレスの廉価グレードさえなければ完璧でした。
driver1月号 |
ちなみに「ノートe-POWER vs デミオディーゼル」「ノートe-POWER vs アクア vs フィットハイブリッド」は比較済みなのでよろしかったらどうぞ。