スマートフォンなどに使われているリチウムイオン電池の充電時間を画期的に短縮できる電解液を、東大大学院の山田淳夫教授らの研究チームが開発。実用化されれば従来の3分の1以下の時間で充電でき、電気自動車など幅広い分野で利便性が高まると期待される。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140330/biz14033009020001-n1.htm
東大大学院の研究チームが、スマホのバッテリー等に使われるリチウムイオン電池の充電時間をめっちゃ早くできる方法を発見したらしい。画像はスズキ・エネチャージに使われてる東芝のSCiB。
充電が早くなる仕組み
リチウムイオン電池の中身は、電気を通しやすい溶液に浸されてる。そんで正極にはコバルトなど、負極にはチタン酸リチウムなどを用意。そして二極の間で、リチウムイオンが移動することで充電がされる。その移動速度が速ければ速いほど、充電される速度も早まる。
ただ現状の電解液では、リチウムイオンの移動速度が速まる可能性は難しかった。でも、今回東大の研究チームが開発した電解液では「イオンが高速で移動する特性がある」ことを発見。
充電時間が3分の一にまで減少させられるということは、その移動速度が単純に3倍までアップしたということだろう。スマホの充電を満杯にするまで3時間かかってたとすると、およそ1時間まで短縮。相当便利。ちなみに、あのスパコン「京」のおかげらしい。
スマホだけではなく、電気自動車などの高電圧タイプのリチウムイオン電池にも応用できるみたいで、もしかしすると電気自動車普及の一躍を担うんじゃなかろうか、って話。
プラグインハイブリッド車の方が恩恵が大きい?
ただ3分の1に時間短縮できたとしても、例えば日産リーフの場合、充電時間は8時間近くかかる。つまり、どちみち数時間以上も充電にかかる。メリットとしては大きいようで、あまり大きくない。でもプラグイン・ハイブリッド車の場合、ちょっと状況が異なる。
例えば、プリウスPHVの場合、AC200V電源では現状約90分近くかかる。つまり、今回東大が新開発した電解液を用いたバッテリーを使ったら、それが30分までに減少させられる。
ガソリンを一回満タン給油するためにかかる所要時間が、おそらく10分から20分程度だと思うので、かなり手の届く範囲(我慢できる許容範囲内レベル)にまで落ち着く。
例えばバッテリーの容量を今より少し減らすなど工夫すれば、全然ガソリンも給油しつつ充電も満タンということも可能なので、PHVの実用性はかなり高まってくる。
東京五輪の頃には、EV・PHVがバンバン走ってる?
今のところ、日産リーフのような完全電気自動車が走ってるのは、半年に一回見かけるか見かけないか程度。ただ車体自体を大幅に軽量化したり、バッテリー容量を小型化するなど、もっとトータルバランスを突き詰めていけば、正直もっと売れる余地はあると思う。最近は輸入車メーカーもどんどん参入してますが、今回の東大の発明は色んな可能性を感じさせてくれる。
本当に「買えるEV・PHV」が開発されれば、東京オリンピックが始まる頃には、東京…もとい日本国内では一日一台ぐらいは見かけるぐらい普及してることも十二分にありうるはず。
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