ニューモデルマガジンX11月号 |
新車や中古車も大きいな買い物なので、基本的に現金で一括で購入する人は少ない。ロールスロイスを購入するお金持ちもローンで購入する人が多いらしい。一戸建てや分譲マンションなどに目を広げれば、住宅ローンを利用しない人はむしろ皆無に近いでしょう。
そういえばガソリン価格も低下してるのに、国内における新車販売台数は一向に回復しません。軽自動車に至っては2015年1~11月の累計販売台数は前年同期比で14・8%の減少。円安で輸出が伸びるのかと思いきや、2015年の国内生産台数も900万台を割るなど、全く目も当てられないアベノミクス。
でも、もし自動車ローン(カーローン・オートローン)が厳しくなっているとしたら、確かに新車販売が落ち込むのも仕方ないかもしれません。
自動車ローン審査が厳しくなってる事実はない?
山崎龍さんというフリーライターの方が信販会社に対して行った取材によれば、基本的にローン審査が厳しくなってる事実はないらしい。ローンの承認率も変化は見られない模様。ただ山崎龍さんは今年2015年に乗り出し価格70万円前後のヤマハでバイクを新たに購入しようとしたものの、このローン審査に落ちてる。価格的には自動車よりもバイクの方が安いので、一般的にはローン審査には通りやすいはず。そこで30万円の中古バイクにランクを落とすことで、ようやくローン審査が通ったらしい。
現在も車のローンを支払い続けてることや、フリーライターという職業も影響してるかも知れませんが、かつては400万円以上の新車を頭金なしでもローンで購入してた事実もあるらしい。30万円の中古バイクですらオートローン審査が通りにくい事実を考えたら、やはり自動車ローンの審査が厳しくなっていると考えるのが自然?
ケータイやスマホの料金未払いや延滞が影響?
信販会社が利用者のローンやキャッシング審査する基準として使ってるのが「信用情報機関」。ここにはローン支払いを一度でも滞ったり延滞すると、その契約者の個人情報が事故情報として登録されるらしい。だから信販会社側からすれば、ここに事故情報として登録されている人とはあまりローン契約を結びたくない。ニューモデルマガジンX11月号 |
また大学進学のために借りた教育ローン(奨学金)も好例。最近奨学金を返済できなくて困ってる若者が増えてるみたいな話もありますが、こちらもやはり延滞すると事故情報として登録されます。もし若者が車を買ってないのが事実だとしたら、こういった社会的な背景があるのかも知れません。
もちろん事故情報は永遠に残ることはないものの、完全に消去されるには5~7年程度の時間を要するらしい。例えば2008年2009年の滞納した情報がようやく現在チャラになるようなもんですから、意外に時間がかかります。
つまりスマホ料金などを延滞していると、新車に限らず新築一戸建てといった大きな買い物をしたくても、一番肝心の欲しい時(20代30代)にローンで融資を受けられない。
やっぱり景気が悪いから
以上の2つはやや自業自得と言える部分もありますが、個人的には奨学金を借りてまで無理して大学進学に通う必要もないと思いますが、前述のフリーライター・山崎龍さんはスマホの料金を滞納したことはないはず。スマホの料金は確かに高いですが、それでも周囲を見渡して滞納してる人が多いとも考えにくい。そこで結論を書きますと、ある信販会社が山崎龍さんに回答した中に「自動車ローン審査が厳しくなっている?」という疑問の答えがありました。
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この発言を噛み砕くと、景気が良かったらローン審査が通りやすくなるけど、景気が悪かったらローン審査が厳しくなるってこと。経済の見通しが良ければ失業する可能性も低く、給料が下がる可能性も低い。だから融資する側の信販会社や銀行も安心してコチラにお金を貸せるってわけです。
つまり自動車ローンの審査が厳しくなってるとしたら、日本の経済現状はそれだけ悪いという裏返し。しかも審査が厳しくなれば新車が更に売れないという悪循環。まさにそんな二重苦を自動車メーカーやディーラーさんは強いられてる。やはり冒頭でも書きましたが、安倍政権の経済政策は失敗してると言わざるを得ない。
そういえば近所でも若者が自動車を乗ってるんですが、車種が中古のミラやアルト。これを流行りのツートンカラーに改造して乗り回してるもんだから悲壮感がやたらと漂ってます。
もちろん旧車マニアは世の中には多いですが、さすがにミラやアルトといった車種は眼中にないでしょうから、おそらくこの若者たちだって新車が欲しいはず。でも自動車ローン審査が通らないから安い中古車で我慢しつつも、その中で改造といった手段で目一杯カーライフを楽しんでるように見えます。
だから逆に言えば、いかに自動車ローン審査の基準をどうやって緩和していくかが、新車販売拡大のための重要な一手とも言えそう。
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