国土交通省が、道路運送車両法が定める自動車の保安基準を改定し、乗用車やバス、トラックに備わるすべてのミラーをカメラとモニターで代用することを認める。ドライバーの死角をなくす高性能カメラを普及させ、交通事故の減少を狙い、来年6月にもミラーが全くない新型車が公道を走れるようになる。国土交通省が来年2016年にも、ドアミラーやルームミラーが一切ない自動車の販売を認めるらしい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151130-00000013-mai-soci
最近フェンダーミラーを付けないSUV車の車検を通した人が摘発されましたが色々と大丈夫?…と思ってしまいますが、カメラとモニターを使って後方や死角の情報を表示させれば問題ないとのこと。ある意味、常識的な判断がなされただけとも言えます。
果たして、ミラーレス車の登場は一体何をもたらすんでしょうか?日本の将来を軽く考察してみた。
そもそもミラーレス車とは?
そもそもミラーレス車とは何ぞや?毎日新聞社 |
でも個人的に思ったのが、「別にモニターの位置を再びドアミラー付近にせんでもいいやん?」ってこと。メーターパネルに使う液晶ディスプレイを更に大型化して、そこへ一緒に表示させるだけで良いはず。
後方や死角の情報を表示できたら良いのであれば、モニターの位置までこだわる意味が分からない。むしろモニターの位置を分散させることで、ムダな顔や視線の移動が増えて却って危なそう。
まさにこれでは何のためのモニター?といった疑問も。もしこれをガチで国交省が言ってるならセンスが無いかも。ただ画像を見れば明白ですが、特に車体が大きいトラックやバスだとミラーレス車の解禁でかなりの安全が確保されることは間違いないはず。
電子化で広がる自由度
「ミラーレス車が解禁」ということで、どうしても消滅していくドアミラーなどに焦点が当たりがち。でも、このニュースのメインはカメラや液晶ディスプレイなど電子機器と連動させること。これによってクルマのデザインが大きく変化していく可能性も。まずサイドミラーが消滅すれば、日本の狭い道路事情ではドライバーの利便性が向上します。ただ3ナンバーや5ナンバーの規制は依然として残ったままですが、ドアミラーの幅を気にする必要がないとしたら車幅・全幅をグーンと広げてもいい。
後方を物理的に確認しなくていいとしたら、そもそもバックガラスも必要なくなる。トヨタ新型プリウスのバックガラスは相変わらずちっちゃくて心配になりますが、それが不要になるとしたらデザインの幅が広がりそう。全体的に剛性だって高めることも可能なはず。
前述のトラック運転手さんだと、映像だけではなく音声も拾うようにすれば、後方にいる他の従業員さんと簡単に意思疎通ができて業務の効率化が図られるかも知れません。
もちろん現行法や保安基準との兼ね合いもあって、更に法改正していかなければいけない部分もあるんでしょうが、外観よりも内装やインテリア・機能性に関して良い波及が期待できそう。自動車メーカーさんに限らず、サプライヤー関係でも恩恵が授かれそう?
フロントガラスが不要な戦車も販売できる?
バックガラスが不要になるかも知れないということで、ネット上には「フロントガラスもいずれ不要に?」という意見もありました。いわゆる戦車みたいなんを想定?確かに後方をカメラで確認するのがオッケーなら、前方に対してだってオッケーのはず。既に自動ブレーキ用のカメラなどが設置されてます。ただ現状では、スモークフィルムをフロントガラスや運転席・助手席側のガラスに貼っちゃいけない。摘発する立場の警察側からすると、外からドライバーの状況を確認したいわけです。例えば、スマホ操作をしてるかどうかとか。つまりフロントガラスを設置しない選択は当然あり得ないと思うし、そもそも誰が買うねんと(笑)
でもフロントガラス面積が小さくなる可能性はありそう。ホンダ・N-BOXや日産・デイズルークス(eKスペース)といった軽自動車も隆盛を誇ってますが、衝突安全性や剛性感が犠牲になりがち。三角窓を作る必要もなくなれば、Aピラーがゴリゴリに太くなる可能性も。
ちなみに今回の保安基準の改定は、WP29という国連の下部組織みたいなところで決定した内容に追随するだけ。JC08モード燃費に代わって、新しいカタログ燃費に導入される「WLTPモード」の件でも少し触れましたが、ある意味、国際的な流れに沿っただけ。
だから国交省がどれだけ「自動車の未来」を考えてるかは不明で、これからも積極的に規制緩和をしていくかも不明。同じく来年以降には、日没後に自動的にヘッドライトが点灯する機能が義務化されるらしい。理由は同じく『交通事故対策』ですので理解はできるものの、まずドライバーや自動車メーカーの負担を軽減しろよ!安倍晋三ちゃん!!!…って感じもします。
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