ただマツダの4代目ロードスターの完成度の高さを見て、2015年半ば頃に「トヨタはS-FRの開発を凍結した」という情報が自動車雑誌で一斉にスクープされました。その割に昨年2015年10月に開催された東京モーターショーにS-FRが出展されるなど、S-FRを取り巻く状況は消費者側からするとチンプンカンプン。だから今まで自分も記事化することをスルーしてました。
しかしながら2016年3月に来て、「再びS-FRの開発が始動する」という情報が某自動車雑誌でスクープされました。おいおい、S-FRさん!クルマ好きの心をもてあそぶやん!まるで長期休載から連載再開を繰り返す某少年ジャンプの「HUNTER x HUNTER」のようであります。
果たしてS-FRの開発が本当に再始動するんでしょうか?再始動するとしたら、一体どういう経緯があったのでしょうか?そもそもS-FRとは何なのか?など、そこで改めて新型S-FRの最新情報を徹底的にまとめてみました。
ちなみに2016年3月に書いた記事ですが、そこから時間が1年以上経過したので再び2017年3月に追記・再編集した内容になるため、結果的に上から順番にS-FRが辿ってきた運命が時系列順に列挙されてます。
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開発凍結の理由はヴィッツのWRC参戦を最優先したから
まずはS-FRが最初開発凍結に至った経緯を解説したいと思います。何でも新型車情報に定評があるマガジンXによると、S-FRの開発が凍結した理由には「ヴィッツのWRC参戦」が大きく関係したらしい。
ウィキペディア |
このWRC専用ヴィッツを開発するために、トヨタとしてはマンパワーをそこへ割かざるを得なくなった。だから逆に言うと、このWRC専用マシンの開発に一通り区切りが付けば、改めてS-FRの開発プロジェクトが再開されるらしい。
つまりS-FRは開発凍結されたのではなく、あくまで維持的に延期されただけだった…というオチ。2017年からWRCでは新規定が導入されるらしく、この新規定に合わせた開発がヴィッツ(海外名ヤリス)で行われているそう。とりあえず、そこまではS-FRの開発は何も進みません。
ちなみにトヨタ次期ヴィッツのフルモデルチェンジ最新情報も興味がある方は後でチェックしてみて下さい。
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S-FRの発売時期は2020年前後か?
ということでご存知の方も多そうですが、WRCでトヨタ・ヴィッツが見事に優勝を果たしました。だから2017年3月時点では既にS-FRの開発が再開してる可能性が非常に高そうです。ぱちぱち。
でも気になるのはS-FRの具体的な発売時期。開発の凍結が解除されたからと言って、即座に開発が一気に進むわけでも、S-FRの市販車が発売されるわけではありません。
そこで結論から書くと、当初予定されていたS-FRの市販時期は2018年頃と見られていましたが、おそらくS-FRが発売されるのは「2020年前後」と多くの自動車雑誌さんでは予想されています。色んな情報が流れては消えたトヨタ・S-FRさんですが、2017年3月時点では徐々に発売の足音も聞こえてきたのか。
ちなみに2020年前後には、トヨタ新型86のフルモデルチェンジやトヨタ新型クラウンフルモデルチェンジ、トヨタ新型センチュリーのフルモデルチェンジ、トヨタ次期ヴェルファイアのフルモデルチェンジも予定しているらしい。
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S-FRはまさかの日本専売車だった?
driver2017年4月号 八重洲出版 |
…と思いきや、内情は少し違う模様。理由は至ってシンプル。何故なら海外のトヨタ社員が難色を示しているから。S-FRを海外でも併売する場合、当然左ハンドル仕様車も作らなければいけない。ましてやS-FRはハイブリッド化もされない点など含めて、販売の売れ行き動向を考えると海外での展開にはハードルも少なくないとか。
そういう声を聞けば下手したら日本国内でも販売されないのではないかと不安になりますが、一応S-FRの開発が進んでる以上はなんとかトヨタも販売にこぎつけるはず(多分)…と書いたのが2017年3月になります。
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S-FRの予想スペックと価格帯
もしかしたら2020年にトヨタから発売されるかも知れない新型S-FRの予想スペックを簡単にまとめておきます。
まずS-FRの車体サイズは3990×1695×1345mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2480mm。S-FRのサイズはほぼヴィッツ並。S-FRのトレッドは前1480mm、後1480mm。サスペンション方式は前ストラット式、後ダブルウィッシュボーン式。タイヤは195/50R16。
そしてS-FRに採用するプラットフォームは、まさかの新開発。ただ他のトヨタ車を探しても良くも悪くも共用できそうな車種は少ないため、さすがにTNGA思想に基づく高剛性なプラットフォームとまではいかないか。
またS-FRに搭載するエンジンは1.5L 直4のNAエンジン。最高出力は122PS、最大トルクは145Nm。2019年にフルモデルチェンジを予定している次期ヴィッツに開発されてるエンジンを採用。S-FRでは縦置きに搭載するらしい。だからS-FRのエンジンそのものはTNGA仕様らしい。
S-FRの車重は1トンを切って990kgを予定。まさにライトウェイトスポーツ。ただカタログ燃費は15.5km/Lとロードスター未満。S-FRの車体のコンパクト感を考えると少々物足りないカタログ燃費ではあるものの、燃料タンク容量が45Lもあるので実用性ではそこまで問題とはならないでしょう。
S-FRの価格は170万円から。日本専売車である事実や高価なダブルウィッシュボーン式のサスペンションが採用されてることなどを考慮すると、かなり無理してそうな価格帯。やや眉唾情報か。それでもS-FRは少なくとも200万円の価格帯は切ってくるでしょうから、今からホンダ・S660など軽自動車スポーツなども戦々恐々か。
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S-FRは結局開発凍結でロードスターのOEM車に?
ただ2017年9月に来て再びS-FRが開発計画が頓挫したらしい。新型車の最新情報に定評があるマガジンX最新号を読むと、どうやら完全にS-FRの開発が凍結。「決定的」とまで記事では表現されるなど、もはや再開・再始動する兆しは絶望的とのこと。残念ながら理由は不明。
もし現時点でS-FRの開発が進んでいないとしたら、少なくとも2020年前後に発売される可能性は極めて低くなったことは間違いありません。一応、もしかするとマツダ・ロードスターのOEM車として発売されるかも…と記事では示唆されていますが、それでも「車好きが期待したような従来のS-FR」が登場することはなさそう。
他にも例えばトヨタの完全子会社であるダイハツは「コペン」というライトウェイトスポーツを発売してる。そろそろフルモデルチェンジを予定してる次期ジムニーとジムニーシエラの関係のように、コペンの普通車版として蘇らせても面白いかも。パッソとルーミー・タンクのようにダイハツ製のトヨタ車も熟れてるんだから全然有りじゃないかという気はします。
うーん、どのみち「トヨタ・S-FRは幻のクルマ」として終わってしまう可能性がどうやら高いようです。残念。ただ最近トヨタはスポーツカーブランド「GR」を展開し始めたので、いずれS-FRが発売されることを信じておきましょう。