そして、先代ワゴンRをベースに作られた軽自動車SUVがハスラー。2014年に発売されて以来、未だに根強い人気を誇っています。ちなみに【人気】軽自動車SUVおすすめランキングも良かったらあとで御覧ください。
左:ワゴンR、右:ハスラー |
【デザイン】ワゴンRとハスラーの見た目の違い
まずは「見た目・エクステリア」の違いを比較したいと思います。
改めて冒頭の比較画像を見ると、まさに似て非なる両者のワゴンRとハスラー。
例えば、フェンダーアーチの樹脂モールなど、ハスラーはまさにSUVチックの出で立ち。それでいて丸目ヘッドライトは可愛らしく愛嬌があります。
一方、新型ワゴンRはヴェルファイアを模したと思しき二段式ヘッドライト。またBピラーも上から下部にかけて広がっていくデザイン。サイドのプレスラインも新型モデルで、より強調された雰囲気を受けます。
ちなみに新型ワゴンRは一種類だけではなく、今回のフルモデルチェンジから3種類に増えました。そこで右上のハスラーをそのままに全ワゴンRと合計4種類を比較してみると、画像のようになります。
ワゴンRはどれも個性的。悪く言えばカオス?(笑)
○ワゴンRのデザインは方向性が見えてこない…
ただデザインに関してはハスラーに軍配を上げたいと思います。
ハスラーは未だに売れ続けていることからも分かるように、本当に完成度の高いデザインだったことの裏返し。一方、新型ワゴンRは新しいデザインを試みようとして全部が中途半端に終わってる印象。
左下の新型ワゴンRスティングレーは縦型ヘッドライトは革新的。それ故に好みがハッキリ分かれたようですが、どうせならフロントグリルをミニバンのように上下に貫くぐらい大きくすべきでした。
またワゴンRスティングレーはカスタム系グレードとしては、ややギラギラしたメッキ感も少なすぎる。存在感を出すなら出す。悪目立ちだけしたデザイン。ノーマルワゴンRに関しても…うーん。
ハスラー特別仕様車J-STYLE |
例えばフロントグリルなど、こちらの特別仕様車はノーマルハスラーよりデザインが若干ブラッシュアップされてる印象。もしハスラーを購入するのであれば、装備品もお得な特別仕様車がおすすめか。
内装の質感は新型ワゴンRがおすすめ?
続いては「内装やインパネ周り」を比較したいと思います。
上が新型ワゴンR、下がハスラー |
また新型ワゴンRはダッシュボードの位置が下げられていることで前方視界性が抜群で、運転席や助手席で感じる圧迫感も弱め。
ワゴンRよりも車高が高いはずのハスラーの見晴らしの良さに負けず劣らず。収納性の高さやセンターメーターで視線移動も少ないなど、内装の質感だけではなく実用面でも新型ワゴンRの方がおすすめと言えます。
ハスラーのオプション内装 |
【ワゴンR】室内空間や居住性に違いはあるのか?【ハスラー】
続いて「室内」や「荷室ラゲッジ」の広さや大きさを比較したいと思います。軽自動車という限られた枠内の中で、新型ワゴンRとハスラーに大きな違いはあるのか?
結論から書くと、新型ワゴンRが少しだけ室内が広めになります。例えば、後席シートの広さは新型ワゴンRが「拳半個分程度(身長170cm前後の人間が後席シートに乗り込んだ場合)」ほど優位。
新型ワゴンRはプラットフォームが刷新されたことで、ホイールベースが35mmほど伸びた。その分だけ室内空間も拡大されてる。例えば、同クラスの軽自動車(ムーヴあたり)と比べて新型ワゴンRの室内空間は広い。
逆に、ハスラーの室内空間は先代ワゴンRの広さと大差なし。
例えば全高は変わらず車高を高めたこともあって、ハスラーはワゴンRよりも頭上空間が犠牲になってる。またハスラーはデザイン的にもフロントノーズがある分、車体サイズが法律で決められた軽自動車の中では自ずと室内空間全体が犠牲になりがち。
またシートの乗り心地や座り心地も新型ワゴンRに軍配。ハスラーはやや乗り心地が硬め。だから総合的な居住性の良さや快適性でも、新型ワゴンRがハスラーよりもおすすめと結論付けられます。
荷室も新型ワゴンRが広くておすすめ
続いて「荷室ラゲッジスペース」の比較。
結論から書くと、やはり新型ワゴンRの荷室空間の方が広め。
例えば荷室幅だと新型ワゴンRが105cmに対して、ハスラーは101cm。荷室奥行きに関しても1cmほど新型ワゴンRが長い。所詮は数cmの差ではあるものの、ハスラーの荷室の方がやや狭くなります。
新型ワゴンRの荷室ラゲッジ |
その結果、新型ワゴンRの開口部幅は118cmとハスラーの98cmを悠々と上回る。軽自動車に限らず、トヨタ・ルーミーやタンクといったコンパクトカーと比較しても、新型ワゴンRの開口部幅は他を圧倒してるのでおすすめ。
ただ開口部地上高に関しては、ハスラーが66cmに対して、新型ワゴンRは70cmとハスラーが若干有利な結果になっています。
自動ブレーキはハスラーがおすすめだが…
続いて「自動ブレーキ」の比較。どっちも同じスズキの軽自動車ですが、実は自動ブレーキの特徴やシステムそのものが違います。
まず新型ワゴンRの自動ブレーキは「単眼カメラ+赤外線レーザー方式」。一方のハスラーの自動ブレーキは「ステレオカメラ方式」。
個人的にスズキはステレオカメラ式の自動ブレーキを普及させていくんだと思ってましたが、どうやら価格や自動ブレーキを設置する場所の関係もあってか、今後のスズキの軽自動車は前者のワゴンRタイプが主流になっていく模様。
じゃあ、どっちの自動ブレーキの性能が上なのか?
結論から書くと、ハスラーの自動ブレーキに軍配が上がります。
例えば、前方衝突回避機能はハスラーが「自車速度が5~100km/h」で作動するのに対して、新型ワゴンRは「自車速度が15~80km/h」と見劣りします。歩行者に対する衝突回避機能は更に落ちます。
そ安全性能の高さではハスラーに軍配を上げたいと思います。
ただし、新型ワゴンRの自動ブレーキにはハイビームアシスト機能が搭載されてる。ハスラーはなし。自動ローハイビーム機能はカメラ機能だけでは難しいのか。また新型ワゴンRの上級モデルには「サイドカーテンエアバッグ」が標準装備されてるのも優位。
走りや実燃費ではどっちが優秀か
既に【感想】新型ワゴンRの試乗インプレッションはもレビュー済みですが、続いては「走り」の比較。
結論から書くと、やはりプラットフォーム(ハーテクト)が一新された新型ワゴンRに走りの比較では軍配を上げたいと思います。車体の剛性が高いため、軽自動車の中でもトップクラスの走りを実現してる。
ワゴンRスティングレーは前後にスタビライザーが装着されてるのに対して、ハスラーはスタビライザーは前方のみ。あくまでどっちも上級モデルに限りますが、カーブ走行などハンドリング性能はハスラーより高い。
またハスラーはSUVテイストなデザインもあって、そもそも重心が高くて走りの面では不利に働いてる。前述の乗り心地の硬さなど総合的に勘案すると、やはり新型ワゴンRがハスラーを上回ります。
ただ燃費性能や維持費に関しては、新型ワゴンRもハスラーもほぼ実燃費は互角だと思います。
新型ワゴンRのカタログ燃費が最大33.4km/Lに対して、ハスラーは32.0km/L。スペック上はワゴンRがやや上回っているものの、この程度の差なら実際に走行させた実燃費はほぼ大きな違いは出ないと予想されます。
一応、ハイブリッドシステム「Sエネチャージ」はワゴンRの方が進化してたはず。そのため基本的に同条件であれば、少なくとも新型ワゴンRが実燃費でハスラーより下回ることは少ないか。
【比較】新型ワゴンRとハスラーの違いや評価口コミまとめ
以上、新型ワゴンRとハスラーの比較記事でした。
ながながと比較してきましたが結論をまとめると、やはり新型プラットフォーム「ハーテクト」が採用された新型ワゴンRが全体的に有利だと思います。
室内空間の広さや走り、室内の収納力など、総合的にハスラーを上回ります。例えばワゴンRは荷室開口部が随分と広がったことで、荷物の上げ下ろしがしやすくなったことは大きな特徴かも知れない。
とはいえデザイン面の違いも加味すると、ハスラーの方が購入しやすい人は多そう。そもそもハスラーは外観デザインで購入するような軽自動車だと思うので、意外と新型ワゴンRとそこまで競合することはないか。
他にも車種比較記事を筆者は考察しており、【比較】新型ワゴンR vs ホンダ・Nワゴンや【比較】ハスラー vs ジムニー、【比較】ダイハツ・ムーヴ vs 新型ワゴンR、【比較】ワゴンR vs ムーヴキャンバス、【車種比較】ハスラー vs クロスビーなども併せてご参照ください。
ちなみに、2019年にスズキ新型ハスラーはフルモデルチェンジを予定しているとか。もし新型ハスラーが発売された場合、次は車種比較サイト「カーギーク」のほうで比べようと思います。