そこで今回はコンパクトSUVで一番売れているとされるホンダ新型ヴェゼルとスバル新型XVを徹底的に比較したいと思います。
XVとヴェルは走り、燃費、室内空間の広さなど、果たしてどっちが優秀なのか?とにかく評判が良いスバル・XVはホンダ・ヴェゼルの牙城を崩すことはできるんでしょうか?
ちなみにおすすめコンパクトSUVランキングなどもご参照。
XVとヴェゼルの見た目やエクステリアの違いを比較!
まず手始めに新型XVと新型ヴェゼルの「内外装」から比較してみたいと思います。
上:スバル・XV、下:ホンダ・ヴェゼル |
ただし、車体スペックで比較すると、実はヴェゼルの方がXVよりも全高が4cmほど高く、逆に全長は17cmほど短いらしい。だから実際に目の当たりにすると、その分だけヴェゼルの塊感の強さが伝わってくるとは思います。
とはいえ、ヴェゼルも人気SUVとして名を馳せましたが、2017年で発売からそろそろ4年目に突入。
正直見た目の新鮮さも薄まりなりつつあるのかなーと思います。現行ヴェゼルはホイールアーチやバンパーにブラックのガーニッシュが施されておらず、こうやって比較すると意外とヴェゼルは乗用車チックでもあるか。
内装の質感ならXVがおすすめ
続いては「内装やインパネ周り」を比較したいと思います。価格帯を見るとスバル・XVは213万~267万円に対して、ホンダ・ヴェゼルは192万円~288万円。この差が内装の質感にどんな影響を与えるんでしょうか?
上:XV、下:ヴェゼル |
何故なら、お互いのベース車両がヴェゼルがBセグメントカーのフィットであるのに対して、一方のXVのベースはCセグメントカーのインプレッサという違いがあるから。要するにセグメントが異なる。
決してヴェゼルの内装の質感が低いとは言いませんが、やはりどこかフィットらしさも残る「Bセグメントっぽい匂い」が漂います。逆にXVの内装はむしろワンランク上の「Dセグメントカーの匂い」すら漂います。
またXVの方が車幅もある分だけ、運転席と助手席同士の空間もヴェゼルより余裕がある。例えば画像だとセンターコンソールのドリンクホルダーやドアポケットの大きさなどを比較すると分かりやすいか。居住性という点でもXVが有利か。
廉価グレードこそ多少ヴェゼルの方が割安とはいえ、高級グレードに関してはXVの方が割安。全体的には価格差はないに等しいと思うので、そういったことも総合的に考慮しても内装面ではXVをおすすめしたいと思います。
室内空間の広さはどっちも互角?
続いては「室内の広さ」を比べたいと思います。既に内装の比較でも少し触れましたが、果たしてベース車両の違いが室内空間の広さにもどう影響しているんでしょうか?
ベストカー6月10日号 撮影 小宮岩男 講談社 |
前述のようにベース車両はフィットではあるものの、ホンダが誇るセンタータンクレイアウトが奏功。他にもシートサイズもXVよりも大きめで、座り心地も良し。後席シートもほぼフルフラットで倒せるのもヴェゼルの魅力。乗降性という点でもXVより有利。
ということでトータルでまとめても、微々たる差ではあるもののヴェゼルがおすすめ。
ただヴェゼルは頭上空間がやや狭いのがネック。全高はヴェゼルが高かったんですが、何故かは不明。また後席シートのアームレストもXVよりかなり小さいので「くつろぎ性」という点では弱いか。
XVとヴェゼルの荷室スペースの大きさも比較
室内の広さを比較したので、次は荷室ラゲッジスペースを比べたいと思います。コチラでもヴェゼルがXVよりも健闘するんでしょうか?
driver6月号 撮影 山内潤也 八重洲出版 |
荷室容量を比較すると、スバル新型XVが385Lに対して、ホンダ・ヴェゼルは404L。数字上はヴェゼルが上回ってますが、XVにはサブトランクが用意されてる。ヴェゼルは荷室奥行き、XVは荷室幅がそれぞれで有利なんですが、ほとんど体感的には変わらないはず。
ただ荷室開口部の高さがXVが90cmに対して、ヴェゼルは67cm。XVはそのまま車高を高くしただけあってか、荷物の積載性ではヴェゼルよりもやや劣る模様。だから荷物の乗せ降ろしのしやすさではヴェゼルの方がおすすめできるかも知れません。
SUVらしい走りや動力性能の比較
続いては走りについて比較したいと思います。
結論から書くと、走りはXVの方が上質です。【評判】スバル新型XV試乗レビューなどもご参照ください。
普通はSUVのように最低地上高が高くなると走りに不利に働くものの、XVの場合は一切なし。新型プラットフォーム「SGP」のシャシー性能の高さがなせる技。「X-MODE」と呼ばれる4WDシステムのおかげでタイヤ全てが路面を的確に捉えてくれるので、どんな走行シーンでもグイグイ攻め込む楽しさを提供してくれる。
また乗り心地に関しても、XVはクラスを超える上質さがあります。
路面からの大きな衝撃を滑らかにいなしてくれ、ベストカーさんの比較記事では「いい意味でのSUVらしさを感じられる」とXVを評価。ただタイヤサイズがエンジンによって違うため、2.0Lモデルの方が乗り心地は良いか。
一方、ヴェゼルのハイブリッドエンジンはかなりパワフル。XVの2.0Lエンジンと比較すると、0-100km/h加速は1秒ほど上回り、XVの1.6Lエンジンだと4~5秒ほど違うほど圧倒。ガソリンモデルでもXVより140kgほど軽量なため、同排気量同士の加速感でもヴェゼルが勝ると思います。
○加速感以外は全体的にXVの走りが上質でおすすめ
ただ逆に言えば、ヴェゼルがXVより有利な点は加速性能ぐらい。例えばヴェゼルはパワフルではあるものの、その分だけ音がうるさい。逆に剛性の高さも相まって、XVはかなり静粛性に優れており快適。
他にも乗り心地に関しては、ヴェゼルは路面に対する追従性はやや難。街中の多少の凸凹であれば華麗にいなしてくれますが、荒れた路面状況では特に突っ張った硬さが露骨に現れる。スポーティーグレードの「ヴェゼルRS」だと若干マシにはなるかも。
またヴェゼルはハンドルが重め。手応えがしっかりしてるため山道をスポーティーに走るのには向いてますが、総合的なハンドリング性能という点ではXVと比較するとやはり見劣りします。
アプローチアングルなどSUVとしての性能の高さやオフロード性能では、やはりXVが上回ると結論付けて構わないと思います。
燃費性能なら文句なくヴェゼルがおすすめだが…
続いて走りや動力性能を比べたので、燃費性能を比較したいと思います。
結論から書くと、やはり実燃費はヴェゼルに軍配が上がります。
カタログ燃費からして3~7km/Lほど上回っていますが、特にヴェゼルハイブリッド相手ではXVは何も太刀打ち出来ないか。
特にXVは全車フルタイム4WDだから走りに優れている反面、どうしても燃費性能は発揮できない。ちなみに、XVの1.6Lモデルも2.0Lモデルも実燃費ではあまり違いは出ない模様。
ただ航続距離に関しては、逆にXVが上回るか。
何故なら燃料タンク容量がヴェゼルが40Lちょっとに対して、XVは60Lちょっと。どうやらXVは一回の給油で1000kmを目指したらしく、先日のフルモデルチェンジでタンク容量を小幅ながら増加させてる。使い勝手の良さではヴェゼルより有利か。
自動ブレーキや安全性能ならXVがおすすめだが…
ラストは自動ブレーキといった安全性を比較したいと思います。自動ブレーキはそれぞれXVはスバルの「アイサイト」、ヴェゼルはホンダの「ホンダセンシング」になります。
結論から書くと、やはりアイサイトを搭載したXVに軍配が上がります。歩行者に対しても自動ブレーキが作動したり、ACC(追従クルーズコントロール)が搭載されているなど、機能面であまり違いはありません。
でもACCの作動条件がホンダセンシングだと時速30km/h以上と制限があるなど、一つ一つの機能の性能差はEyeSightがホンダセンシングを上回る部分も。さらなる違いは【比較】ホンダセンシング vs アイサイトなどもご参照ください。
ただし、XVでも残念な点が一つあります。
それが「電動パーキングブレーキのオートホールド機能」が未搭載という点。オートホールド機能とはブレーキペダルを踏み続けなくていいので、例えば信号待ちなどで活躍する。
2017年5月現在、このオートホールド機能が付いてるのはヴェゼルとC-HRのみ。XVにも電動パーキングブレーキは備わってるものの、オートホールド機能は付いてない。XVは歩行者エアバッグといった先進装備も標準装備化されているため残念です。
新型XVとヴェゼルの比較評価・口コミ評判まとめ
以上、スバル新型XVとホンダ新型ヴェゼルの比較でした。
結論をまとめると、あらゆる性能面でスバル・XVがホンダ・ヴェゼルを上回っている印象です。
加速性能でこそヴェゼルハイブリッドが勝っていましたが、XVの2.0Lエンジンと性能的には言っても大差ありません。どっちも価格差がほとんどないことを考えると、個人的には「XVの2.0Lモデル」がベストバイか。
とはいえ、スバル・XVは燃費性能で見劣りする。そのためどうしてもハイブリッドSUVが欲しいという方であればヴェゼルがおすすめ。XVと比較したら安定して燃費性能に優れてることは間違いない。
またオフロード性能は抜群にXVが優れてるものの、街乗り程度で悪路走破性がどこまで求められるかは正直疑問ですので、あとは走りの良さをどこまで求めるか、見た目の好き嫌いでどっちを購入するか車選びするといいと思います。
他にも【比較】XV vs インプレッサや【比較】新型XV vs C-HRや【比較】新型XV vs マツダ・CX-3、【比較】新型XVとマツダ・CX-5、【比較】XV vs エクストレイル、【人気】おすすめ国産SUVランキングまとめなども併せてご参照ください。