やはり一般的なドライバーで気になるのは「自動車の寿命」。今乗ってる愛車がどれだけの年数に平均して乗れるのかが一番大事。
最近の自動車の寿命は平均すると12年を超える
カートップ10月号 自動車検査登録情報協会 |
具体的に見てみると、1980年には乗用車の平均年数が8年ちょいだったのに対して、2015年の乗用車の平均年数が12年ちょいまで伸びているらしい。約35年で4年も自動車の寿命が伸びてる計算。
昔は「車の寿命は10年10万キロ」と言われてた時代が長くありましたが、そんなのはどこ吹く風なデータ。あくまで平均値ですから余裕で20万キロ30万キロ走ってる人も世の中には多いでしょう。
そこで自動車の寿命が伸びている原因を考察してみました。また後半にはバッテリーやタイヤ、直噴エンジン、変速機の寿命についても情報をまとめてみました。
【理由】自動車全体の耐久性や快適性が向上した
まず車の寿命が伸びた理由は、ひとえに「自動車の性能の向上」が挙げられます。
例えば、二昔以上前にはエアバッグが付いてない自動車も多かったですが、最近は助手席エアバッグは当たり前。サイドエアバッグも標準装備されている軽自動車も販売されているほど。
もちろん安全装備を一つ二つ追加したからといって自動車全体の性能がアップするワケではありませんが、それでも車体の安全性を強化しようという流れでエアバッグなどが標準装備化されてる。
当然ドライバーの意識や自動車メーカーの考え方そのものも変わってるはずですから、車の耐久性そのものが結果的に向上したと考えるのが自然でしょう。
○新車の快適性が高まったことで買い替え需要が起きない?
また自動車の快適性もアップしてる。
今では考えられませんが、二昔前にはパワーステアリングすら装備されてない車も多かったです。ミラやアルトといった軽自動車のシートは、まさに板そのものでした。まさに公園のベンチに座っている気分。
でも最近はドライバーからは見えないサスペンションなど足回りの性能も向上するなど、少し前の軽自動車と比べると快適性が高いです。【人気】おすすめ軽自動車ランキングまとめもご参照。
そのため全体的に自動車がドライバーに与える不快感が減少したこともあって、「そろそろ新しいクルマに乗り換えたいわ」というネガティブな買い替え要因や動機も減ったのかも知れない。
そうすると気付けば知らない間に、今のクルマを平気で7年8年も乗っていた人も多そうです。
クルマそのものに「乗る機会が減った」から寿命も伸びた?
ただでさえ自動車の性能がアップしている中、自動車に乗る機会そのものが減った人も多いのではないだろうか。
最たる例が「高齢化」。
年齢を重なれば重ねるほどアクティブさが減って、外出や遠出する機会も減ってしまう。そうすると自動車が傷む機会も当然減るので、結果的に車の寿命が伸びている可能性が高そうです。
だから本末転倒ではありますが、車の寿命の伸ばし方・伸ばす方法があるとしたら「車に乗る頻度をほどほどに抑える」といった方法が考えられそう。でも自動車に限らず、エンジンは定期的に作動させないと却って故障するで注意が必要。
そう考えると、「公共交通機関の発達」も自動車の寿命を延ばす理由の一つと考えられそう。
特に都会の方はそうですが、数分に一回は電車がやって来る。田舎だと廃線といった憂き目にもあってますが、ここまで便利だと日常的に自動車に乗る機会も減りそう。田舎でも病院へ行く場合、駐車スペースの問題を考えるとバスなど手段を使う方が便利か。
自動車メディアの衰退も影響?
また車の寿命が伸びていることと直接は関係ないかも知れませんが、「自動車メディアの衰退」も理由の一つに考えられます。
何故なら人が新商品を買う場合、多くはメディアや広告を通して知る。でも自動車メディアが衰退したことで、新車情報を知る人も減っているのではないか。そうすると今の車を乗り換えたいと刺激する機会も相対的に減少。
もはや自動車メディアに限らず、「マスコミ全体の衰退・退潮」と表現した方が正しいかも知れません。
例えば、全国紙の新聞やテレビなどのマスコミでも新車フルモデルチェンジの情報すら報じてないことも多い。きっとマスコミ記者の中に自動車に詳しい人が減ってるんだと思いますが、人々は新車情報を知る機会を減ってる。非常に残念。
MTとATはどちらの寿命が長いのか?
ラストはカーパーツそれぞれの寿命を簡単に見てきたいと思います。
まずは「変速機」の寿命。
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ただヨーロッパの部品メーカーが開発に力を入れていることで、ATの寿命は必ずしも短くはありません。またMTも下手な人が運転すれば、それだけ負担も増えるので一概に寿命が長いとも言い切れないとか。
ちなみに最近の自動車は基本的にCVT。このCVTの寿命もそこまで短くはないんだそう。一昔前にあったチェーンベルト切れも最近ではあまり聞きません。でも馬力を抑えることでチェーンベルトに負担をかけないようにしている説もあったりなかったり。
エンジンの寿命は最高40~50万km?
続いて「自動車エンジン」の寿命。変速機以上に自動車の根幹をなす部分。このエンジンが動かなったら車も走らないため、自動車がただの巨大な鉄の箱と化します。
結論から書くと、エンジンの寿命は最大で40~50万kmぐらいなんだそう。20万km走行したエンジンをバラしても、各部位のパーツ(ピストンやシリンダーなど)はどこもキレイということもザラなんだそう。
エンジンはススなど一番汚れる部分だと思ってましたが、それだけエンジンで使用する素材の耐久性アップと組み込み精度が飛躍的に向上したことが原因らしい。
だから自動車を廃車にしてバラしても、中古エンジンは海外に発売されることが多いのも納得。
○直噴ターボエンジンの寿命は更に短い?
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結論から書くと、直噴ターボエンジンの寿命に限ってはそうではないらしい。
何故なら、直噴ターボエンジンはディーゼルエンジン並に不完全燃焼が起きやすいので、実はススが発生しやすいから。少なくとも、普通のNAエンジンよりもターボエンジンはススを蓄積しやすい。
ススが溜まればエンジンの劣化を早めるため、素直に考えると直噴ターボエンジンの寿命は40~50万kmより更に短くなることは容易に想像されます。それでも一般的な車の寿命を考えると全く気にするレベルではないか。
ボディーやサスペンションなど足回りの寿命
続いて「車体ボディー」や「サスペンション」「ショックアブソーバー」といった足回りの寿命。
まず結論から書くと、サスペンションの寿命は10万キロ程度が一般的とのこと。
サスペンションは金属部品の集合体。また車や乗員の衝撃を緩和するための部分なので、サスペンションはかなり頑丈に作られてる。それでも一番消耗・摩耗する部分でもあるため、エンジンの寿命より短いらしい。
続いてはボディーの寿命。
ボディーはモノコック構造であることが大半。ボディーパネルを複雑に貼り合わせているので卵の殻のように丈夫。それでも結合部分に溶接ではなく、ボンドが使われていることもあって耐久性はやや不安が残るか。
また最近のボディーやプラットフォームの軽量化は決して寿命には功を奏しないでしょう。
ヘッドライトやシートの寿命は何年か?
そして「ヘッドライト」にも寿命があります。
何故なら、ヘッドライトを覆ってるのは透明なプラスチック樹脂。どうしても紫外線の影響は受けてレンズなどが曇るケースが多い。LEDも実は寿命は5年10年程度しかなく、意外と想像してるより短そう。
ちなみに自動車総合サイト・カーギークの【自動車】ヘッドライトが変色する理由も参照。
そのため自動車の外装パーツや内装のシートも、紫外線の影響を受けてしまう。例えばレザーシートは修理するのが大前提なぐらいなので、決して寿命が長い部類には入らないでしょう。
やはり青空駐車してる方も多いはずなので自動車は全ての部品で日中に紫外線を浴びてると言っても良く、そういった部品の寿命はエンジンなどよりも実は短いのかも知れない。
自分はおすすめマンガ考察サイト・ドル漫も運営してるのでより実感してますが、例えば本やマンガでも日光に晒されていると茶色く変色することが多々あります。自動車も言うまでもありません。
オイル・バッテリー・タイヤ・冷却水の寿命は短い?
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まずは「オイル」の寿命は約1年か1万キロ程度とやはり短めです。この寿命期間を過ぎてもオイル交換してない人は多そうですが、自分でオイルを触ったりして確認する方法はデマなので注意。
続いてバッテリーの寿命は記載されてる通りの「保証期間の1.5倍程度」が目安とのこと。
バッテリーの寿命を伸ばすには、内部の電極板にゴミなどが付着しないように心がけると良いらしい。スマホやノートパソコンのバッテリーでも言えますが、やはり永遠に使い続けるのは難しく交換頻度は高め。
続いて「タイヤ」の寿命は正確な期間はないものの見た目から察することが可能。具体的にはタイヤの溝がなくなれば寿命です。他にもタイヤにヒビが入っているケースもアウト。
ちなみに【危険】中国製・韓国製の激安タイヤは安全か?などもご参照ください。
最後は「冷却水」の寿命はなんと16万キロ。
最近の自動車に入れられている冷却水には「スーパーLLC」というものが使われていて、この性能がかなり良いらしい。一昔前二昔前は車検時に冷却水を交換していた人も多そうですが、まず冷却水の寿命は心配する必要はないでしょう。