そこで今回はタントやデイズルークスなど、最近かなり人気のジャンル・両側スライドドアタイプの軽自動車について徹底比較してみたいと思います。ざっくりそれぞれの軽自動車の特徴や点数をまとめてみました。是非おすすめ軽自動車を探してください。
ちなみにスライドドアタイプ以外も含めた「軽自動車おすすめ人気最新ランキング」なども参照してください。
スペーシア (SUZUKI)
2013年にスズキから発売されたスペーシア。パレットから改名して、スズキが再奮起して作り直した車種。パレットと比較すると、車体も室内空間もかなりスペース広々になって、外観からはタントなどと遜色ぐらいにまで拡大した。【おすすめの長所】
とにかくスペーシアのおすすめ長所は低燃費。スライドドア軽自動車の中でトップクラス。スペーシアはスライドドアを採用してるにも関わらず、非スライドドア軽自動車並に軽量。下手したらそれ以上に軽い。そしてワゴンR同様にスペーシアもハイブリッド化されたことで、他の軽自動車の追随を許さない。
軽量さは当然走行性能や加速性能でも優位に働き、車重が極めて重いスライドドア軽自動車の中でも軽やかな走りを実現してる。またスペーシアの最小回転半径が4.2mと小回りがきくので、女性ユーザーでも運転しやすい軽自動車。例えばタントの場合、4.4m。
【短所】
スペーシアの短所は、やはり見た目が平凡。女性ウケを狙いすぎた結果、どっち付かずの無難なものに仕上がった印象。ただカスタム仕様の「スペーシアZ」はカッコイイ。室内空間も強いて言うなら、他のスライドドア軽自動車と比較すると少し狭い方かも。
【一言で特徴をあらわすと?】
スペーシアは車体がめちゃめちゃ軽いので、燃費や運転面で他より優位。スライドドア軽自動車の中では一番経済性に優れてる。他の軽自動車と比較しても、自動ブレーキは一番性能が高いなど安全性でもピカイチ。ただスペーシアは優秀な性能を誇るものの、いち軽自動車としてはややインパクトに欠けるか。ちなみにスペーシアは2018年にフルモデルチェンジ。興味があれば【評判】スズキ新型スペーシア試乗まとめも参照。
【点数】
燃費…★5 走り…★5見た目…★3 室内…★4
使い勝手…★4
デイズルークス (Nissan)≒eKスペース (三菱)
2014年に日産から発売されたデイズルークス。それまではスズキからパレットをOEM供給を受けて、それをルークスとして発売してた。ただ三菱と共同で作った会社で、一から作り直した。三菱eKスペースと同義。【おすすめの長所】
デイズルークスのおすすめ長所は、意外と先進的な装備が充実してること。例えば上部にサーキュレーターが付いてるので、エアコンの冷気が車内全体で循環させやすい。このアイデアは地味に秀逸。他にもアラウンドビューモニターが標準装備されてる。他だとシートアレンジに優れてるスライドドア軽自動車の中でも、デイズルークスの後部座席のスライド量はトップ。前後に後席シートを一番移動させることが可能。
【短所】
デイズルークスの短所は、車重が重い割にエンジンパワーが他の軽自動車よりも非力。また燃費も平凡。ただ子供と一緒に街乗りする程度だったら、そこまで気にならないか。デイズルークスは最後発の割に、軽自動車としての技術や能力などクルマとしての「基本的な性能」は一番見劣りする。【一言で特徴をあらわすと?】
サーキュレーターやアラウンドビューモニターなど、他の車種にはない快適装備が充実してる。【点数】
燃費…★3 走り…★3見た目…★4 室内…★4.5
使い勝手…★4
タント (Daihatsu)
2002年にダイハツから発売されたタント。発売当初から一貫して売れ続けてるスライドドア軽自動車のさきがけ。2013年にフルモデルチェンジで両側にもスライドドアを装着させたことで、タントは唯一の欠点も解消しました。【おすすめの長所】
タントのおすすめ長所は、何と言ってもピラーレスドア。前席ドアと後席ドアの間の鉄の棒(ピラー)がない。そのピラーがないことで小さい子供だと乗り降りしやすい。ただ足腰が悪いご老人のための福祉車両の方が、むしろ効果は更に発揮するか。【短所】
タントカスタムの短所は、見た目が後述するNBOXのそのまんまパクリ。素のタントもスペーシアに似てるなど、意外とオリジナリティ・新鮮味が実は乏しい。両側スライドドアの採用で車重が更に増えたものの、その割にエンジンスペックは物足りない。デイズルークスほどではないにしろ、やや走りにパワー感に欠けるか。【一言で特徴をあらわすと?】
タントはやはりピラーレス。この武器は他のスライドドア軽自動車には一切ない。ただそれ以外の魅力を考えると、実はスペーシア以上に抜きん出た部分も少ない。裏を返すとタントに目立つ欠点もないもないんですが、良くも悪くも全体的に「そつなく」まとまってるスライドドア軽。
ちなみに2019年以降にダイハツ新型タントはフルモデルチェンジを予定しております。
【点数】
燃費…★4 走り…★3.5見た目…★4 室内…★5
使い勝手…★4.5
ムーブキャンバス(DAIHATSU)
続いて2016年に発売された一番新しいスライドドアタイプの軽自動車・ムーブキャンバス。その名の通りムーヴの派生車種という位置付けですが、中身は前述のタント譲り。うーんややこしい。見た目がとにかく可愛らしい。おすすめの長所
ムーブキャンバスの長所はサイズ感。スライドドアタイプの軽自動車と言うと、常に車体の大きさと室内の広さが追求されてきたものの、ムーブキャンバスはムーヴより少し大きめの車体サイズでスライドドアを装備したことが大きい。
利便性と走りや燃費性能のバランスに優れてる軽自動車。もしムーブキャンバスの一番のライバルは前述のスペーシアか。
短所
ムーブキャンバスの短所は、長所でもあったサイズ感。やはりスペーシアやタントと比較すると室内空間が狭い。むしろムーヴより広く、良い意味で宏すぎない。ただ敢えて「スライドドアタイプの軽自動車」を選ぶことを考えると…?あとスペーシアやタントと価格差が思ったより少ないのも短所。価格差がないのであれば、普通は少し我慢して大きい軽自動車を買う人が多そう。
一言であらわすと
ムーブキャンバスを一言で表すと「チョイス」の妙。敢えてムーヴクラスの軽自動車にスライドドアを装着したのが良い。ただムーヴキャンバスは見た目が可愛いグレードしか用意されていないので、基本的に男ユーザーは買えないでしょう。ちなみに【比較】ムーブキャンバス vs タントなども参照。
点数評価
燃費…★4.5 走り…★5見た目…★3 室内…★4
使い勝手…★4
NBOX (HONDA)
2011年にホンダから発売されたNBOX。それまでタントの牙城だった軽自動車スライドドア市場を、いとも簡単に切り崩した。何と言っても、車体のデカさとそれに伴う室内スペースが幅広くウケた軽自動車。スライドドアタイプ軽自動車の第二の人気の火付け役。おすすめの長所
N-BOXのおすすめ長所は、とにかく欠点が少ない。例えばまず見た目のカタマリ感。王者タントが真似したほど、デザインの完成度が高い。軽自動車感が少ない。軽自動車においてクルーズコントロールやパドルシフトがオプションで用意されてるなど、走りの点でも意外と悪くない。ターボエンジンもパワフルで優秀。
短所
基本的にN-BOXに短所はないと思います。当初は後部座席シートにスライド機構がつかないことがデメリットだったものの、いつぞやのマイナーチェンジでスライドドア機構が装備。しかも跳ね上げ式(チップアップ式)は変わらず採用するなど、むしろシートアレンジの利便性は格段に飛躍したぐらい。
強いて言えば、やや燃費志向が高まったエンジン。どうしてもN-BOXはスライドドア軽自動車の中でも重いため、やはり走りの面では悪化。だからといって燃費性能はスライドドア軽自動車の中でも下位。
一言で特徴をあらわすと?
エヌボックスは長所と短所がハッキリ分かれてるクルマ。車体が重い割に、比較的グイグイ走る。ターボは顕著。ただし、燃費は平凡。室内空間は広いが、リアシートが固定。かゆいところに手が届きそうで、実はしっかり届かない。でもデザインは塊感があって、一番万人におすすめできそうなルックス。ちなみにホンダ次期エヌボックスは2017年にフルモデルチェンジ済み。興味があればホンダ新型エヌボックス試乗まとめもご参照ください。新型N-BOXは笑っちゃうぐらいに評判が良いです。
点数評価
燃費…★3.5 走り…★4見た目…★5 室内…★5
使い勝手…★3.5
結局どのスライドドア軽を買えばいいの?
スライドドアタイプの軽自動車で一番気になるのが『室内空間』ですが、どの軽自動車も似たり寄ったりのスペースを確保してるので、基本的にどれも際立った差はありません。だから室内空間で敢えて比較する意味はほとんどないと考えます
また価格差もほとんどない。性能面に関しても、スペーシアが際立って燃費に優れてる程度で、他のスライドドア軽自動車と比較しても全体的にはどんぐりの背比べとも言えます。
2011年NBOX、2013年スペーシアとタント、2014年デイズルークス。どれも発売時期に大きな差はないので、どこか目立って劣る部分を探すのは難しいのが現状です。強いて比較すべきポイントがあるとしたら、荷室の使い勝手や後席シートのアレンジ力で差が出るぐらい。
あとは見た目の好み、納期の早さ、お財布などと相談して車選びしてください。
ちなみに新車比較サイト「カーギーク」の【比較】スペーシア vs N-BOXや【比較】エヌボックス vs タント、【比較】N-VAN vs エヌボックスなども是非参照してみてください。きっと車選びの参考になるはず。