XVはインプレッサから派生モデルだったこともあって、今でもインプレッサとの共通点が多い。かつてXVは「インプレッサXV」と呼ばれたこともありましたが、いわば「インプレッサをSUV化」させたのがXV。
ただ、XVとインプレッサ今でも同じ共通点が多いのか?
カートップ6月号 |
ちなみにおすすめコンパクトSUVランキングなどもご参照。
車体サイズや室内の広さはほぼ同じ
まずは「車体スペック」の違いを比較。
ただ結論から書くと、インプレッサもXVも車体サイズはあまり変わりません。
新型インプレッサの車体サイズが4460×1775×1480mm(全長×全幅×全高)に対して、新型XVは4465×1800×1550mm(全長×全幅×全高)。XVはインプレッサのSUV版だけあって、若干程度だけ車高が高く全幅も広め。
ちなみに、どっちもSGPと呼ばれるプラットフォームを採用してるだけあって、ホイールベースは2670mmと同じです。
そのため室内サイズはインプレッサもXVも2085×1520×1200mm(室内長×室内幅×室内高)とやはり全く同じとのこと。一応、Cセグメントカーとしてはどっちも広い室内が確保されてるはず。
他にも荷室ラゲッジ空間も同じ共通点が多く、やはりインプレッサとXVのサイズ感は同じぐらいと想像されます。ただ車高が高い分だけ、荷物の上げ下ろしのしやすさで違いが現れるかも知れません。
だから最低地上高もインプレッサが130mmに対して、XVは200mmという違いが見られます。乗降性で比較すると、XVよりもインプレッサが上回る。XVはSUV化したことによるデメリットも。
内装はXVがやや質感高め?
だから「内装」に関しても、インプレッサもXVもほぼ同じ共通した部品が採用されております。
つまり、インプレッサもXVも内装面の違いはなく、完全に同一と言ってもいいレベル。。どちらもやはり「2ランク上の質感」と評されるほど、どっちも車格以上の質感の高い内装になってます。
ただ強いて比較するのであれば、インプレッサよりもXVの方がおすすめかも知れません。
例えば、新型XVにはインパネやダッシュボード周りにオレンジステッチがあしらわれているなど地味に手が込んであるから。
多少の好みが別れる色かも知れませんが、敢えて詳細に比較して序列を設けるのであれば、内装の質感の高さはインプレッサより若干上回っていると評価できます。ちなみに、XVのテーマカラーはオレンジ。
インプレッサとXVで価格を比較すると、インプレッサの価格帯が192万円から259万円に対して、XVの価格帯が213万円から267万円。走りの比較は後述しますが、XVの変速機がAWD(4WD)のみしか用意されてないことも影響して、XVがやや割高。
でも4WD同士で比較すると、インプレッサとXVの価格差は10万円もない。そのためXVの商品力はほぼデメリット感を感じさせないための配慮が施されているはず。
見た目の違いは意外と多い?
そこでインプレッサとXVの「見た目や外観」の違いを改めて比較したいと思います。
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例えば、フロントグリルやエアインテークのサイズに違いも。インプレッサよりXVが大きく、デザインとしての存在感は増し増し。網目状のグリルデザインも、XVの方がより目立つ印象を受けます。
そのため少なくとも先代モデルとは違って、しっかりインプレッサもXVもお互いに差別化が図られている様子。
ちなみにXVはインプレッサの派生車種だけあって、デザインもインプレッサを軸に考えられてるのかと思いきや、実は真逆。スバルの中の人によると、むしろデザインは新型XVを先に考えて作ってあるんだそう。つまり先に発売されたインプレッサが意外にもお下がりデザイン。
やはりデザインは上級車種から下の方へ降ろしていくのが自然。最近のホンダ車はフィットをベースにデザインが展開されていますが、見事に失敗に終わってる。そういったことも考慮したら、新型XVを軸にデザインを考えたのは正解と言えましょう。
維持費や実燃費はどっちも変わらない
続いては「燃費性能」の比較。
まずカタログ燃費を比較しておくと、インプレッサが18km/L台に対して、XVは16km/L台とやや見劣りする。
でも結論から書くと、インプレッサもXVも実燃費ではどっちもさほど違いは現れないと思います。やはりインプレッサもXVもエンジン排気量は同じですから、自動車税といった維持費についても大きな違いは生まれないはず。
だからスバル車を購入する人がいちいち気にする項目とも思えませんが、インプレッサにするかXVにするか深く悩む必要はないはずです。ちなみに先程価格を比較しましたが、インプレッサで注目された「歩行者エアバッグ」はXVにも標準装備されてます。
じゃあXVとインプレッサも走りは同じなのか?
ということで、ラストは走りの比較。新型インプレッサの試乗もXVの試乗もどちらも上々でした。
パット見のデザインなどはやはりベース車両が同じなので、細かく見ないと違いは見て取れませんでしたが、それはスバルが売りにする走りでも同じなんでしょうか?結論から書くと、意外とインプレッサとXVの走り味は異なるらしい。
ベストカー5月26日号 |
とはいえ町中のオンロードで普通に走る分では、XVの走りは全然問題ありません。「CVTのラバー感を巧くカバーしつつエンジンの無用な回転上昇を抑えての加速力が得られている」とXVの走りが同じ試乗記事では評価されています。
ベストカー5月26日号 画像はインプレッサ |
どうしても車高が高いSUV車は重心が上がるため、ややもすると走りに関してハンディを受けやすい。でも新型XVではインプレッサに負けない乗り味の良さが確保されており、むしろサスペンションのストロークが長くなったことでXVの方がしなやかと評価されてるぐらい。
視界性の高さも考慮したら、新型XVの走りはまさに一挙両得といったところか。
インプレッサに「なく」て、XVに「ある」もの
特に走りで比較するとしたら、注目したいのが「X-MODE(Xモード)」と呼ばれる4WD専用のドライブモード。
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XVのことを「ランニングも可能なトレッキングシューズ」と表現されてることからも分かるように、スバル的には「スポカジ」を売りにしてるXVですが、むしろ中身はしっかり乗ってて楽しいゴリゴリのSUVに仕上がってるらしい。
もちろん、この「X-MODE」はインプレッサのAWDには設定されてません。もしXVにあってインプレッサにない最たるものは何かと問われたら、おそらく誰もがこの「X-MODE」と答えるはず。
つまり、加速感の良さはインプレッサに分が多少あるものの、全体の走り屋圧倒的な走破性で比較するとXVの足元にも及ばないか。同じ車体とプラットフォームを採用してるインプとXVですが、中身に関しては意外と違いも多かったらしい。
【違い】XVとインプレッサの比較総括まとめ
以上、インプレッサとXVの比較記事でした。
結論をまとめると、個人的に買うとしたらXVがおすすめかな。
ぬかるんだ泥道をサマータイヤでも走る抜ける走破性の高さは、きっと安全面でも寄与してくれるはずです。冬の雪道など走行シーンを選ばないでしょうから、おそらくファミリー層でもXVを選ぶ価値はあるはず。
また前述のように、インプレッサとXVの価格差は10万円もない。4WD同士はほぼ価格帯は同じと表現してもいいレベルの違い。そのためXVの見た目の良さなども含めると、正直わざわざインプレッサを選択する理由を探す方が難しいかも。
ただXVはSUV化したことで最低地上高がアップするなどのデメリットも見られるため、例えば彼女を頻繁に乗せることを考えると、インプレッサの方がやや女性には優しい作りかも知れない。
ちなみに【比較】新型XV vs 新型C-HRや【比較】新型XV vs ヴェゼル、【比較】新型XV vs 新型CX-5、【比較】XV vs インプレッサ、【比較】XV vs エクストレイルなども併せてご参照ください。
また当方は自動車比較ブログ・カーギークに引っ越ししており、このカーギークをメインで現在は運営しているため、いずれ今回の比較記事も引っ越しさせるかも。