driver2月号 写真・澤田和久・佐藤正巳・山内潤也 |
今回の新型スイフトから上級グレードに設定された「RSグレード」中心の試乗インプレッションになります。果たして新型スイフトRStの実燃費はどうなのか?納期はどうなのか?
(1月27日:ベストカーさんなどの試乗インプレッションを追記)
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新旧スイフトの見た目を比較
今回は試乗インプレッション記事ってことですが、まずは新型スイフトの見た目や室内の広さなどについて個人的な感想を書きたいと思います。新型スイフトRStやハイブリッドの走りなどについて知りたい方は、サクッとスクロール推奨。
カートップ3月号 撮影・髙木博史 |
また先代スイフトの巨大なヘッドライトは悪い意味でギラツいてましたが、新型スイフトでは全体的にスッキリしたデザインでより万人受けするようになったのではないか。
フェンダーアーチも先代スイフトよりクッキリ盛り上がるなど、車高も高くなったことでスポーティーなSUVテイストも増しました。画像はRS同士の比較ということですが、新型スイフトRSは良くも悪くもエアロ感は薄まってるのが良い。
強いて言えば、今回試乗されたRSグレードを筆頭にメッキパーツ感は欲しかったか。例えばBMW・MINIのようにフロントグリルをメッキで覆ってみたり、いっそアウディをまるまるパクってメッキバーを連ねるなどしたら、もっとメリハリが付いた雰囲気になってたかも。
新型スイフトの車体サイズはむしろ小型化
ちなみに新型スイフトの車体スペックは3840×1695×1500mm(全長×全幅×全高)。先代スイフトと比較すると、実は全長と全高が-10mmと低く短縮されてる。逆にホイールベースは+20mm拡大して2450mmに。
当初はもっと車体サイズが拡大すると思われてましたが、新型スイフトはBセグメントの中では相変わらず全長が短い部類に入ります。例えばフィットとアクアの全長が3995mm、デミオの全長が4060mm、ノートの全長が4100mmですから、新型スイフトはライバル車種より約15cm以上も短いことに。
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室内や荷室ラゲッジの広さが地味に増加!
続いて気になるのが、新型スイフトの内装や室内の広さ。RStの試乗インプレッションなどについて知りたい方はズバッとスクロール推奨。
上:新型スイフト、下:先代スイフト(2017年コンパクトカーの全て) |
じゃあ車体サイズがむしろ若干縮まった中、新型スイフトの室内の広さはどうなんだい?って話です。結論から書くと新型スイフトの室内はむしろ広くなってます。ぱちぱち。
カートップ3月号 撮影:髙木博史 |
その結果、荷室容量が210L→265Lまで拡大。新型スイフトは車体サイズは変わらないのに、まさかの荷室容量が55L増。割りと大きめのカメラバッグも後席シートを動かさずにすっぽり収納可能。
センターコンソールボックスにあったドリンクホルダーも先代スイフトは1個分だったの対して、新型スイフトではドリンクホルダーが2個に増加。実際、前席の左右乗員間距離は+20mm拡大済み。
driver2月号 |
ムダに高身長な国沢光宏氏(183cm)が後席シートに乗った場合、先代スイフトだと屋根に頭が当たっていたものの、新型スイフトでは天井に触れることはなくなったと割りと好感触な反応。
実際シート位置を下げたことで、新型スイフトの室内高も増加。具体的にはヒップポイントが前席シートで-20mm、後席シートで-45mm。少なくとも女性や子供が乗る分には、一応新型スイフトは最低限の広さを確保している模様。
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新型スイフトはやっぱり全長4メートルまで拡大すべきだった
だから新型スイフトは全長を全く伸長させてないにも関わらず、かなり頑張って室内空間を拡大させてきた。試乗記事では「大型化に寄って全長4mが当たり前になったBセグのなかで、コンパクトカーの原点を忘れないスイフトの姿勢に非常に好感が持てる」と新型スイフトを評価されてます。ただ個人的には新型スイフトも全長4mギリギリまで伸ばすべきだったと思います。確かにスズキ的にソリオやバレーノと差別化したいのは分かりますが、それぞれで客層が全く異なるんだからメーカーの都合をゴリ押ししすぎ。
何故なら、小さくて困ることがあっても、やっぱり大きくて困ることは少ない。今後スイフトにトヨタのハイブリッドエンジン(モーターやバッテリー)を搭載する場合、なおさら車体サイズが大きいに越したことはない。せっかく実用性を追求したにも関わらず、結局インパクトに欠ける仕上がりだった感も否めません。
新型スイフトはアクアやフィットより全長で10cm以上の差があるわけですが、この違いは室内に置き換えて考えると絶対無視できない。たかだか全長+10cmだからこそ伸ばせという話。サイズが大きければ多少の割高価格も多めに見過ごしてもらえる点ではメーカーにとってもメリットがあるはず。
車体サイズをほぼ変更せず室内空間や荷室ラゲッジをここまで拡大させたことを考えると、きっと新型スイフトが全長4メートルだったらホンダ・フィットや日産・ノートを超えた可能性があっただけに非常に残念。
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1.0LターボモデルのスイフトRStの試乗評価はどうなん?
ということで余談はさておき、いよいよ本題の新型スイフトRStの試乗評価。スズキ・バレーノにも既に搭載してる1.0L直3ターボエンジンの試乗はどうだったのか。
driver2月号 |
ちなみにスイフトRStに搭載してる1.0L直3ターボはレギュラーガソリン仕様。一方、バレーノに搭載してるのはハイオクガソリン仕様。個人的には英断。やはりレギュラーとハイオクはリッター1円前後違うので、この差は維持費を考えると無視できない。
ただその結果、スイフトRStのスペック(102PS/15.3kgm 【1700~4500rpm】)は、同エンジンのバレーノのスペック(111PS/16.3kgm 【1500~4000rpm】)よりも若干パワーダウン。スイフトRStは9馬力ほど下がって、発生回転域もやや高くなります。
driverさんの試乗では、新型スイフトターボはバレーノよりも20kgほど軽量ですが、「1500回転過ぎから本格的過給が始まりトルクが上昇する迫力は、確かにいくぶんマイルドになった印象」という評価。
それでも現行スイフトスポーツのスペック(163PS/16.3kgm)と比べても、新型スイフトRStはトルクの太さでは全然負けてない。今回試乗された方も「加速のダッシュなら現行スイフトスポーツをリードすることは間違いない」と最終的には高評価。
新型スイフトターボの吹き上がりの良さは「軽量で抵抗の少ないクルマが追い風に乗っているようなスムーズさ」と表現。個人的に気になった3気筒エンジン特有の振動や騒音も「エンジンマナーもとりあえず文句なし」と批判的な評価はなし。
ちなみにスイフトRStの実燃費は後述しますが、これがなかなかの低燃費。日常生活で使う分には、むしろ全然扱いやすいダウンサイジングターボと言えそう。意外とルックスも似てるフォード・フィエスタ亡き今、スイフトRStはまさに狙い目と言えるでしょう。
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スイフト ハイブリッドRSの試乗評価はどうなん?
続いて、スイフトハイブリッドRSの試乗はどうだったのか。こちらは1.2L NAエンジン(K12C型)に小型モーターを搭載したマイルドハイブリッドグレード。エンジンスペックは最高出力が67kW(91PS)/6000rpm、最大トルクは118Nm(12.0kgm)/4400rpm。
driver2月号 |
あくまでのその程度の加速感ですから過度な期待は禁物だと思いますが、それでもスイフトハイブリッドRSは軽快な走りを実現。当然スイフトRStの1.0L直3ターボよりも振動は抑えめで、エンジンフィールそのものはスイフト ハイブリッドRSの方が上質。RStはフラットトルクであるがゆえに、高速域での加速の伸びはやや不利なのが玉に瑕。
国沢光宏氏の試乗では「パワーウェイトレシオが1psあたり10kgを切ったらスポーティーな雰囲気に成るといわれてきたけど納得できる」と大幅な軽量化に伴って得られる加速感の良さも高評価。
またスイフトハイブリッドRSの静粛性に関しても、国沢光宏氏の試乗では「先代スイフトより軽快に走ってくれます」とエンジン振動や騒音レベルの低さを評価。一方、片岡英明氏も「クルージング時の静粛性も高い」と評価。不快なノイズが軽減されているとやはり好意的な感想。スズキのエンジンそのものがかなり静粛性が高い。
またスイフトハイブリッドRSの変速機も進化。「CVTはエンジン回転だけが上昇する違和感が薄れ、加速のリニアリティーが向上しているのも見逃せない」とdriverの試乗では評価。
ベストカー2月26日号 |
カートップ3月号 |
スズキ車全般に言えるのかも知れませんが、どうしても変速の挙動にも燃費仕様のエッセンスを取り入れたセッティングをしてるのかも知れない。スズキのCVTに関しては、やはり過度な期待は禁物か。
ちなみに廉価グレード「スイフトXG」以外はパドルシフトが標準装備なのはクルマ好きには嬉しい。
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スズキ新型スイフトRS系の乗り心地の評判・口コミ
続いてスイフトRS系の足回りや乗り心地の評価。
そもそも新型スイフトでは新しく「ハーテクト」というプラットフォームを採用。アンダーボディだけでもマイナス30kgを達成するなど大幅な軽量化を実現。フロントサスペンションはハブユニット化されるなどして、新型スイフト全体で剛性感も高められてる。
driver2月号 |
更にRS系グレードでは更に足回りがヨーロッパ仕込みのチューンナップがされてるということで、自ずと新型スイフトRSの乗り心地にも期待も膨らむってもんです。
driver2月号 |
バレーノの乗り心地は突き上げ感が強いなど荒削り感があったものの、新型スイフトRS系では「バネ下の路面に対する追従性が高」いので突き上げ感はマイルド。結果、新型スイフトRSは「路面の凹凸を忠実に伝える引き締まった走り味」という試乗評価に繋がってる。
ただスイフトRS系はあくまで欧州仕様の味付けということで、意外と固めの乗り心地は評価が分かれるポイント。ブイブイ走らせる人以外であれば、素直に非RS系グレードのスイフトを選択するのが良いかも知れない、という感想も。
実際、片岡英明氏も試乗では「ヨーロッパ仕様のサスペンションを採用したRS系はキビキビした身のこなし」や「乗り心地はちょっと引き締まった印象だが、足の動きはしなやか」と路面でも優れた追従性を評価。
ただ国沢光宏氏の試乗では「走り始めるや路面のデコボコ探しのような乗り心地」などダンパーが安っぽいと新型スイフトRSの乗り心地を酷評気味。割りとお爺ちゃんということを考慮しても、やはりRS特有の乗り心地は好みが分かれる部分か。
とはいえ先代スイフトではRS系グレードが人気だったことを考えると、新型スイフトでもRSを購入する方は分かった上で購入してるはずですから、実際そこまで神経質にならなくても良さそう。
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新型スイフトのハンドリングや操舵性の評判・口コミ
続いて新型スイフトのハンドリングや操舵性。
まずはdriverさんの試乗では「電動パワーステアリングの操舵感もスッキリ」と、先代スイフトと変わらず上質な操舵フィーリングが評価。100kg以上の軽量化も相まって、新型スイフトでは車を操る楽しさが体現されてる。
片岡英明氏の試乗では、新型スイフトのメーター周りの視認性の高さを評価。特にカラー表示のマルチインフォメーションディスプレイは平均車速や走行G、アクセル開度などを表示してくれるなど、運転のしやすさという点でも便利。
ベストカー2月26日号 |
だから新型スイフトの運転のしやすさはコンパクトカーの中ではトップクラスと位置付けて構わない。おそらく新型スイフトのCM映像でも小回り性能の高さをアピールするために、延々と噴水の周りを周回していたのでしょう。
それ故に新型スイフトのハンドリング性能の高さは、既に評価が高かった先代スイフト以上。まさに磨きがかかったハンドリングは「ロールを上手に抑え込み、無駄な動きがない「足がよく動き、懐が深いコーナリングを手に入れた」という感想は片岡英明氏。
ベストカー2月26日号 |
ちなみに新型スイフトに設定されてる5速MTは海外向けバレーノのものから、更にフリクションや摩擦が低減されるなど総嗄声向上に努めたチューンナップが施されているのは嬉しい情報。
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RS系グレードの実燃費はリッター20km超え?!
続いては新型スイフトRSの実燃費。試乗された方によれば、新型スイフトRStとハイブリッドRSで自動車道を中心にそれぞれ126kmほど試乗されたそう。だから実燃費のデータとしては信頼できる数値のはず。ちなみにスイフト ハイブリッドRSのカタログ燃費が25.4km/L、スイフトRStのカタログ燃費が20.0km/Lになります。
driver2月号 |
スイフトRStの実燃費はもっと悪いと勝手に予想してたんですが、ほぼほぼカタログ燃費値通りでかなり優秀。もしスイフトRStにもアイドリングストップ機能が付いてたら、少し実燃費が伸びてたと予想されます。
そしてスイフトハイブリッドRSの実燃費もまずまず優秀。所詮はマイルドハイブリッドなとはいえ、エンジンそのものの実力が高く車体の軽量化などが低燃費に貢献。driverさん以外の試乗記事を読んでも、おおむね新型スイフトの実燃費は20km/L前後に落ち着いてるのでマグレ燃費ということはなさそうです。
それだけに新型スイフトのガソリングレードにアイドリングストップがないのが悔やまれます。ポルシェにもアイドリングストップ機能が付いてる時代、この選択はいやはや理解に苦しみます。
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新型スイフトの納期は2ヶ月以上待ち?
ラストは新型スイフトの納期。果たしてどれぐらいの期間でスイフトが納車されるのか。
driver2月号 |
特に新型スイフトは発売延期が重なったことで、結果的にバックオーダーが増えたのかも知れない。新型スイフトのフルハイブリッドの投入が遅れてるのも、きっとスイフト全体の納期を遅延させない狙いもありそう。
…とはいえ、早晩、新型スイフトの納期はもっと短くなるはず。新型スイフトの納期をスズキディーラーに聞いたのが1月上旬ということで、まさに発売直後。この時点で納期が2ヶ月以上ってことは、少なくともこれ以上納期が伸びる可能性は低いはずきっと2018年を待たずに、新型スイフトの納期は一ヶ月程度に落ち着きそう。
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スズキ新型スイフト 試乗の口コミ・評判・評価レビューまとめ
以上、スズキ新型スイフトの試乗インプレッションでした。
新型スイフトの多少の蛇足もありつつ試乗情報を見てきたわけですが、ハーテクトというプラットフォームを採用したことでボディー剛性が大幅にアップしてる点が走りの良さに貢献。どの自動車雑誌の新型スイフトの試乗を見ても「新しいプラットフォームの効果が現れている」など好意的な感想が目立ちます。
「このボディなら大いに期待していいんじゃなかろうか」と、チラホラと批判的な感想もあった国沢氏も最終的には新型スイフトに好意的な感想で締めくくっています。国沢氏は特にスズキに辛口なイメージがあるので、こういった試乗インプレッションを見る限り、新型スイフトの良さは推して知るべしだと思います。
特にノーマルスイフトの発売から9ヶ月後にフルモデルチェンジした新型スイフトスポーツの走りは高評価。パワフルな1.4L直4ターボと軽量+更に剛性アップボディーと相まって、価格は180万円からとノーマルスイフトと変わらない。個人的にはスイフトを買うなら、新型スイフトスポーツが断然おすすめ。詳しくは新型スイフトスポーツ(ZC33S)の試乗評判まとめを参照。
ちなみに「新型スイフト vs フィット」「新型スイフト vs ノート」「新型スイフト vs デミオ」 は比較済みなのでお暇な時にでも御覧ください。