2016年12月22日木曜日

【2018】ノートe-POWER vs デミオディーゼル 徹底比較まとめ【2019】



2016年11月に日産自動車・ノートe-POWERが発売されました。いわゆるノートのハイブリッドカー。

でも優秀なBセグメントのコンパクトカーが「マツダ・デミオ」。残念ながらハイブリッド化されてないものの、デミオの最たる武器といえば何と言っても「ディーゼルターボエンジン」。

ノートe-POWER デミオディーゼル 比較画像
ニューモデル速報 2017年コンパクトカーのすべて
そこで今回はノート e-POWERとデミオディーゼルの違いを比較してみたいと思います。

電気モーターの大トルクとディーゼルターボの大トルク、果たしてどっちがおすすめなんでしょうか?最初は基本的なインパネや内装の比較し、後半に走りの違いを比較してみようと思います。




インパネなど内装の質感はどっちがおすすめ?

まずは運転席などインパネ周りといった内装の質感比較。

ノートe-POWER デミオディーゼル 内装の質感 比較画像
ニューモデル速報 2017年コンパクトカーのすべて
画像上が日産ノートe-POWER、下がデミオディーゼルの内装になります。

どっちも統一感があるデザインで、コンパクトカーとしては質感が高い内装だと思います。デミオはシンプルな内装で、さながら輸入車といった雰囲気。ノートは1クラス上の国産車を彷彿とさせます。ノートが「+」の美だとしたら、デミオは「-」の美といったところか。

ちなみにdriverさんの比較記事では「全体の質感もデミオのほうが上」と評価されています。ただ個人的には日産ノートの内装の方が雰囲気的に好きかも知れません。正直、ノートが良いかデミオが良いかはなかなか甲乙付けがたいです。



室内空間の広さは圧倒的にノートがおすすめ


内装を比較したので、続いては室内空間の広さの違いを比較したいと思います。

ノートe-POWER デミオディーゼル 室内の広さ 比較画像
ニューモデル速報 2017年コンパクトカーのすべて
例えば右の運転席のゆとり感は、頭上空間含めてノートがデミオより余裕があります。画像からも差が歴然。

ただデミオは「人馬一体」を謳ってる自動車メーカーだけあって、ドライビングポジションが絶妙。ステアリングやシフトレバー、アクセルペダルの位置が計算され尽くしていて、トータルの走りを考えるとデミオが決して見劣りすることはないか。

一方、後部座席。コチラはやはりノート・e-POWERが圧倒的有利。デミオ・ディーゼルは後部座席に乗った女性の足が助手席シートに触れてしまってるのに対して、ノート・e-POWERは触れてない。頭上空間もやはりノートに軍配が上がり、視界性や開放性という点でもデミオは完敗。

ただリアシートのホールド性などは、どっちも座り心地が上々。デミオはドアの開閉音などにもこだわっており、細かい演出力という点でデミオも負けてない。単純に広さだけで比較するとノートですが、後部座席の乗り心地など総合的にデミオが健闘してる部分もあります。



荷室ラゲッジスペースの使い勝手を比較


内装や車内をチェックしたので、続いては荷室ラゲッジスペースを比較したいと思います。

ノートe-POWER デミオディーゼル 荷室ラゲッジ 比較画像
ニューモデル速報 2017年コンパクトカーのすべて
上がノート・e-POWER、下がデミオ・ディーゼルになります。

数値だけ見ると、実は荷室高はノート(700mm)よりデミオ(870mm)が有利。荷室幅もデミオが上回ってる。写真の角度的ににわかには信じがたいものの、荷室の奥行きも通常時でデミオが6cmほどノートを上回っているらしい。

ただ多分誤植か何かだ思われるので、荷室高は不利なものの5名乗車時でも大型スーツケースが2個積載できるノートe-POWERに荷室ラゲッジスペースでは軍配が上がりそう。デミオディーゼルは開口部面積もノートより小さいのが気になります。

ちなみにノートe-POWERの駆動用リチウムイオンバッテリーは助手席シート下に配されてるので荷室空間が犠牲になってない。厳密には荷室下にも補助用バッテリーが配置されてるもののかなり小型化されてるので問題ナッシング。やはり荷室の広さではデミオよりノートをおすすめします。



乗降性の良さはノートに軍配


続いて乗降性の良さはどっちが優れているのか。

左ノートe-POWER、右デミオディーゼル
再び冒頭に貼った三省堂さんの画像を貼っておくと、サイドから比較したらデミオの方がデザインとしてスタイリッシュであることが分かります。ただ反面、乗降性の点でノートが有利ということが同時に分かります。

例えばデミオは後部ドアは直角90度まで開かない。また後部の開口部もノートがえぐれてる部分でデミオはえぐれてないなど、良くも悪くもデザインを重視した独特の形状をしてる。

助手席のステップ高もノートが低い。具体的にはノート・e-POWERが350mmに対して、デミオディーゼルは370mm。また全高こそノートもデミオも同じですが室内高が低いので、その分だけデミオは屈んで乗車する必要がある。

後部座席のステップ高こそノートe-POWERがやや不利(ノートe-POWERが400mm、デミオディーゼルは385mm)ですが、シートの座面高がデミオより30mmほど高い。シートが低いと、逆にそれだけ乗り降りするのが大変。

ってことで乗降性のしやすさはノートe-POWERがおすすめ。デミオは基本的にアクア並みの乗降性しかないと考えられます。



運転のしやすさや操縦安定性の比較


続いて運転のしやすさの比較。

例えば小回りのしやすさを示す最小回転半径は、ノートe-POWERメダリストが5.2メートル、デミオディーゼルが4.9メートル。どっちも5ナンバー車で全幅が1695mmと同じなので、狭い裏道などで運転しやすいのはデミオという結果。

ただ視界性の良さで比較すると、ノートが全体的に死角は少なめ。デミオは前述のようにスタイリッシュなデザインであるが故に、フロント周りもリア周りも含めて死角はノートより多め。

まあ何を以って運転がしやすいと評価するかは難しいですが、デミオには既に「Gベクタリングコントロール(GVC)」が設定されてるのが大きい。

このGVCはエンジンの出力を調整するだけで、前後の加速度を制御してくれる代物。それだけコーナリング時など車体の安定感がアップする。Bセグメントカーでこの技術を搭載するのは反則でしょうってレベル。

他にも電動パワーステアリングの改良によって操舵フィーリングが改善するなど、ノートe-POWERより多少見劣りする部分もありますが、それでも全体的な運転のしやすさや操縦安定性でデミオディーゼルに軍配を上がると思います。



走りや加速性能や静粛性の比較


ということで本題。ノートe-POWERとデミオディーゼルの走りや加速性能について比較したいと思います。電気モーターの大トルクとディーゼルターボの大トルク、果たしてどっちが勝るのか?

driver2月号
結論から書くと「右足直結の電気トルク感はディーゼルをも凌駕する」らしい。

driver2月号
デミオディーゼル(250Nm)以上のトルクを発生する電気モーター(254Nm)を搭載したノートe-POWERは「一段と強力かつ滑らかな加速性能を見せつける」。やはりノートe-POWERは電気自動車と同様に初っ端から大トルクを発生させるので、いくらディーゼルターボエンジンとはいえデミオには「動力供給の遅れ」が少なからず発生。
 
ノートe-POWERの試乗記事でも絶賛されていましたが、比較することで更に違いがよく分かる。トルクフルな走りが売りのディーゼルターボエンジンと比較しても、ノートe-POWERの走りが何ら遜色が無いと分かっただけでも大きな収穫。

driver2月号
もちろんデミオのディーゼルターボエンジンが悪いってことではなく、むしろ高速走行においてはノートe-POWERより適してるといった評価も。デミオは「エンジン音と呼応して加速するので、気持ちよさはディーゼルが上」。逆にノートe-POWERの方が良くも悪くも機械的でシャープな走り。悪く言えば、オモチャ的。

強いて両者を色分けするのであれば、ノートe-POWERは街中走行、デミオディーゼルは高速巡航に向いているらしい。どちらもトルクフルで楽しい走りを実現してるものの、どっちが好みかは実際に試乗してみるしかなさそうです。


静粛性はノートもデミオも優秀

続いて静粛性の比較。

結論から書くと甲乙付けがたし。デミオディーゼルは相次ぐ改良によって、ディーゼルエンジン特有のノック音を減殺する仕組みを導入。また遮音ガラスや遮音材をふんだんに用いることで、デミオの車内の静かさはコンパクトカーの中でもトップクラス

逆にノートe-POWERもやはり遮音材をふんだんに使用することで車内の静粛性は高まりました。きっと荷室高が低かったのも遮音材の追加したからか。特に電気モーターで走行する点が静粛性に寄与してることは言うまでもありません。

ノートe-POWERはガソリンエンジンも2000回転以上も上回ることはめったにないなど、両者を比較するとまさに「良い勝負」といった表現が的確。



実燃費や経済性はデミオディーゼルがおすすめ

続いて走りを比較したので、実燃費や経済性。

デミオディーゼル ノートe-POWER 実燃費比較
driver4月号
カタログ燃費でこそノートe-POWERが有利ですが、デミオディーゼルがやや実燃費の比較では優勢

一般道や山岳道でこそノートe-POWERもデミオディーゼルも大差ありませんが、やはり加速の伸びが悪い高速域ではノートが大差をつけられてる。厳密にはデミオディーゼルの実燃費がヤバすぎる、と表現した方が適切か(笑)

やはり軽油で走行するためレギュラーガソリンよりリッターあたり数十円安いこともあって、経済性や維持費という点ではデミオに軍配をあげざるを得ません。いくらノートe-POWERが電気モーターだけで走行するとはいえ、所詮はガソリンエンジンがメイン。

やはり経済性やランニングコストという点では、今後もハイブリッドがディーゼルに勝つことは難しそうです。デミオもいずれディーゼルハイブリッドカーを発売する噂もありますが、きっとノートe-POWERがディーゼルで発電する仕組みを導入したらかなり面白そう。



価格やコスパの比較はどっちがおすすめ?

最後は価格とコストパフォーマンスを比較。

まず価格はノートだと「e-POWER X」の価格が195万円。「e-POWER メダリスト」の価格が224万円。一方、デミオディーゼルは「XD」の価格が178万円、「XDツーリング」の価格が196万円、「XDツーリング Lパッケージ」の価格が201万円。

デミオディーゼルの売れ筋モデルは「XD」なので、同じミドルグレード同士で比較すると「ノートe-POWER X」はデミオより17万円ほどの割高。そもそも考えてみると、ノートの価格自体が割高。


ガソリンエンジン同士の比較ではノートもデミオも価格差は少ないものの、例えばノートのターボ(スーパーチャージャー)モデルの「ノートX DIGS」は173万円ですが、この時点で既にデミオディーゼルと同価格帯。

そのためノートe-POWERと比較すると、デミオがお買い得に見えてくるから不思議です。強いて言えば、ノートはコンパクトカーというよりステーションワゴン寄りで、デミオと違ってファミリカー色が強いんですが…。

だから結論としては、ノートよりもデミオの方がコスパや価格に優れてると言えます。少なくともノートと比べるとデミオの割高感は薄い。

ちなみに【比較】ノートe-POWERとアクア、フィットハイブリッド【比較】デミオ vs 新型スイフト【比較】CX-3 vs デミオなども併せてご覧ください。

また新車おすすめサイト・カーギーク【最新】 マツダ新型デミオ フルモデルチェンジ情報まとめ【最新】日産新型ノートe-POWER フルモデルチェンジ情報まとめなどもご覧ください。

またデミオとノートがフルモデルチェンジされた場合、カーギークの方で次期モデルを比較してみようと思います。