そして、この1ヶ月前にはトヨタのヴィッツがマイナーチェンジ。やはりハイブリッド化が注目を浴びました。スズキは色々あって新型スイフトのモデルチェンジが遅れたこともあって、何故かどっちもテコ入れのタイミングが運良く(運悪く?)重なりました。
ということで今回は新型スイフトと新型ヴィッツを徹底的に比較したいと思います。果たしてどっちがお買い得のコンパクトカーなのか。どっちが優れたハイブリッドカーなのか。スイフトとヴィッツで迷っている方は購入時の参考に使ってください。
新型スイフトとヴィッツの見た目の違いを比較
まずは内外装を簡単に比較したいと思います。新型スイフトと新型ヴィッツはどっちが質感が高いのか。
上:新型スイフト、下:新型ヴィッツ |
例えば、新型スイフトはフロントノーズが長く、いかにも欧州車風。モデルチェンジで地味になったとは言われつつも、新型ヴィッツと比較すると「洗練さ」すら感じさせます。逆にヴィッツは2010年12月に発売されたことを考えると、そこまで言うほど「古くささ」は感じさせません。
甲乙付けがたい部分だと思いますが、さすがに発売年が新しい新型スイフトの見た目に軍配を上げたいと思います。スイフトは薄味顔かと思いきや、見れば見るほど味があるのかなと思います。また「コンパクトカーだけどコンパクトカーらしくないデザイン」というオリジナリティも評価してみた。
ただスイフトはフロントノーズが長い分だけ、室内の広さの比較ではどういう結果になるのか。それは後述。あとどっちもアンテナがシャークフィンタイプじゃない。そろそろコンパクトカーでもシャークフィンは標準で採用しても良いはずです。
内装の質感はどっちがおすすめ?
続いて内装やインパネ周りの質感を比較したいと思います。同じコンパクトカーでも大きな違いはあるのか。
上:新型スイフト、下:ヴィッツ |
ヴィッツは設計そのものが古く、また1000ccエンジンモデルも発売してることもあって廉価グレードは新型スイフトより全然安い。そのためヴィッツは内装の質感も価格相応に見劣りしてしまうのかも知れない。
ちなみにトヨタ・ヴィッツのフルモデルチェンジ時期は2019年頃を目標としてるらしい。だから、そのタイミングまでヴィッツの内装や外観の質感は飛躍的に向上することはなさそうです。とりあえず内装は新型スイフトに軍配。
室内の広さは意外にも新型スイフトがおすすめ
続いて室内の広さを比較したいと思います。車体のデザイン的に新型スイフトのノーズ部分がヴィッツより不利に働きそうな予感ですが、果たして結果はどっちだったんでしょうか。
カートップ5月号 小林健 マリオ高野 交通タイムス社 |
下のトヨタ・ヴィッツは足回りがスイフトより明らかに狭い。またヴィッツは左右にかけてなだらかに天井が低くなるため、特にシート端っこに座ると狭い。要するにヴィッツは天井が低い。だから後席シートの圧迫感はコンパクトカーの中でも悪い部類に入ります。
一方、先代スイフトは室内が狭いと言われてたものの、新型スイフトでは室内がやや拡大されたこともあって必要十分な広さが確保されていることが読み取れます。
他にもヴィッツはシートのサポート性も弱いなど、室内の広さや快適性は新型スイフトに軍配を上げたいと思います。ただ新型スイフトに関して言えば、シートは座面長がやや短め。足が長い高身長の方だとやや心もとないか。
荷室ラゲッジは逆にトヨタ・ヴィッツがおすすめ
室内を比較したので、続いては荷室ラゲッジスペースの広さ。やはり室内に続いて、スズキ・スイフトがヴィッツの荷室を上回るのか。
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ただ荷室開口部の広さ(バックドアの大きさ)については、トヨタ・ヴィッツもスズキ・スイフトもあまり違いは見られません。積載性という点では互角か。でも開口部を大きくしすぎると剛性感が落ちるので、コンパクトカーだと方向性によってはデメリットにつながることも。
ということで荷室に関しては、ヴィッツに軍配を上げたいと思います。
ハイブリッド同士の走りの違いはどうなん?
続いては走りの比較。やはり投入されたばかりの「ハイブリッドグレード」同士を比較しないわけにはいきません。
結論から書くと、新型スイフトハイブリッドの走りがヴィッツを凌駕。スイフトは車体の軽量化も相まって加速は快適。ハンドリング性能も高く、同乗者が何人増えても操舵性が悪化することがないので扱いやすい。
逆にヴィッツハイブリッドのハンドリング性能は車重が増えるほど、操作性のダイレクト感やブレーキングも相応に悪化。ヴィッツはレンタカーでも多く見受けられますが、多人数での走りは新型スイフトが優勢。やはりヴィッツは車両設計の古さがダイレクトに走りの面でも現れている印象。
また新型スイフトはターボモデルも用意されているなど、走りに関してはヴィッツはGTといった高価なカスタマイズモデルでもない限り、新型スイフトの足元にも及ばない可能性があります。ただ先代モデルと比較すると、新型スイフトの剛性感は軽量化に伴ってやや減少。
逆にヴィッツハイブリッドはアクアと比較した場合、走り心地は良好と言えます。例えば1月のマイナーチェンジでインパネ周りの鉄板が肉厚化されたり、スポット溶接も増し打ちされているなど、地味に新型ヴィッツハイブリッドは改良が施されているためアクアと比べると操舵性は決して悪くはない。
詳しくは【比較】新型ヴィッツ vs アクアもお暇な時にでも参照してください。
ハイブリッドの実燃費に違いは出るか?
走りを比較したので、続いては実燃費性能の違いを見たいと思います。コチラもやはりハイブリッドグレード同士の比較になります。果たして新型スイフトハイブリッドと新型ヴィッツハイブリッドはどっちが優れているのか?
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さすがにアクアのハイブリッドシステムをそのまま搭載しているので、車体設計が古くてもエンジンの燃費性能はかなり高め。新型スイフトハイブリッドは特に市街地燃費で大きく離されてることが読み取れます。
やはり「ストロングHV」と「マイルドHV」との違いが顕著に現れている模様。ちなみにスイフトといったスズキ車にいずれトヨタのハイブリッドシステムが搭載されるというウワサも。
ただ新型スイフトハイブリッドの価格帯は160万円台に収まるのに対して、ヴィッツハイブリッドの価格は180~200万円超。「元を取る」というセコい考え方で比較すると、結果的に新型スイフトハイブリッドの方が安上がりとは言えるか。平均2~3km/L程度の燃費性能の違いをどう考える方は読んでる方に任せます。
スイフトとヴィッツの自動ブレーキを比較してみる
ラストは自動ブレーキの比較。今では標準装備化されている車種も多いです。
ヴィッツに搭載されているのは赤外線レーザー+単眼カメラ方式の自動ブレーキ(セーフティーセンスC)。一方、新型スイフトも同様に赤外線レーザー+単眼カメラ方式の自動ブレーキ(デュアルセンサーブレーキサポート)を採用してる。
だから一瞬性能は同じ・変わらないかと思いきや、結論から書けば新型スイフトの自動ブレーキの方が性能は高いです。例えば自動ブレーキが作動する条件が、ヴィッツが時速30~80km/hに対して、新型スイフトは時速15~80km/hと作動域が広い。
特にスイフトとヴィッツの大きな違いは「ACC(追従クルーズコントロール)」の有無。作動速度に制限はあるものの、高速道路上で前方車両に自動的に速度を調整して追従してくれる機能のこと。
このACCはスイフトの自動ブレーキにあって、ヴィッツにはありません。
ちなみにヴィッツは廉価グレード以外は自動ブレーキが標準装備に対して、新型スイフトはあくまでオプション設定(+10万円)。ただ新型スイフトに自動ブレーキを設定すると、同時にサイドカーテンエアバッグシステムも搭載されます。
一方、ヴィッツに関してはサイドカーテンエアバッグのオプション設定は存在するものの、+4万3000円程度。結果的な負担金額に違いはありません。元々のスイフトとヴィッツの価格差を考えると、トータルの安全性能の高さでもスイフトがヴィッツを上回ります。
ただし、2019年頃までにトヨタ新型ヴィッツは「第二世代セーフティーセンス」に進化する予定。夜間でも歩行者を認識したり、ACC機能はもちろんのこと非常に高性能。今後は新型スイフトと比較する上で、様々な面で超えてくると予想されます。
新型スイフトと新型ヴィッツの比較・評価・総括
さすがに新型モデルに一新されたばかりのスイフトが、全体的な性能の高さではヴィッツを上回る印象。ハイブリッドの性能こそヴィッツより見劣りするものの、スイフトはコスパの高さとトータルバランスでは群を抜いて優れている気がしました。
個人的に室内空間の広さなどで、ヴィッツよりもスイフトに軍配が上がったのは意外でした。今まで狭い狭いと言われていた新型スイフトの室内空間も、実は他のコンパクトカーと比較すると既に標準以上のサイズを確保してるらしい。
だからもし「スイフト=狭い」と他のコンパクトカーと購入を悩んでいる方は、特にそういった心配は不要だと思います。以上、スイフトとヴィッツの比較記事でした。スイフトとヴィッツを競合させたい時にでもご活用くださいませ。
ちなみに【比較】新型スイフト vs デミオ、【比較】新型スイフト vs フィット、【比較】新型スイフト vs 日産ノートなども併せてご覧ください。
また新車情報ブログ カーギークでは【最新情報】新型ヴィッツ フルモデルチェンジまとめや【最新情報】新型アクア フルモデルチェンジまとめなども執筆済み。いずれカーギークの方で新型ヴィッツの比較記事も作りたいと思います。