ホンダ、「CR-Z」を年内生産終了。6月10日より特別仕様車「α・Final label」発売ホンダのハイブリッド コンパクトスポーツカー(2ドア4シーター)だったCR-Zがこのたび生産中止が決まったそう。2010年2月に登場したものの、そのままフルモデルチェンジを迎えることなくご臨終。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1004378.html
CR-Zは全世界で年間4~5万台の販売を見込んでいたそうですが、フタを開けてみたら6年間で累計4万台程度だったそう。最近の日本の販売台数は2015年10月から2016年3月の半年間で月平均92台ですから納得。何度もマイナーチェンジや一部改良を繰り返したものの、まさに大惨敗。
そこでCR-Zが何故不人気車だったのか理由を考えてみました。
とにかくCR-Zは中途半端だった
まずはCR-Zのエンジンスペック。ハイブリッド車とは言いつつも、モーターの最高出力は20馬力程度しかない。いわゆるマイルドハイブリッドシステムの延長。要はホンダの前世代のHVで、最新のi-DCDが最後まで搭載されることはありませんでした。だから変速機もDCTではなくCVT。
現行フリードのモーターより強力ですが、最大トルクはフィットHVと比較すると二倍ほど違います。16.3kgm(160Nm)に対して、CR-Zは8.0kgm(78Nm)。スポーツカーという触れ込みですから、さすがにこれではいただけません。
だからといって、燃費性能もいまいちパッとしない。エントリーグレードの「α」のカタログ燃費は23.0km/L。最高グレードの「α マスターレーベル」は21.6km/L。最近のガソリン車よりも悪燃費。
CR-Zは価格が割高なのに…
そしてCR-Zは価格が割高。エントリーグレードの「α」でも270万円。最高グレードの「α マスターレーベル」はほぼ300万円。さすがに高い。価格的にはFRスポーツカーのトヨタ・86やスバル・BRZが余裕で購入できます。
これでは「コンパクトハッチバック」という強みが全く活かされてないと言っても構いません。一応、ホンダにはS660という軽自動車が人気でしたが、そのくせCR-Zの人気グレードを見てみると、44%近くのユーザーが最高グレード「α マスターレーベル」を選択してる事実。
やはりスポーツカーということで多くの方は浪費してでも性能を求めてるんだと思いますが、実際にはCR-Zのパワー不足感が否めない。一方、全体的に割高なのでコスパ重視のユーザーも取り込めてない。
だから需要と供給が全くマッチしてなかったと言えそうです。
ちなみにホンダ・CR-Vの方は2018年夏に復活。興味があれば最新自動車ブログ・カーギークのホンダ新型CR-V試乗レビューまとめもご参照ください。