そこでインプレッサハイブリッドの試乗+実燃費に関する情報をまとめてみました。
インプレッサハイブリッドの特徴とは?
まずインプレッサスポーツハイブリッドの特徴としては、リニアトロニックCVTが改良されてフリクション(摩擦)が低減。トルクコンバーターの液体特性も変更され、発進加速やアクセルの応答性はXVハイブリッドよりも上だそう。バッテリーを搭載したことで、ガソリンモデルよりも重心が10mmほど下がりました。また前後の重量配分が最適化されるなど、水平対向エンジンには意外にハイブリッドが向いてる?
HVハイブリッドではバッテリー充電比率(SOC)が98%と高めに設定されましたが、インプレッサHVでは80%まで低めに設定されてます。この理由は減速時における回生エネルギーをしっかり溜めるため。XVハイブリッドのように98%だとせっかくの回生エネルギーが無駄になっていた。つまりインプレッサHVの実燃費は良くなってるはず!?それは後述いたします。
ただインプレッサハイブリッドは、あくまでガソリンエンジンが主体。モーターのみで加速することはなく、いわゆるマイルドハイブリッドシステム。良くも悪くも、「ハイブリッドらしくないハイブリッドモデル」と言えます。
自動車雑誌による試乗インプレッション
自動車雑誌さんによる試乗記事を見てみます。まずは『カートップ』11月号の青山尚輝さん。何故か飼い犬目線。
最初はインプレッサハイブリッドの室内。「荷室地上高が低く、犬でもジャンプすることで乗り降りできる」「大型犬でもシートを6:4分割で倒せば一緒に過ごしやすい」。隣にワンちゃんを座らせてヨシヨシしながら、後席に座れますよってこと。分割シートも随分も増えました。
続いて、インプレッサスポーツHVの乗り心地。「比較的ゆったりとした、まろやかな乗り心地+操縦性」。「ハイブリッドのバッテリーが床下配置されて低重心化が図られ、極めて姿勢変化の少ないフラットライドに終始」して、捕まることができないワンちゃんには好都合だそう。また遮音性にも優れていて、「ロードノイズが遮断され静粛性が高い」とのこと。
走行性能に関しても、スムースで快適な走りっぷりだそう。前述の説明通り、インプレッサスポーツハイブリッドではバッテリー充電比率を下げたせいか「低速巡航でEV走行(アシスト)する頻度がXVより増加」してるそう。
『月刊自家用車』8月号の試乗記事。インプレッサスポーツHVは「XVハイブリッドと同様に燃費よりドライバビリティ」を重視した車と評価。「アイサイト全車標準装備」についても評価。
前述の車内の静粛性と関連してそうですが、内装の質感なども上級感がありと評価。ただ荷室積載量は凡庸、あくまでハッチバックの延長線上。
実燃費はやはり期待薄?
ラストは気になる実燃費。『ベストカー』10月26日号で編集者・塩川さんによる実燃費の計測。6.6キロ(講談社周辺?)と短めの距離では実燃費が9.6km/Lと低め。インプレッサスポーツハイブリッドはアイドリングストップが敏感に反応したらしく、20分の間で7分6秒もエンジンが停止してたそう。うーん、その割に実燃費が悪い。
じゃあ、もう少し距離を伸ばした状況ではどうなるんでしょうか?
講談社から首都高の箱崎を経由して葛西臨海公園(18キロ)での実燃費は8.1km/L。また葛西から今度は一般道を通って講談社(30.2キロ)に戻ったときは実燃費8.2km/L。後半の方が実燃費が若干向上してるのはアイドリングストップ効果によるもの?
インプレッサスポーツハイブリッドのカタログ燃費はリッター20.4キロですので、さすがに10.0km/Lを超えないのは寂しいところ。
評価まとめ
ザ・マイカー10月号では「燃費の良さより走りの愉しさを追求」とありますが、これが一番言い得て妙だなと思いました。インプレッサスポーツハイブリッドは、あくまで剛性が高いハンドリング特性などを楽しむもの。ハイブリッドモデルだからといって、過度に実燃費を期待すると肩透かしを食らうかも。先程の『ベストカー』の編集者さんの試乗では実燃費は芳しくなかったものの、加速時の途切れることのないスムースなトルク感、静粛性、ハンドリング性能の良さは「一段階上質なインプレッサ」という評価でした。
ちなみにインプレッサハイブリッドでは、アイサイトがver2のまま。ハイブリッドではコンピューター制御の仕組みが異なるらしく、ガソリンモデルのように最新のアイサイトver3にはできないそう。同じ理由でXVも当分はアイサイト2のままで行く模様。