2015年9月27日日曜日

4代目プリウス フルモデルチェンジ情報まとめ 7つの注目点・変更点とは?



driver11月号
トヨタ・プリウスが今年年末に6年ぶりにフルモデルチェンジ。4代目。プロトタイプが1995年に発表されたので、足掛け20年。意外にプリウスの歴史は古い。

もう色んな大手さんが新型プリウスを記事化してるので、とても勝てるとは思えずあまり乗り気はしませんが、とりあえずプリウス4代目のモデルチェンジ注目点・変更点をまとめてみました。果たしてセーフティーセンスは搭載されるのか?

発売日

まずプリウスが発売されるのは今年2015年12月9日。発表も同日。11月30日から生産が開始。ベストカーやdriverといった雑誌さん情報。

新型プリウスの先行予約は既にできるとかできないとか。

4WDが設定

driver11月号
 プリウスやアクアといったトヨタのハイブリッド車には何故か今まで設定されてませんでしたが、新型プリウスでは初めて4WDが全グレードで設定されます。ホンダ・シャトルなどに誘発されたのか。ただし廉価グレードには設定されません。

「E-FOUR」という4WDシステムを採用。一般的な4WD車ではエンジンの動力を後輪に伝えるためにプロペラシャフトが必要。ただ今回プリウスに採用される4WDでは不要。モーターがリアに設置されていて、エンジンの動力ではなくそれで後輪を回す仕組みだそう。回生エネルギーの吸収も高いらしく、つまりプロペラシャフトがない分だけ居住性が損なわれることはありません。

グレード構成の変更

グレード構成は現行プリウスから変更。結論から書くと、合計7グレードに増えます。

廉価グレード「L」は「E」へ、売れ筋グレードの「S」は変わらず、上級グレードの「G」は「A」へ名称変更。SとAには同じく「ツーリングセレクション」が引き続き用意されます。上級グレードAには「プレミアム」と「プレミアムツーリング」という更に装備を充実させたのが用意されます。AC100V・1500Wコンセントやナノイーイオンなどが標準装備されるそう。

売れ筋グレード「S」は現行プリウス全体の62%を占めてるそう。そこで「S」の装備面を見ると充実。ヘッドライトがBi-Beamへ。昨年末にマイチェンしたプリウスαに搭載されたやつ。スマートエントリーキーが助手席とバックドア側にも反応。ドアミラーも自動格納機能が追加。

全体的に新型プリウスでは装備面で充実させてくる模様。ただし一部グレードで標準装備だったCDオーディオやカーナビは全てのグレードで廃止されディーラーオプションになる箇所も。

カートップ11月号
タイヤホイールは相変わらず空力を意識したデザイン。

ボディーカラーは新色6色

カートップ11月号
新型プリウスのボディーカラーは合計9色。そのうち6色が新色。画像ではダークブルーマイカメタリック、アティチュードブラックマイカ、グレーメタリックより上の6つ。

右上のエモーショナルレッドはワールドプレミアで登場したカラー。赤色の深みを増す構造になってるらしく、開発には通常より半年以上かけたとか。これがフルモデルチェンジが遅れた理由だったりして?(笑)

真ん中一番上のサーモテクトライムグリーンは、世界初の遮熱機能を持たせた塗装を行っているらしい。塗装に含めたチタンが赤外線を反射するそう。そもそも熱を吸収する粒子を使用してないんだとか。新型プリウスのCMではこのサーモテクトライムグリーンを前面に出してきそう。

燃費40km/hの詳細とは?リチウム電池は搭載される?

エンジンは1800ccの「2ZR-FXE型」を継続するものの改良。大容量クールドEGRやクールエアダクトの機能を高めて、熱効率が40%近くまで上昇。ハイブリッドシステム「THS-Ⅱ」も小型化。注目のプラットフォームTNGAも初めて採用されます。例えば、リアサスペンションがダブルウィッシュボーン式へ変更。

カートップ11月号
他にもドアハンドルの部分も空力性能にこだわったデザインを採用するなど、低燃費に対する対策が徹底して行われている新型プリウス。そこで気になるのはやはり燃費性能。

ただ残念ながら、ウワサされていた「燃費リッター40キロ」は一応達成できているものの、これは前述の「E」グレードのみ40km/Lになります。

「E」の車重は確かに1310kgと軽い。でも、この理由はシンプル。エンジン周辺の吸音材やリアワイパーが省かれるから。また車体の傾きを制御するスタビライザーもありません。現行プリウスの「L」と同じくレンタカーなど完全な法人需要向け。基本的に個人で購入するには「E」はおすすめできません

一方、売れ筋グレード「S」のカタログ燃費は37.0km/L。ほぼアクアと同レベル。ハイブリッドシステムを小型化したり、TNGAを採用したものの、Sの車重は意外に1360kg。現行プリウスが1350kgだからむしろ増加。全長+60mm、全幅+15mm、全高+20mmと拡大してるとは言え、軽量化ではやや期待外れ?

上級グレード「A」も37.0km/Lなので、新型プリウスの燃費はリッター37キロと考えた方がベター。ニッケル水素電池を廃止するというウワサもありましたが、リチウム電池が搭載されるのは廉価グレード「E」と「A」のFF車のみ。それ以外はニッケル水素電池のままっぽい。Sにリチウム電池を採用してたら、もう少し燃費は伸びたのかも。

あと注意したいのが、エンジンスペックが若干低下してること。最高出力が95PS/5200rpm、最大トルクが142Nm/3600rpm。またモーターも同じく出力が72PS、トルクが163Nmと目に見えて下がってます。

そして燃料タンク容量も「E」は38Lと激減。現行プリウスからー7L。「S」や「A」も43Lと現行からー2L。ホンダ・フィットで行われているような手法が取られているのも残念ではあります。まさに「トヨタよ、お前もか」という声も聞こえそうですが、そろそろ自動車の燃費追求も限界が見えてきたという裏返し?

ただし4WDモデルのカタログ燃費は35.0km/Lと優秀。「E-Four」という駆動方式が効果的に働いているのか。プロペラシャフト分の重量をカットできますから。

セーフティーセンスPを設定へ!

driver11月号
新型プリウスではセーフティーセンスPが設定されます。単眼カメラ+ミリ波レーダータイプの自動ブレーキ。「E」と「S」はオプションですが、「A」ではなんと標準装備。ぱちぱち。

セーフティーセンスPの価格は不明。ただ同形式のホンダセンシングが15万円、そしてスバルアイサイトが10万円ということを考えたら、多分この中間ぐらい。セーフティーセンスCの価格が5万4千円だから比較的リーズナブルな価格で提供してくれそうなので、セーフティーセンスPの価格は10万円ちょいと個人的に予想してみます。

前にノアやヴォクシーのセーフティーセンス搭載時期を訊かれましたが、トヨタのヤル気が伺えますのでノアヴォクあたりも2016年中には搭載されそうな気がします。

価格

他にもモデルチェンジ後は荷室容量が502Lと拡大。現行比で56L増。燃費向上や見た目やインテリアの質感アップだけではなく、新型プリウスは実用面でもかなり進化してるっぽい。

ラストはやはり価格。プリウスの新車販売台数を見たら、相当買い控えしてる方も多そう。結論から書くと、グレード構成でも触れましたが装備面で充実したこともあって、フルモデルチェンジで価格は+10万円ほど

だから新型プリウス「E」が240万円、「S」が250万円、「A」が275万円。4WDモデルには更にそこから+23万円ほどアップ。ただツーリングセレクションは+10万円ほどと価格を抑えてくるらしく、結果的に売れ筋グレードの「S ツーリングセレクション」の価格は現行プリウスと変わらず260万円に据え置き

ちなみに「A」が異常に高いのはセーフティーセンスPが標準装備されたり、リチウム電池が搭載されたり、特に装備面で充実させてるから。「Aプレミアム」に至っては電動調節機能のついた本革シートも装備されるらしく、価格は300万円に近づく可能性。

まとめ

今回のフルモデルチェンジに関して総括。燃費性能は抜きん出るという程ではなかったですが、プリウスの商品力は全体的にかなり向上。セーフティーセンスPの設定や荷室空間の増大など、安全性や使い勝手は増してます。4WDモデルの追加など、今頃雪国のドライバーさんは虎視眈々と購入を待ち構えてそう。

ただその分だけ新型プリウスの価格もアップしてるので、特にこだわりがないのであれば、値引きが大きく期待できる現行プリウスをお安く買うのも一つの手。