2015年5月23日土曜日

損保ジャパン 自動車保険料値下げ 他社も追随するか?



損害保険ジャパン日本興亜が自動車保険の保険料を約11年半ぶりに値下げすることが11日、明らかになった。10月から、平均で0.2%引き下げる方針。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150511-00000013-fsi-bus_all
自動車保険会社である損保ジャパン日本興亜が、11年ぶりに自動車保険料の引き下げを行うらしい。時期は今年10月から。主に30代~50代の普通車ユーザーさんが対象だそう。

自動車保険料といえば、ほぼ毎年のように値上がってた。値上げ幅は最大で数%だったとはいえ、やはりこれだけ何度も繰り返されると家計には痛い。

じゃあ他の東京海上日動や三井住友海上なども同じく値下げに追随するのか?を考えてみました。


交通事故件数は減少傾向

そもそも、なぜ損保ジャパン日本興亜が保険料の値下げをしたのか?

この背景や理由としては、交通事故件数が減少傾向にあるから。保険会社がドライバーに支払う保険金の金額も減少。その結果として保険会社の収益も改善。実際、2015年3月期連結決算では過去最高益だったそう。

内閣府のデータによると、交通事故発生件数は2003年だと948,281件、負傷者は1,181,029人。1990年だと643,097件、負傷者は790,295人。2000年代半ばぐらいまではずっと交通事故件数は増え続けてた。

2000年代後半ぐらいから徐々に交通事故は減少。2013年では629,021件、負傷者は781,494人。ほとんど1990年頃の水準にまで戻ってる。

また2012年10月から等級制度が変わって、一度保険金を請求するとガクンと等級が下がるようなった。また等級を再び上げるのも大変になった。それにともなって、交通事故を起こしても保険金を請求するドライバーも減った。

これらが複合的に重なって保険会社全体の収益を改善。結果的に損保ジャパンによる自動車保険料の値下げに繋がったということ。昔に自動車保険料が下げる方法を記事にしましたが、結局「ドライバー自身が保険金を請求しない」ことに尽きる。

自動車保険料は上げ止まっただけ

もちろん損保会社の収益を改善させたのは、ここ7年8年で続けてきた自動車保険料の値上げが一番大きい。今回損保ジャパンが保険料を値下げすると言っても、わずか0.2%ほど。

つまり「自動車保険料は上げ止まった」程度に解釈するのが正しいと思います。だから上げ止まったからといって、それが次の値下げにすぐ繋がっていくかはやや微妙。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150520-00000105-mai-bus_all.view-000
そこで損保ジャパンなど大手3グループの収益を見てみると、東京海上が圧倒的。海外での事業が円安効果でウハウハみたいですが、今回値下げに踏み切った損保ジャパンは規模的には三番目。

つまり損保ジャパン日本興亜としては反転攻勢として、他社からドライバーさんを獲得したいがために「値下げを泣く泣く頑張った」という印象が強い。ただしつこいですが、それでも値下げ幅はわずか0.2%前後。なんとか頑張った損保ですらほぼ現状維持に近い数字ですから、近い将来に他社も自動車保険料の値下げの方向に進んでいくかは微妙。

また今後は消費税10%の値上がりも待ち構えてるのも辛い。一応自動車保険料は消費税は非課税。でも2014年の消費増税にともなって、実は保険料が値上がりした。消費税非課税の自動車保険料が値上げする理由を参照。

ハイブリッドカーが今後も主流であり続ける以上、また自動車の価格が基本的に上がり続けるでしょうから、自動車保険料がぐんぐん値下がりすることは有り得ないはず。良くて現状維持があと4・5年は続けばいいかなーという感じ?