2015年5月24日日曜日

アウディ新型Q3が10万円も値下げしたワケ



アウディ ジャパンは、プレミアムコンパクトSUV「Q3」「RS Q3」の装備、仕様を一部変更して、5月21日に発売する。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150512_701477.html
アウディのコンパクトSUV・Q3が先日一部改良。グリル周りがカッコ良く進化。ただ注目はエントリーグレード「1.4 TFSI」の価格が390万円から今回で379万円まで値下げ!

「え?アウディも値下げでお買い得に?」と驚いたんですが、実はちょっと違う。



1.4 TFSI Sportというグレードを新設

何故なら新たに「1.4 TFSI Sport」というグレードが新設された。この価格が396万円。

つまり旧型のエントリーグレードの390万円だったので、実質的にはこの「1.4 TFSI Sport」が新たなエントリーグレードという解釈も可能。そう考えると390万円からおよそ6万円ほどアップしてる計算。

1.4 TFSI Sportとの違い

じゃあ「1.4 TFSI」と「1.4 TFSI Sport」にどんな装備の違いがあるのか?新型Q3のカタログを参考にしつつ比較してみました。

左が1.4 TFSI 右が1.4 TFSI Sport
まずはホイール。どちらもアルミホイールですが若干デザインが異なる。1.4 TFSI Sportの方が「2.0 TFSI」にも標準装備されるなど凝ったデザイン。

左が1.4 TFSI 右が1.4 TFSI Sport
そしてシート。見た目に大きな違いはなさそうですが、1.4 TFSI Sportの方がクッション性がいかにも高そうだから座り心地が良さそう。

左が1.4 TFSI 右が1.4 TFSI Sport
シートの表皮も異なる。手が込んでるほど触り心地も良かったりする。

上が1.4 TFSI 下が1.4 TFSI Sport
ステアリングのデザインも結構異なる。他にもサスペンションを走行状況に合わせてコントロールできる機能をオプションで購入できる。

一言でまとめると、1.4 TFSI Sportの装備品は「2.0 TFSI」にほぼ近いグレード。両者の価格差は18万円程度ですが、その違いをどう考えるか。だから新グレード「1.4 TFSI Sport」は良い意味でいやらしいグレード設定になってます。

Q3全体では価格アップ

だから実は1.4 TFSI以外のグレードを見てみると大幅な値上がりになってます。

例えば「2.0 TFSI quattro 180PS」だと446万円から469万円(23万円の値上がり)。「2.0 TFSI quattro 220PS」も518万円から539万円(21万円の値上がり)

「RS Q3」に至っては732万円から771万円(42万円の値上がり)

Audi・Q3はコンパクトSUVというジャンルなので、国産車と比較するとホンダ・ヴェゼルやマツダ・CX-3、スバル・XVあたり。Q3の全長が最大4410mmに対して、XVの全長が4450mm。Q3の全高が1595mmに対して、ヴェゼルが1605mm。だからさすがにちょっと考えてしまいがち。

スペックや燃費性能もアップ

でも価格上昇に対して、一方ではエンジンスペックや燃費性能が上昇してる。

例えば、「2.0 TFSI quattro 180PS」は170馬力から180馬力(132kW/4000-6200rpm)。最大トルクは250Nm(25.5kgm)/1500-3500rpmに拡大。燃費がリッター15.0キロ。「2.0 TFSI quattro 220PS」は211馬力から220馬力(162kW/4500-6200rpm)。最大トルクは350Nm(35.7kgm)/1500-4400rpmに拡大。燃費がリッター14.9キロ。

燃費は旧型モデルより18%ほど向上してる。ちなみにグレード名には前々から馬力数が載ってたので、グレード名が変化してます。前は「2.0 TFSI quattro 170PS」とかだった。

そして「RS Q3」に搭載される2.5リッター直噴ターボエンジンも性能アップ。最高出力250kW(340PS)/5300-6800rpm、最大トルクが450Nm(45.9kgm)/1600-5300rpm。

なんと0-100km/h加速では従来から0.7秒近くも短縮化して4.8秒。5秒を切ってきた。これはポルシェのマカンターボと全く同じ。それでいて燃費がリッター13キロはすごい!の一言。スピードと燃費を両立できるということに驚き。まさにAudiの技術力の高さを誇示してくれてる。

もちろん700万円800万円をポンと支払える人も少ないと思いますが、国産車の価格も全体的に上昇してる現状、無理してでも買わせたいと思わせるSUVに仕上がってる感じ。