http://www.zenkeijikyo.or.jp/statistics/sokuhou/1504sokuhou4.htm |
スズキを分析すると、ハスラー効果で下げ止まってる感がある。なんとN-BOXについでの2位で1万台超え。発売から一年以上経った今も、安定して8000~1万台を安定して稼いでくれてるのが強い。
昨年2014年4月から消費税が増税された。だから、何故増税された直後の昨年4月の新車台数より、消費増税から1年も経った今年の方が何割も落ち込んでるのか?という疑問がわきます。そこでその理由を考察してみた。
駆け込み需要が納期を遅らせた
昨年は消費増税があったということは、それに伴う駆け込み需要・駆け込み買いがあったということ。でも、その駆け込み需要があまりに急激で、新車の製造が間に合わずに納期もズレにズレまくった。トヨタのハイブリッドハリアーも納期は1年先とか話題になってましたが、ほとんどのメーカーで殆どの車種で、本来だったら3月末までに間に合ってた納車も4月5月と納期が遅れた。
だから結果的に、4月の新車販売としてはそこまで落ち込みを見せなかった。具体的には2014年4月はスズキが53077台、ダイハツが50103台。更に前年にさかのぼってみてみると、2013年4月はスズキが47527台、ダイハツが51740台ですから、むしろスズキに至ってはハスラー効果で販売を伸ばしてるほど。
ホンダは2013年から徐々に販売台数を下げてますが、ちょうどN-ONEやN-WGNを投入した直後だったので、その新車バブルが一服してると考えるのが妥当かな。
自社登録という悲哀
あとよく言われがちなのが、自社登録。ランキングで他社に負けないため、ディーラーさんが新車を登録して、後から中古車として販売するというアレ。まさにメーカー同士のプライド・メンツの戦い!中古車店には「新古車」がよく販売されてますが、大体そういう流れから巡ってきたやつ。つまり、現状においてはほぼ新車に近い中古車があふれてる。最近オートバックスなどの広告を目にする機会が多い印象ですが、まさに中古車は買い!特に新社会人や大学生におすすめの時期!
まそれは置いとき、特に今年はダイハツがヒドかった気がする。車種別で見るとウェイクは3000台切ってる。タントも8000台と、日産デイズの7400台、スズキ・スペーシアの6200台と悪い意味で肉薄。
先日、世界の新車販売台数でトヨタがフォルクスワーゲンに追いぬかれた記事でも言及しましたが、今年はスズキだけがライバルじゃなかった。軽自動車は国内メインで人気とは言っても、しっかり世界新車販売に加算される。そこでトヨタに貢献しなきゃいけないプレッシャーが強かったんじゃないかなーと。
冒頭でダイハツは前月比マイナス60%と書きましたが、2015年3月の具体的な販売台数を見てみると89195台。この台数がどれだけすごいかというと、消費増税直前の駆け込み需要で賑わった2014年3月の販売台数90973台(過去最高)に迫る勢い。
2013年3月は77595台ですから、やはり先月の急激な落ち込みっぷりを見ると、89000台という台数は自社登録を相当無理した上での数字だったんだろうなー…という自分の予想は正しかった。
一方HONDA。2月に行われたマイナーチェンジ効果でN-BOXはまだまだブイブイ売れてる。前述の通り、車種別では1位。ただホンダ全体ではダイハツ以上に前月比では落ち込んでる。それでも昨年の前年同月比ではマイナス15%程度とまずまずの健闘して、下落幅はスズキと変わりません。おそらくS660が1413台と、N-ONEより売れてる効果か。
日産自動車も数字としては厳しくて、やはりデイズ(ルークス含みますが)一本だけだと辛い。モコは自社生産に切り替えるということらしいので、そのいち早い登場を待ちたいところ。
まとめ
これらの要因が重なって、2015年4月は近年稀に見る新車販売減が起きたというカラクリ。一方、アメリカの新車販売は好調らしく、その理由が自動車ローンの金利の低さ。日本でも車体価格を下げることより、自動車ローンの金利のあり方を考えた方が早いかも。既に残価設定型クレジットとかもありますが。でもダイハツはアイサイト並に進化させたスマートアシストを販売したので、今後は一応盛り返すとは思いますが。スズキもカメラ付きの自動ブレーキを搭載するという情報もあって、今年も新車販売はますます苛烈になっていくことでしょう。
ちなみに普通車も目も当てられません。日本自動車販売協会連合会の発表では、4月は一万台を超えたのがアクアだけ。
ただエスクァイアが7500台でフィットの8300台に迫ってたり、トヨタ系のミニバン車は地味に安定して売れてる。フルモデルチェンジしたホンダ・ステップワゴンも順調に販売を伸ばしてたり、そろそろトヨタ・シエンタのフルモデルチェンジもあるし、ミニバン車は終わった終わったと言われがちですが、実はまだまだ人気。