2017年6月5日月曜日

【2018】プリウスPHV vs アウトランダーPHEV 徹底比較まとめ【どっちがおすすめ?】



最近はプラグインハイブリッド車(通称PHEVやPHV)が人気

プラグインハイブリッドカーは電気モーターで走行する仕組みはEVと変わらないものの、ガソリンエンジンで発電 or 走行してくれる代物。まだまだ充電スポットが充実していない中、EVよりも使い勝手が良い。

例えば、BMWやメルセデスベンツ、ポルシェ、フェラーリといった高級輸入車メーカーもPHV市場にこぞって参戦してきてます。

そこで今回は代表的な国産プラグインハイブリッド車の「トヨタ・プリウスPHVと三菱自動車・アウトランダーPHEV」同士を徹底的に比較してみたいと思います。

前者はプリウスがベース。後者はアウトランダーがベース。この違いが走りや燃費にどう影響を与えているのか?果たして、どっちがプラグインハイブリッド車として優秀なのか?
 
どうしても高価なジャンルではありますが補助金制度もあるので、是非ご購入の参考に使ってください。



見た目やエクステリアの違いを比較


まずは「内外装」の違いから簡単に比較したいと思います。

トヨタ・プリウスPHV 三菱自・アウトランダーPHEV 比較画像
上:トヨタ・プリウスPHV 下:三菱自・アウトランダーPHEV
改めて比較画像を見ておくと、どっちもデザインの質感的にはあまり変わらないと思います。

外観や見た目は人それぞれの好みがあるため、敢えて良し悪しは判断しませんが、むしろプリウスPHVもアウトランダーPHEVも、フロントマスクは若干似ている雰囲気すらあります。

とはいえ、やはり全体から受ける印象は全く異なります。この最たる理由はやはり「車体サイズの違い」かも知れない。

そこで車体サイズを比較しておくと、プリウスPHVのスペックは4645×1760×1470mm(全長×全幅×全高)。一方、アウトランダーPHEVのスペックは4695×1800×1710mm(全長×全幅×全高)。全長と全幅こそ大差ありませんが、全高は約30cmほどアウトランダーの方が高い。

プリウスPHV アウトランダーPHEV 車体サイズ 比較写真
driver6月号 撮影 佐藤正巳 八重洲出版
そこで両者のサイズ感を並べて比較すると、アウトランダーPHEVとプリウスPHVの違いは顕著。

どっちもベース車両は「Cセグメント」にカテゴライズされるものの、プリウスPHVはあくまでハッチバックセダン車であるのに対して、アウトランダーPHEVはこれぞSUVといった雰囲気です。

内装の質感はプリウスPHVがおすすめ


続いては「内装」の質感を比較したいと思います。

どっちもプラグインハイブリッド車ということで価格帯は割高。

プリウスPHVの価格帯は326万~422万円に対して、アウトランダーPHEVの価格帯は365万~479万円。だから敢えて比較すると、アウトランダーPHEVが全体的に更に割高傾向にあるらしい。

じゃあ価格相応に内装の質感に違いが出てくるのか?

プリウスPHV アウトランダーPHEV 内装インパネの比較
上:プリウスPHV 下:アウトランダーPHEV
ただ結論から書くと、プリウスPHVの内装の方が質感は高い印象を受けます。

どっちもベース車両から大きく質感は変わらないものの、プリウスPHVのインパネ中央に鎮座する巨大な縦長液晶モニターはややもすると近未来的。電力を多く溜めるプラグインハイブリッド車らしい演出ではあります。

もちろんプリウスPHVとノーマルプリウスの内装と大して変わらんという意見もありそうですが、それでもアウトランダーPHEVの内装は正直「欲しい」とは思わない。この内装に400万円も出せるかというと微妙。

三菱自動車もさすがにもう少し頑張れるんじゃね?と思ったのは内緒。新型アウトランダーPHEVは次のフルモデルチェンジまで待たないと、質感の点では期待できないままかも。

【プリウス】室内や荷室の広さ・大きさを比較【アウトランダー】


内装の質感を比べたので、続いては「室内荷室の大きさや広さ」を比較したいと思います。

driver6月号 佐藤正巳 八重洲出版
結論から書くと、三菱自・アウトランダーPHEVの方が室内空間や荷室空間は大きめです。

先程のdriverさんの比較写真を見たら一目瞭然ですが、プリウスPHVは全高がかなり低い。つまり、その分だけプリウスPHVは室内空間が犠牲になってる。逆に言うと、アウトランダーPHEVの室内空間の方が広い。

またアウトランダーPHEVはシートアレンジも豊富。

やはりアウトドアを意識したSUVだけあって、荷室の大きさや使い勝手でもおすすめな印象。特にプリウスPHVはバッテリー搭載分だけ荷室床面も高くなり、ノーマルプリウスの荷室容量よりも減少してるのが痛い。

他にも、アウトランダーPHEVには廉価グレード以外には電動開閉リアゲートも標準装備というのが嬉しい機能。アウトランダーPHEVは全高が高いからと言って、背の小さいママさんでも十分使えるはず。

内装の質感などではややイマイチさもありますが、全体的な使い勝手の良さはアウトランダーPHEVに軍配が上がります。

走りや動力性能ならアウトランダーPHEVがおすすめ


続いては「走り」を比較したいと思います。プリウスPHVもアウトランダーPHEVも同じプラグインハイブリッド車。果たして走りや動力性能に違いは出てくるんでしょうか?

結論から書くと、動力性能はアウトランダーPHEVの圧勝レベル。

何故なら同じプラグインハイブリッド車でも、実は両者で仕組みが異なるから。具体的に言うと、アウトランダーPHEVは常時2個の大出力モーターを使って走行するのに対して、プリウスPHVは基本的に1モーターで走行してる。

もちろんプリウスPHVは先代モデルから改良されて、発電用モーターも一時的に駆動用として使用できるように進化したものの、素人目で考えても電気モーターの数の違いが走りに差が出ることは明白。

ちなみにアウトランダーPHEVには発電用モーターも搭載されてるので、合計3モーターを搭載してることに。

だからアウトランダーPHEVは車重1900kgと超重量級ではあっても、加速感は至ってパワフル。しかも車高が高いSUVだから大容量バッテリーを床下に配置できる。結果、前後重量バランスが最適化されて走行安定性にも寄与

○アウトランダーPHEVは独自の4WDシステムも優秀


またアウトランダーPHEVは三菱自動車が誇るフルタイム4WDシステム「S-AWC」も相まって、走破性という点でもプリウスPHVを凌駕。ペダル一つで速度を柔軟に加減速できる的確性も、クルマ好きから運転が苦手な方でも楽しい走りを提供してくれるはず。

見晴らしの良さという点でもアウトランダーPHEVがおすすめ。やはり後述する燃費性能を意識したデザインのプリウスPHVは後方視界性などが最悪。一方、背高SUVのアウトランダーはドライバーのアイポイントが高いので遠くまで見晴らせる。

もちろんアウトランダーも完璧ではなく、価格帯を考えたら乗り心地はヒドい。プリウスPHVもノーマルプリウスより加速感は胸がすくような気持ち良さがあり、市街地での取り回し性能でもプリウスPHVの方が優れてる。

ただそれでも全体的な走りそのものの良さや質感は、アウトランダーPHEVに軍配が上がると評価していいはずです。

【比較】実燃費やEV走行可能距離ではどっちが優秀か?


続いては「燃費性能」を比較したいと思います。同じプラグインハイブリッド車とはいえ走りでは意外と違いが出ましたが、アウトランダーPHEVとプリウスPHVとでは実燃費でも差が現れるんでしょうか?

プリウスPHV アウトランダーPHEV 実燃費の比較
カートップ6月号 交通タイムス社
結論から書くと、プリウスPHVの方が燃費性能は高いです。画像には()内にEV走行距離も記載されてますが、その数字で比較した方がよりプラグインハイブリッド車としての実力が分かるかも知れない。

つまり、どれだけ電気モーターのみで走行できるのか?ってこと。

これがプリウスPHVのEV走行距離が約60kmだったのに対して、アウトランダーPHEVは50kmちょいだった。他の自動車雑誌さんの比較記事を確かめても、プリウスPHVとアウトランダーPHEVとではEV走行距離に4~10km程度の違いが見られました。

やはり、どうしても車重差などは無視できない模様。

また当たり前ですが、「車体そのものの空力性能」も燃費性能に違いが出てくる。やはり長距離ドライブした際にはバッテリーがゼロになることもしばしば。その後は車重や空気抵抗の違いなど「クルマとしての基本性能の差」が更に如実に現れるということ。

そのため元々燃費に特化させたプリウスがベース車両のプリウスPHVが燃費性能に優れるという結果になります。

またプリウスPHVにはソーラーパネルもオプション設定で用意されているので、こういった些細な発電アイテムも燃費性能の良さに寄与しそう。元が取れるかというとかなり厳しいものもありますが(^_^;)

ちなみに余談ですが、プラグインハイブリッド車の燃費・電費を増やすコツとしては、逆にガソリンを満タンに入れないことらしい。

遠出する場合ではやや不安になりますが、確かにガソリンでも満タンにいれたら50kg60kgという重量になる。日常生活で使う分だったら、バッテリー充電のみで走行すればかなり節約になることもうなずけます。

自動ブレーキの比較ではどっちがおすすめ?


ラストは「自動ブレーキ」の性能の比較。

プリウスPHVは「トヨタセーフティセンスP」、アウトランダーPHEVは「e-Assist」をほぼ標準搭載(廉価グレード除く)。前者はミリ波レーダー+単眼カメラ、後者は赤外線レーザー+単眼カメラ。果たして性能差はあるんでしょうか?

結論から書くと、プリウスPHVの自動ブレーキの方がおすすめです。やはり赤外線レーザーとミリ波レーダーの性能差が、そのまま自動ブレーキとしての差に繋がってる感じです。

車線逸脱機能だとアウトランダーPHEVは警報のみに対して、プリウスPHVはしっかりハンドル制御まで行ってくれる。またオートマチックハイビームに関しても、プリウスPHVはヘッドライトの配光が細く設定可能。

アウトランダーPHEVのように単純にハイローの切り替えるのではなく、前方車両や対向車にのみライトを当てないといった先進的なことが可能
とはいえアウトランダーPHEVの自動ブレーキがそこまで劣ってるわけでもありません。自動ブレーキは対停止物に対しては自車速が5~80km/h、対歩行者に対しては自車速が5~65km/hとまずまずの性能。

他にもACC(追従クルーズコントロール)や車線逸脱警報、対歩行者に対する自動ブレーキ、オートマチックハイビームといった諸々の機能がアウトランダーPHEVにも搭載されています。ACCは時速40km/h未満でも作動し、車間範囲は3段階で設定可能とまずまず。

プリウスPHVとアウトランダーPHEVの評価・評判・口コミまとめ


以上、プリウスPHVとアウトランダーPHEVの比較でした。同じプラグインハイブリッド車だから燃費性能や維持費ではお得とはいえ、見た目と同様に中身が意外と違いも多かった両者でした。

結論をまとめると、プリウスPHVはまさに燃費性能に特化させたエコモデル。価格がアウトランダーPHEVより安価な点もおすすめ。またスマホアプリで充電状況を把握できるなど、先進的な装備やアイテムが搭載できるのも魅力的。内装の質感も素晴らしい。

逆に、アウトランダーPHEVはまさに走りに特化させてるスポーティーモデルといったところ。

まさに用途はアウトドアまで含めた幅広い使い勝手の良さで有利。パワフルな走行性能も含めて、どういったシーンでも使えるSUVらしい万能性も魅力。そう考えたら、プリウスPHVより割高な価格設定も許容できそうな気もします。

そのため自分がどこまでの性能をプラグインハイブリッドに求めるのか、燃費性能以外の付加価値をどこまで求めるのかなどを考えると、自ずとプリウスPHVかアウトランダーPHEVかクルマ選びの結論が出るはずです。

ちなみに【比較】プリウスPHV vs ゴルフGTE【比較】アウトランダーPHEV vs CX-5【車種比較】アウトランダーPHEV vs CX-8【最新】新型アウトランダーPHEV フルモデルチェンジ情報まとめなどもご参照ください。