このXVのベースとなる新型インプレッサは先駆けてフルモデルチェンジしましたが、割りと新車販売は未だに好調。きっとXVもインプレッサに続くに違いn…と思ったら、既にXVの受注状況は好調らしい。
ただ新車販売でさら好調なSUVが「トヨタ・C-HR」。かなり奇抜な見た目はしているものの、その割り切った商品性がウケたのか2017年4月の新車販売ではプリウスやアクアなどを追い抜いて一位に輝きました。異例中の異例。
そこで今回はスバル新型XVとトヨタ新型C-HRを徹底的に比較したいと思います。価格的にも両者は競合すると思いますので、XVとC-HRで迷っている方は是非参考にしてください。果たしてどっちがお買い得なのか?おすすめなのでしょうか?
XVとC-HRの見た目の違いを比べてみる
まずはXVとC-HRの「内外装」を比較したいと思います。
左:XV、右:C-HR |
XVが質実剛健なクロスオーバー車だとしたら、C-HRはポップな都会派SUVといったところ。C-HRはドアミラーの足元にイルミネーションを光らせる近未来的な演出も施されていて、遊びゴコロという点ではXVに勝るか。
逆に、C-HRは割りとSUVテイストなデザインをしてるかと思ったんですが、しっかり車高が高いXVと並べて比較したら「なんちゃって感」は際立つかも。言ってしまうと、C-HRはややもすると普通車。実際、最低地上高はXVの方が5cmほど高く、また全長は10cmほどC-HRよりも長い模様。
とはいえ、どっちがおすすめかは感性によるところが大きいので、結論は割愛したいt思います。強いて比較する部分があるとしたら、視界性や乗り心地といった実用性の部分か。それらについては後述。
内装の質感はどっちもおすすめ
続いては「内装やインパネ周り」を比較したいと思います。果たしてどっちの質感が高いのか?
上:XV、下:C-HR |
XVの内装デザインはややもするとオーソドックスで面白味はないものの、落ち着いたデザインはまさに「大人向けの質感」。
ソフトパッドが素材として多用されているため触り心地も上質。差し色のオレンジステッチも心憎いか。穴開きペダルもスポーティー。またメータ類も視認性に優れているなど実用性も問題なし。
一方、C-HRの内装は光沢感のあるピアノブラック調のパネルは高級感を漂わせる。画像だと少し分かりづらいですが、ドライバー側に傾けたパネル類も操作性は抜群。逆にインパネ全体は水平基調のデザインをしているため、まさにギャップ感。
やはりコチラの比較でも「好み」による部分が多いと思うので、結論としてはどっちも素晴らしい内装。見れば見るほど買いたくなっちゃいます。新型XVも新型C-HRの売れ筋価格帯は200万円台半ばなので、そのクラス以上の質感が担保されている気がします。
室内の広さは新型XVに軍配
内装面をチェックしたので、続いては室内そのものの広さを比較したいと思います。全長は新型XVが10cmほど長いことがどう室内の大きさに影響してくるのか。
ベストカー6月10日号 小宮岩男 講談社 |
ベストカーさんの比較画像だと少し分かりづらいですが、XVがC-HRよりもニースペースは拳一個分ぐらいの余裕があります。新型XVは今回のフルモデルチェンジで後席頭上空間は先代比較で+10mm、ヒザ周りの空間は+26mm拡大してることが大きそう。
更にC-HRは頭上空間に乏しく、特にサイドウィンドウがかなり小さい。そのため同乗者の圧迫感が割りと凄まじい。またC-HRはドアそのものも小さいため、乗降性という点でもXVより見劣りしてしまう。
だから居住性や快適性など総合的に比較判断しても、やはりXVが室内空間では勝ると評価していいはず。ただシートの座り心地はC-HRがゆったり感があり、XVよりもくつろげる模様。XVのシート高がやや低いので、長身男性だとヘッドレストの高さも含めてやや気になるかも知れません。
荷室の広さもXVに軍配
続いて荷室ラゲッジスペースを比較したいと思います。室内の広さはXVが勝ってましたが、それは荷室の比較でも同じことが言えるんでしょうか?
driver6月号 山内潤也 八重洲出版 |
数字だけで比較しても、XVの荷室容量が通常で385Lに対して、C-HRは318Lしかない。やはりトヨタC-HRは奇抜なデザインをしてることで、見た目からも数字からも「実用性」の面で犠牲になってることが伺えます。
荷室奥行きこそ両者の差は数cmの違いしかありませんが、荷室幅や荷室高でも10~20cmほどXVがC-HRより広い。他にも荷室開口部の大きさやサブトランクの有無など総合的に比較しても、やはりXVに軍配があがると言えます。
とはいえC-HRの荷室容量が「日常生活で使う分でめっちゃめっちゃ困るほど小さい」ということではありませんが。
走りの質感は新型XVがおすすめ
続いては「走り」について比較したいと思います。どっちも走りの評判が良く、また剛性感の高いプラットフォームをそれぞれ採用してる。XVは「SGP」に対して、C-HRは「TNGA」。果たしてXVとC-HRはどっちが優れているのか?
結論から書くと、走りはXVが優れてると評価して良さそう。
ざっくりとまとめると「プラットフォームの違い」がそのまま走りの差として現れている模様。C-HRも車体剛性は高いものの、それを楽々と超えてくるのがXV。「SGP(XV)がTNGA(C-HR)よりワンランク上」と豪語する比較記事もありました。
例えばC-HRは優秀なザックス製のダンパーを採用してるので、路面からの細かい凸凹感をしっかりしなやかに吸収してくれる。でも、逆に言えばそれだけ。
一方、XVは路面状況に関わらずしなやかに衝撃を吸収し、サスペンションがフルに動くコーナーなどで最大の進化を発揮。XVはスタビライザーが前後に直付けされているので車体のロール感も半減しているなど、最低地上高が200mmもあるSUVらしからぬフットワークの軽さは「走る楽しみ」を与えてくれる。
○加速性能はC-HRハイブリッドに軍配が上がるが…
動力性能の比較では、XVの2.0Lエンジンが優秀。続いて加速力の強さ順はC-HRのハイブリッド、そしてC-HRのターボ≒XVの1.6Lエンジンと続きます。
XVの2.0Lエンジンは低回転域のトルク感が増したことで、先代XVと比較しても走りに厚みがまして加速感は力強い。吹き上がりも洗練されていて、ついアクセルを踏み込むのが楽しくなるほど。またNAエンジンだからこそ回転数が増えるほど、加速感も心地よく伸びる。
逆にC-HRは町中での加速感はパワフルそのものですが、フラットトルク型のダウンサイジングターボであるため5000rpm程度で回転数が頭打ちになり、どうしても高速域からの伸びが弱い。出足の加速性能こそ落ちるものの、XVの1.6Lエンジンは全体の走りとしてはC-HRの1.2Lターボとあまり大差ないか。
そして新型XVに標準搭載されてる「X-MODE」の走破性がピカイチ。とにかくタイヤが空転しない。サマータイヤでもドロドロの雪道を駆け抜けることが可能。フォレスターに既に採用されてるだけあって信頼度も高い。
○静粛性でもXVがおすすめ
また静粛性の比較でも、XVに軍配が上がります。
SGPと呼ばれる車体剛性の高いプラットフォームが奏功。C-HRも車体剛性は高く、決して巡航中もウルサイレベルではないものの、XVは時速80km/hを超えても60dB台を維持するクオリティーの高さを維持してる。数字上も体感上もXVの静粛性は顕著に優れているのかも知れない。
XVは操舵性も群を抜くレベルでC-HRを圧倒。どの比較記事を読んでも、基本的に「XVの方が優秀」といった評価が目立ちます。ということでC-HRの走りが決して劣るわけではありませんが、敢えて比較した場合はXVがおすすめ。
燃費性能は文句なくC-HRがおすすめ
続いては燃費性能の比較。XVとC-HRはどっちが実燃費に優れてるのか。
結論から書くと、実燃費はC-HRの方が優れてます。C-HRターボのカタログ燃費とスバル・XVのカタログ燃費は16km/L前後とほぼ同等ですが、自動車雑誌さんの比較記事を読むと若干C-HRの方が低燃費。
またC-HRには売れ筋のハイブリッドモデルも用意されてる。2WDだけあって実燃費の良さは言うまでもないと思いますが、C-HRハイブリッドの平均燃費は20km/L前後を超えるか。特にベース車両であるインプレッサと違って、XVは4WDオンリーということも実燃費では圧倒的に不利。
正直、実燃費や維持費の面ではXVはC-HRと勝負にならない気がします。ということで燃費性能はC-HRに軍配を上げたいと思います。
価格帯の違いはあるようでない?
続いては価格帯の違い。
どっちが割高なのかというと、C-HRの方がやや割高。価格帯はXVの2.0Lモデルとほぼ同じぐらい。つまりは1.6LモデルのXVはC-HRよりも数十万円程度お安め。だから結果的にXVの方がやや割安。
ただ新型インプレッサの売れ筋グレードを確認すると、ほとんどのインプ乗りの方は2.0Lモデルを選択してる模様。前述した走りの良さも考慮すると、XVも同様に2.0Lモデルが基本的に売れ筋になるはず。
ということで、XVとC-HRで競合させる時にあまり両者の価格差は気にしなくていいと思います。
自動ブレーキや安全性能はXVがおすすめ
ラストは自動ブレーキの違い。XVはステレオカメラタイプの「アイサイト3」を標準搭載し、C-HRはミリ波レーダー+単眼カメラタイプの「セーフティーセンスP」が標準搭載されています。果たしてどっちが優秀なのか?
結論から書くと、やはりアイサイト3を搭載したXVがおすすめ。機能の種類で大きな違いはないんですが、一つ一つの性能差はEyeSightの方が上回る。スバルの方向性は更に先に自動運転を見据えてるのに対して、トヨタはあくまで自動ブレーキの範疇に留まっている差も大きいか。
他にもXVには歩行者エアバッグが搭載されているなど、総合的な安全性能でもC-HRを上回っていると思います。ただ国産車全体で考えると、一応C-HRのセーフティーセンスPは性能的にそこそこ優秀なレベルに入るのでご安心を。
スバル新型XVとトヨタ新型C-HRの比較評価・口コミ評判まとめ
以上、スバル新型XVとトヨタ新型C-HRの比較記事でした。
XVの中身はかなり硬派なSUVに仕上がってて、走破性やハンドリング性能はBセグメントSUVの中では「トップ」と評価していいか。でも、だからこそ街乗りでそこまでのクオリティーの高さを求める必要があるのか?とも言えます。
C-HRは街中のオンロードで使う分には必要十分の走りを体現してくれる上、ハイブリッドモデルは燃費性能にも優れてる。どちらも価格帯はそこそこする車両ですから、維持費の面で有利に働くのは捨てがたい。そしてC-HRは何よりの魅力は唯一無二のデザイン性は魅力的。
個人的にどっちがおすすめと結論付けるのは難しいですが、XVもC-HRも方向性はかなり割り切ってる分、消費者目線で考えたら選びやすいコンパクトSUV(商品)とは言えます。色々とアレコレと考えながら買い物を楽しめばいいのかな、と思います。
ちなみに【比較】C-HR vs CX-3や【比較】C-HR vs ヴェゼル、【比較】XV vs CX-3、【比較】XV vs ヴェゼル、【比較】XV vs インプレッサ、【比較】XV vs エクストレイルなども良ければ参照。