ダウンサイジングターボとはその名の通り、同じ排気量でも加速力に優れたエンジンのこと。
ただ日産ノートに代表されるように「スーパーチャージャー」というエンジンも世の中には存在する。
特に海外の輸入車はターボエンジンではなく、スーパーチャージャーを搭載していることが多い印象。最近だとヤリスGRMN(ヴィッツ)にスーパーチャージャが設定される予定。
じゃあ、ターボエンジンとスーパーチャージャーに何か違いはあるのか?結論から書くと、やはり名称が違っているだけあって仕組みや構造が異なります。そこで今回は簡単に両者の違いを解説してみました。
空気を圧縮する点では同じだが…
まず「エンジンの仕組み」を解説。
エンジンのパワフルさは、基本的に「燃焼させる空気の量」によって違いが出てきます。空気がないと物理的に燃えない。排気量(cc)とは空気の量そのものであり、その量が増えるほどガソリン燃料も多く燃焼させられる。
もちろん空気を溜めておくにはエンジンにスペースが必要。でも車体の大きさは知れているため、むやみやたらにエンジンを大きく設計する訳にはいかない。でも、この問題を解消する方法が「空気の圧縮」。
具体的にはコンプレッサーを使って空気の体積を圧縮することで、エンジンに大きなスペースを必要としない。だから車体が小さい小排気量の自動車でも、コンプレッサーで圧縮すれば基準以上のパワフルな加速感を得ることができる。
この空気を圧縮する仕組みではターボエンジンもスーパーチャージャーのどちらも同じになります。
違うのは「過給の仕組み」が異なる
でもターボエンジンとスーパーチャージャーとでは「過給(圧縮した空気を送る)の仕組み」が異なる。
具体的にはターボエンジンの構造は「排気ガス」の排出力を利用しているのに対して、一方のスーパーチャージャーの構造は「エンジン」の軸出力を利用してる。
つまり、コンプレッサーを使用するために「排ガス」を使っているか「機械」を使っているかによって、ターボエンジンかスーパーチャージャーかに大別できるということ。
じゃあ、どちらがエンジンとして優れているか?
結論から書くと、実はターボエンジンよりスーパーチャージャーの方がレスポンスに優れているらしい。また装着のしやすさという点でもターボエンジンを上回るとか。つまり、スーパーチャージャーの方が優秀らしい。
スーパーチャージャーは「過給エンジン」の総称
ちなみに「ターボエンジン」も「スーパーチャージャー」も正確な名称ではないらしい。
例えばターボエンジンの正式名称は正確には「ターボチャージャーエンジン」。前述のように排ガスでタービンを回しているスーパーチャージャーだからそう呼ばれるようになった。
一方のスーパーチャージャーは、正確に言うと「メカニカルスーパーチャージャーエンジン」。前述のように機械的な力を使っているスーパーチャージャーだから、そう呼ばれるようになった。
どっちも短縮した略称が一般的に使われ続けた結果、ターボチャージャーエンジンは「ターボエンジン」と呼ばれ、メカニカルスーパーチャージャーエンジンは「スーパーチャージャー」と呼ばれるようになった。
つまり、実は「スーパーチャージャー」とはコンプレッサー(圧縮機)を用いてエンジンに吸入される空気の圧力を高める装置の総称のこと。チャージャーとは「(空気を)詰める」ことそのものであることからも明らかか。
そう考えると、本来はスーパーチャージャーの名称を使うのが筋だと思うんですが、まさに不遇な結末。やはり日本人の感覚としては「ターボエンジン」の名前がしっくり来るということなのか。
ちなみに【自動車雑学】車の寿命一覧まとめや【有名人】芸能人の愛車一覧まとめなども興味があればご参照。どうやら直噴ターボエンジンは普通のエンジンより寿命が短いとか。