例えば、2011年に発生した東日本大震災では愛車が大津波に流されて、かなりの数のクルマが廃車になった。理由はもちろん「自動車のエンジンが水にかかったから」と誰もが推察できるはず。
でも、実は自動車のエンジンそのものに水がかかっても問題ないらしい。確かに言われてみると「なるほど」と納得できる理由が隠されていた。
二輪バイクの「むき出しエンジン」は雨水にかかりまくり
例えば自動車ではなく、「原付バイク」や「カブ」といった二輪バイクを想像してみると分かりやすい。
何故ならクルマと違って、バイクは「エンジンがむき出し状態」になっているから。考えてみると、バイクはエンジンやマフラーが熱くて意外と危険。昔父親が乗っていたバイクのマフラーでヤケドした経験があります。
じゃあ、バイクやスクーターは雨の日は走行できないか?
もちろん、答えはNO。普通であれば、バイクのエンジンに雨がかかる。つまり自動車も同様に、エンジン本体に水がかかったとしても特に故障の原因にはつながらないと感覚的に理解できると思います。
ただ「エンジンルーム内部」に大量の水が入るとやっぱり壊れる
でも自動車で海や川の中を走れば、残念ながら現実にエンジンが故障します。
津波というレアなケースに見舞われなくても、例えばゲリラ豪雨や台風で水没した道路を調子に乗って走って廃車になった人も少なくないか。実際、自動車保険会社のサイトでも「水没の事例」が挙げられていることも多い。
もちろんエンジン本体の表面に水がかかっても蒸発するだけ。
もちろん海水がかかるとエンジン本体が腐食するケースもあるため、一概にバイクのエンジンでも故障しないとは言い切れない。だからこそ自動車はボンネットでエンジン全体が密閉されてもいる。
○マフラーなどからエンジン内部に水が入ってしまう
ただ水の中を自動車で走行してしまうとマフラーの排気口やエアインテークなどから、エンジンルームに水が侵入してしまう。エンジンが排出するの、あくまで排気ガスのみ。水は排出されずに、エンジン内部に溜まったまま腐食して壊れてしまう。
ガソリンエンジンなどは燃料を燃焼させると同時に水も蒸発させてくれそうですが、さすがに大量の水がエンジン内部に侵入してしまうと、燃料そのものが完全燃焼できずにどのみち故障する。
だから水中でも比較的走行可能なSUVやクロスオーバーといった車種は、車高が高いが故にマフラーの吹出口の位置も高い。そのためエンジン内部に水を取り込まずに、空気の吸排気がしっかり行えるから故障しない。
例えば、トヨタ・ランドクルーザーの本格的なSUV車などに至っては、専用に煙突のような給排気筒のアイテムも海外では発売されているとか。いかに自動車エンジンは空気を吸排気する位置が重要であるかが分かります。
電気自動車が水没したら感電するん?
ついでに触れておくと「電気自動車」。普通の自動車が水没するとエンジンが壊れるように、電気自動車は水没すると故障しないのか?
電気自動車は普通のガソリンエンジンと違って、吸排気システムはありません。だから水没しても故障しにくいのか?
答えは、もちろんNO。常識的に考えてもNO。やはり電気自動車の部品パーツはほとんど全てが電子機器類で成立しているため、おそらくEVは自動車の中で一番水に弱い部類に入るかも。
でも、さらに気になるのはEVは水没後に感電しないのか?という疑問。やはり電気自動車は高電圧バッテリーを搭載しており、下手したら死亡してしまう恐れもありそう。
でも各自動車メーカーはもちろん「感電対策」を行ってる。今のところ、日本国内でEVやHEVに関する大きな重大な感電事故が発生してないことからも分かるように、再びエンジンを始動させない限りは比較的安心と言えるでしょう。
ちなみに【課題】電気自動車の普及の壁とは?なども興味があればご覧ください。
やっぱり自動車のエンジンは水に弱い
ということで結論をまとめると、自動車のエンジンは「水に弱い」と考えて問題なさそうです。
エンジン本体に水がかかった程度で修理する必要はないもののの、エンジンルーム全体が水に浸かったり、エンジン内部に水を吸い込んでしまうとやっぱり交換などの対応が必要になってきます。
つまりゲリラ豪雨や台風、津波で車が大量の水に浸かってしまうと、基本的に廃車コースへGO。
ちなみに車情報サイト「カーギーク」の【車雑学】商用バンがムダに最速すぎる理由や【車雑学】スタックから華麗に脱出する方法、【車雑学】ハンズフリーフォン通話は違法か?、【有名人】YouTuberの愛車一覧まとめなども興味があればご覧ください。