2016年11月1日火曜日

【プロパイロット】日産新型セレナ 自動運転で実燃費は悪化するか?【検証】



つい先日「新型セレナ VS ステップワゴン」「新型セレナ VS ノア・ヴォクシー」を比較したばかりですが、その比較記事であまり言及できなかったのが「新型セレナの実燃費」に関する情報。新型セレナといえば自動運転システム「プロパイロット」

そこで気になるのが「自分で運転した場合」と「自動で運転してもらった場合」とでは、果たして実燃費に差が生まれるのか?という疑問。

そこで我らがニューモデルマガジンXさんが日産セレナの実燃費を検証してくれてました。果たしてプロパイロット(自動運転)をONにするかOFFにするかで実燃費に影響してくるんでしょうか?



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セレナハイウェイスターGで実燃費を計測


ちなみに新型セレナに自動運転が設定されるのはハイウェイスター(カスタム系グレード)のみらしく、検証したグレードは「セレナハイウェイスターG」とのこと。

マイルドハイブリッドを搭載したモデルで、エンジンスペックは最高出力が152PS、最大トルクが20.4kgm。カタログ燃費は16.6km/L。セレナハイウェイスターGの車重は1700kgと5ナンバーミニバン車としてはやや重めとなっています。その点も含めて実燃費にどう影響するのか。


高速燃費はカタログ値を超えることも?


まずは高速燃費。走行距離は150km程度。1名乗車でエコモードとエアコンをONにした状態から「自動運転(プロパイロット)で走行したケース」と「してないケース」の2パターンで実燃費を計測されています。

結論から書くと、プロパイロット(自動運転システム)をONした状態での実燃費はなんと16.2km/Lだそう。セレナハイウェイスターのカタログ燃費が16.6km/Lですから、ほぼカタログ通りの実燃費と優秀です。

逆にプロパイロット(自動運転システム)をONした状態での実燃費はどうなのか?つまりドライバーが自分で運転した場合の実燃費は16.1km/L。フツーに誤差の範囲だと思いますが、プロパイロット(自動運転システム)をONにした方が実燃費に優れているという結果になりました。

しかも合計300km走った場合の平均実燃費は満タン給油法だと17.5km/Lという低燃費に。

リアルでは自動運転をON/OFFを織り交ぜて運転することが多いはずですから、それでまさかのカタログ燃費超え。もちろん高速道路をずっと走行するパターンはまずありえませんが、理論上は一回の給油だけで新型セレナは航続距離890kmを走行できる計算。

ちなみにマガジンXさんが新型セレナプロパイロットを試乗した感想としては、細かくハンドルが修正され続けるのは気持ち悪いものの、カーブであっても素直にスムーズに曲がってくれるなど、基本的には長距離ドライブだと間違いなく疲労を緩和してくれるといった評価。冒頭に貼った新型セレナの比較記事でも書いた通りの評判でした。

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市街地燃費はやや落ちるがそれでも自動運転は使える


続いて市街地燃費。距離は一周13kmのコースを何度か回って実燃費を計測されています。様々なパターンで検証されていて合計5周ほど走行したらしい。

結論から書くと合計5周した新型セレナの平均実燃費は13.6km/Lになります。前述のようにセレナハイウェイスターGの車重が1.7トンを超えるので、それを考えたら優秀な部類に入ると言えるでしょう。

ではプロパイロットがONにした状態での新型セレナの実燃費はどうなのか?

結論から書くと、プロパイロット(自動運転)ON+エコモード+エアコンON+アイドリングストップONの状態での実燃費が11.8km/L。平均的な実燃費より、自動運転した場合の実燃費はやや見劣りするカタチ。

設定速度の上限を時速40~60km/Lに設定されてたそうですが、プロパイロット(自動運転システム)は「高速道路上での単一レーンのみ」と日産も言っているように、やはり新型セレナの市街地での挙動はまだまだ改善点が多いということか。

  • エコモード+エアコンON+アイドリングストップON…12.3km/L(画像に記載されてる燃費)
  • エコモード+エアコンON+アイドリングストップOFF…12.0km/L
  • エコモード+エアコンOFF+アイドリングストップON…15.5km/L
  • ノーマルモード+エアコンON+アイドリングストップON…12.7km/L
ちなみに他の条件で測った新型セレナの実燃費を見ておくと、こんな感じになります。だから3番目のエアコンOFF時での実燃費が突出して高かっただけで、実は市街地燃費においても自動運転をONにしようがOFFにしようが燃費には影響しないことが伺えます。

他に注目すべき点があるとしたら、新型セレナハイウェイスターはエコモードで走行しようが、ノーマルモードで走行しようが実燃費面で変わらない点か。セレナに限らずエコモードは各車で用意されていますが実際どこまで効果ってあるんでしょうね。むしろノーマルモードの方が実燃費に優れているという(笑)

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セレナで分かった自動運転は実燃費に影響しない


つまり結論的には、新型セレナの実燃費を見る限りは「自動運転システムは実燃費に影響しにくい」という事実が読み取れます。

微細な挙動を制御できる以上、当然実燃費が悪化するようなめちゃくちゃな動きはしないということ。まあ逆にうがった見方をすると、自動運転に依存したところで特別に良い影響を与える(低燃費に繋がる)わけではないって意味でもありますが…。

来年の今頃にはセレナも本格的にストロングハイブリッド化されてると思うので、本格的なハイブリッドと自動運転が組み合わせた状態で実燃費がどうなるのかも気になるところです。

ただ現状でも新型セレナプロパイロットの価格はお高め。今後どういった価格設定で販売されるのか知りませんが、実際問題としてセレナのような庶民的ミニバンで「ハイブリッド+自動運転」という組み合わせにどこまで需要があるかはやや微妙か。実燃費で元を取ることはまず不可能でしょう(笑)