上 ステップワゴン 下 ヴォクシー |
登場時期を見ておくと、ホンダ・ステップワゴンが2015年4月。ノア・ヴォクシーが2014年1月ですので、年式的にはステップワゴンの方が一年ほど新しいです。そこら辺も加味した上で比較しています。
室内空間やシート周りはどっちが広い?
ステップワゴンもノア・ヴォクシーはどれも車体サイズはほぼ同じ。ステップワゴンの方がホイールベースが40mmほど長く、車高が15mmほど高いぐらい。
一方、室内サイズ(室内長×室内幅×室内高)は、ステップワゴンが3220×1500×1425mmに対して、ノア ヴォクシーが2930×1540×1400mm。ノアヴォクシーの方が短く、ステップワゴンの室内長はトップクラス。
国産車輸入車完全アルバム2016-2017 |
ちなみに右の画像はエスクァイアということで、全席合成皮革なのはご愛嬌。実際のノア ヴォクシー標準モデルは、ここまで高級ではないのであしからず。
一方、三列目シート(下)に関しては、ステップワゴンは背もたれの長さが短め。この理由はステップワゴンは三列目シートが床下に収納できるから。背が高い人が座る場合は、やや心もとないか。三列目シートの厚みはノアヴォクシーと大差はなさそう。
【スポンサーリンク】
荷室の大きさや使い勝手を比較
続いて荷室の大きさ・空間を見てみたいと思います。国産車輸入車完全アルバム2016-2017 |
でも一長一短。ステップワゴンは三列目を折りたたむと床下収納が犠牲になる。でもそのままバックドアの「わくわくゲート」を使って降りることが可能で便利。またそこから荷物を積みこむことも可能。
一方、ノアヴォクシーは出っ張り部分ができるので邪魔で後方視界も悪くなるものの、三列目シートを折りたたんだ状態でも、134L(ハイブリッドでも111L)の床下収納の空間を使えるメリットは大きい。
上 ステップワゴン 下 ノアヴォクシー |
上のステップワゴンは助手席がかなり前まで移動してるんですが、下のノアヴォクシーは助手席はそこまで前に移動してない。でも自転車そのものを見ると、ステップワゴンは真っ直ぐ置いてるのに対して、ノアヴォクは若干斜めってる。
そもそもママチャリとマウンテンバイクという違いもあって、トータルするとそこまで荷室空間は変わらない気がします。
ちなみにノアヴォクシーの二列目シートはチップアップシート(8人乗り)。だから座面を跳ね上げることが可能なので、その分だけ荷室空間を確保できる点は便利。ノアヴォクシーの公式では最大1690mmの荷室空間が確保できるらしい。正直甲乙つけがたいところですが、使い勝手の良さも含めるとノア・ヴォクシーが若干程度勝るかも知れない。
【スポンサーリンク】
開口部や乗り降りのしやすさなど利便性の比較
でも荷室に乗せ降ろしする時に必要なのが開口部。これを比較するとステップワゴンの方に軍配。開口部の地上高がステップワゴン445mmに対して、ノア・ヴォクシーは500mm。5cmほど低い分だけ、ステップワゴンの方が荷物を乗せ降ろししやすい。またステップワゴンのバックドアは半分だけ横開きにできる「わくわくゲート」があるので、荷室の乗せ降ろしという点ではステップワゴンの方が使い勝手が良いと言えるでしょう。
上 ステップワゴン 下 ノア ヴォクシー |
【スポンサーリンク】
自動ブレーキはステップワゴンがおすすめ
最近の自動車に欠かせない予防安全システム・自動ブレーキの違い。
ステップワゴンはミリ波レーダー+単眼カメラを組み合わせた「ホンダセンシング」。ノア ヴォクシーは赤外線レーザー+単眼カメラを組み合わせた「セーフティーセンスC」。結論から書くとステップワゴンに軍配。
まずホンダセンシングは人間を認識できるので、歩行者(対人)相手でも自動的に停止可能。またACC(オートクルーズコントロール)にも対応済み。高速走行時においては自動的にアクセルの加減速、ハンドル制御を行ってくれる。ノアヴォクシーはどちらも無理。次元が一つ違うと言っても構わないでしょう。
この自動ブレーキが標準装備される価格帯を見ても、ステップワゴンは「Gホンダセンシング」が261万円に対して、ノア(ヴォクシー)は「V(G)」は272万円。もちろん細かい装備の違いがあるので簡単に比較できないものの、やはりステップワゴンの方が価格面でも有利。ちなみに売れ筋の「スパーダ ホンダセンシングG」でも284万円。
動力性能・加速感はステップワゴンがおすすめ
ノア ヴォクシーの販売台数を見ると、売れ筋はガソリン車。ヴォクシーだと3000台ほど、ノアだと1000台ほどハイブリッド車よりも人気。価格面がやはりネック。来年以降にステップワゴンにもハイブリッドが追加されるっぽいですが、現時点ではガソリン車同士で比較したいと思います。ステップワゴンは1500cc直4ターボエンジンが搭載。ノア ヴォクシーは2000cc直4NAエンジンが搭載されています。
スペックを見るとステップワゴンは最高出力110kw(150PS)/5500rpm、最大トルクが203Nm(20.7kgm)/1600~5000rpm。ノア・ヴォクシーは最高出力112kw(152PS)/6100rpm、最大トルクが193Nm(19.7kgm)/3800rpm。
排気量が500㏄ほど違うので、一見するとステップワゴンの方が非力に思えますが、実はスペック的にはほぼ同じ。むしろステップワゴンの方がトルクは太く、またフラットトルク型なので低中速域でのパワー感・加速感が優れている。特に大人数を乗せる場面が多いであろうミニバンでは、ステップワゴンの方が動力性能や乗り心地ではやや優れていると言えます。
ということで、動力加速性能はステップワゴンに軍配を上げたいと思います
【スポンサーリンク】
燃費はノア・ヴォクシーハイブリッドがおすすめだが…
続いて燃費。ステップワゴンのカタログ燃費が17.0~16.2km/L。ステップワゴン スパーダのカタログ燃費が15.4~16.0km/L。ノア ヴォクシーのカタログ燃費が14.6~16.0km/L。ガソリン車のみで比較すると、ややノア ヴォクシーの方が数値としては悪い。
昨年に書いた記事では、ステップワゴンの実燃費は17.07km/Lでした。ノア・ヴォクシーもハイブリッドではありましたが、やはりカタログ燃費通り。そして車重はステップワゴン1680kgに対して、ノアヴォクシーは1600kgと車重が軽い。だからガソリン車同士では、ステップワゴンもノアヴォクシーも大きな差は出にくいと考えられます。
ただ燃料タンク容量を見てみると、ステップワゴンは52Lに対してノア・ヴォクシーは55L。実燃費があまり変わらないとしたら、つまり航続距離ではノア ヴォクシーの方が一回の給油で30~50km(3L分)ほど長く走れる計算。遠出する場合はノア ヴォクシーが若干有利と言えそうです。
【スポンサーリンク】
維持費や税金面はステップワゴンがおすすめ
燃費の次は、維持費の違い。結論から書くと、ステップワゴンの方が維持費は安いです。先程書きましたが、ステップワゴンの排気量は1500cc。ノアヴォクシーは2000cc。実燃費では大きな差はありませんでしたが、税金面に違いが出てきます。購入翌年度の自動車税は1500ccだと3万4500円、2000ccは3万9500円。この時点で既に5000円の差。
ただエコカー減税という制度があるので、どちらも初年度は50%減税される。ステップワゴンは1万7500円に対して、ノア ヴォクシーは1万9750円。だから差額の2250円だけステップワゴンがお得。
また取得税と重量税においても税金に差があります。最近安倍政権がエコカー減税の基準を厳しくしたんですが、ステップワゴンは取得税60% 重量税が50%減税。ノア ヴォクシーは取得税40% 重量税が25%減税されます(2016年7月現在)。
どちらも減税ナシでは重量税が4万9200円かかるところ、初回車検時はステップワゴンだと1万5000円、ノアヴォクシーは2万2500円で済む。だから自動車重量税では7500円だけステップワゴンがお得な計算。
取得税は現在のところ購入時に車体本体価格の3%かかる。どちらも250万円で購入したと仮定すると減税なしでは取得税7.5万円かかるんですが、これが減税されるとステップワゴンが4.5万円、ノアヴォクシーが3.75万円。7500円ほどステップワゴンがお得な計算。
だからトータルするとステップワゴンの方が初年度だけで1万7250円お得という計算。そして500ccの排気量の差で毎年5000円の自動車税の差額が発生するので、ノアヴォクシーよりも明らかに維持費は安いと断言できます。ちなみに取得税は2019年の消費増税時に廃止される予定。
【スポンサーリンク】
価格・値段・装備面の違い
続いて値段の違い…というか、具体的に装備面の違いや中身を見ていきたいと思います。ステップワゴンの価格は「B」が228万円、「G ホンダセンシング」が261万円、「G EXホンダセンシング」が283万円、「スパーダ ホンダセンシング」が284万円、「スパーダ クールスピリット ホンダセンシング」が299万円。
ノア ヴォクシーの価格は「X Vパッケージ(X Cパッケージ)」が228万円、「X」が248万円(ハイブリッドは299万円)、「G(V)」が272万円(ハイブリッドは310万円)、「Si(ZS)」が273万円(ハイブリッドは322万円)。
つまりステップワゴンの方がグレードクラスで比較するとやや割高。一方、ノア ヴォクシーハイブリッドは最廉価でもスパーダ最上級グレード以上と割高となってます。
ただ先程も書きましたが、自動ブレーキが標準装備されるグレードを見ると、ステップワゴンの「G ホンダセンシング」が261万円に対して、ノアヴォクの「G(V)」が272万円。10万円近くステップワゴンの方が安い。
またステップワゴンは両側パワースライドドアが上級グレードとスパーダ以上に標準装備。ノアヴォクは+6万円でオプション装備で設定されているだけ。シートーヒーターもステップワゴンは上級グレード以上に標準装備ですが、ノア・ヴォクシーは何故かハイブリッドの「G(V)」グレードのみ。
一応、本革巻ステアリングだけノアヴォクシーは272万円の「G(V)」に標準装備されてるのに対して、ステップワゴンは284万円の「スパーダ」以上とノアヴォクシーの方がやや有利なぐらいで、全体的には価格相応以上にステップワゴンの方が装備は充実してると言えます。
細かい装備面の違いはカタログなどをチェックしてもらうとして、普通に気にせず買うなら装備が過不足なく揃っているのはステップワゴンでしょう。
【スポンサーリンク】
値引き幅はノア・ヴォクシーがおすすめ?
ラストは値引き額。結論から書く、どっちも割りと値引き額は大きいはず。
具体的には2016年夏時点だと、ステップワゴンの値引き額はザ・マイカーだと22万円、driverだと24~27万円。ノア・ヴォクシーの値引き額はザ・マイカーだと27万円、driverだと25~28万円。数万円ほど多くノアヴォクの方が値引きできるらしい。ちなみにエスクァイアの値引き額はザ・マイカーでは26万円。
やはりノア・ヴォクシーは発売から日にちが経っている点が大きい。またノアはカローラ店、ヴォクシーはネッツ店と販売店が分かれているので、同じトヨタ同士で競合させられる点も大きそう。
ステップワゴンは色んな装備が最初から入っててお得価格なので、ホンダとしては値引きに応じにくい面もあると思います。ただステップワゴンは発売されて間もないんですが、とにかく売れてない。ステップワゴンは様々なテコ入れを図ってるものの、販売台数を稼ぐために手っ取り早く大きな値引きを提示してくれそう。
【スポンサーリンク】
ステップワゴンとノアヴォクシーのおすすめグレード
最後におすすめグレードをあげておくと、ステップワゴンを買うなら「スパーダ」系がおすすめ。「スパーダ HS」が26%。続いて「スパーダ クールスピリット HS」が25%。価格こそ300万円近くなりますが、装備面が充実してる点が大きいです。
ヴォクシーを買うならミドルグレードの「V」。実際購入者全体の60%ぐらいに支持されています。本革巻ステアリングなどが標準など、価格の割には装備が充実してるからだと推察されます。ノアは法人需要が多くを占めているせいか、最上級グレードの「Si」が38%と最も支持されています。でもノアを買うならやはりミドルグレードの「G」あたりになるのかな。
【スポンサーリンク】
ステップワゴンとノアヴォクシーの口コミ評価まとめ
以上、長々と比較したわけですが、簡単にまとめるとホンダ・ステップワゴンも悪くない。
どうしても販売台数を見ると、トヨタ・ノア ヴォクシーの方が人気。2016年5月だとステップワゴンが3214台に対して、ヴォクシーは6150台(うちガソリン車4340台)、ノアが3340台(うちガソリン車1980台)。ましてやエスクァイアも含めると、ステップワゴンのライフはゼロよ状態。
ただ自動ブレーキはステップワゴンの方が優れていて、装備面もかなり充実してる。実燃費こそハイブリッドには負けますが、ガソリン車同士での比較ではノア ヴォクシーに負けることはないでしょう。排気量1500ccターボもヒヨワに見えるものの、実際はかなりパワフルでノアヴォクの2000ccエンジンに全然負けてない。税金や維持費を考えるとノアヴォクよりお得。
だからファミリカーとして評価したら維持費の安さはメリットとして小さくないと思うんですが、ホンダがそこら辺のアピール不足やステップワゴンのキャラクター作りの下手さがどうしても販売台数全体の足を引っ張ってる節もあります。
ちなみに「ステップワゴン VS 新型セレナ」と「ノアヴォクシー VS 新型セレナ」も既に比較済みなのでそちらも良かったらチェックしてみて下さい。他にも「2000cc以下のおすすめミニバン車人気ランキング」という記事も作成済み。