東京ビッグサイト(東京・有明)で10月30日から開催されていた東京モーターショーが11月8日閉幕した。入場者数は81万2500人と、前回の2013年の入場者数90万2800人を10%ほど下回る結果となった。少し前に終了した東京モーターショーの入場者数が、前回2013年と比較して減少したらしい。2007年までは120万人以上を動員してたらしいので、ここ最近で急激にドーンと下がった印象。
http://economic.jp/?p=55370
そこで東京モーターショーの入場者数が減少してる理由を考えてみた。
ネットで見れば満足する?
まず第一には、インターネットの普及。特にここ数年で、スマートフォンが爆発的に普及しました。こういったブログも含めて、本当にどこでも簡単に自動車以外の情報にもアクセスできる時代。東京モーターショーが開催する直前には、出品される自動車の画像が各メーカーさんから事前に発表されます。それらが更に自動車サイトに掲載されます。つまり東京モーターショーの情報は、そもそもかなり溢れてる。ポチポチ色々と見漁った結果、そこで満足しちゃってる人も多そう。
もちろん昔だって自動車雑誌にあらかじめ掲載されていたと思いますが、やっぱり無料で情報を取得できるインターネットとはパイの規模が一桁も二桁も違います。それだけ大きな影響が出る可能性は高そう。
だから、もっとイベント性を高めるのも一つの手なのかなと。モーターショーは基本的に展示されてるクルマを周囲で眺めてるだけですので、体感型のイベントを増やすだけでもかなり違うかも。逆にここまでスマホが普及してるからこそ、もっとSNSでシェアしあうようにするとか?
スポーツカーの展示が少なかった?
ちなみに冒頭の記事では「華のあるクルマが少ないから」と分析されてました。実際ランボルギーニやマセラティ、アルファロメオなどは出品されてなかったらしい。これらのメーカーの販売台数は知れてるので宣伝効果を考えると、チビチビとネット広告を出稿するぐらいで十分と考えてるのかも。ただマツダのロータリーエンジンが復活する!? という噂の「RX ヴィジョン」やレクサスの「LF-LC」やホンダも「NSX」や燃料電池車を出品するなど、「華がある車」は決して少なくなかったはず。だから個人的にはあんま関係ない気がします。
でもダイハツだと次期ミライースと思しきコンセプトカーが出品されてましたが、ああいうのは増えて欲しい。来年にはトヨタ・パッソもフルモデルチェンジするようですから、もしプロトタイプでも展示されてたら下見がてら入場する方は多かったかも。今乗ってる自分の車が次期型ではどうなるのか?という現実感もあるクルマが増えれば、グンと敷居は下がりそう。
親子連れが行きづらい
二つ目は、会場の雰囲気。どうしてもこういうモーターショーは「男性向け」の内容になりがち。前回2013年の東京モーターショーに関する記事でも書いた気がしますが、肌の露出を抑えてたとしてもコンパニオンのお姉ちゃんがズラズラと並んでると、子供連れでは行きづらい気がします。
パパが一人で来るより家族3人4人で足を運ぶようになれば、それだけで全体的な入場者数はかなり増やすことができるはず。素人の綺麗なお姉ちゃんよりは、知名度が高いポケモンや妖怪ウォッチの方が集客力はありそう。前述の「イベント性を高める」ことと少し共通する部分かも。
景気が良くない
あと一番の理由は不景気。新車や一戸建てやマンションといった大きな買い物は、一般的に「購入前後」以外のタイミングではなかなか興味を持ちづらい。自分のようにブログでも書いてりゃ別ですが、「実際に買う意志がある→そのために調べる→興味を持つ」という流れがあると思うので、新車を購入する意欲のある消費者が少なければ、当然、自動車に関連するイベントに興味を持つ人も減る。
リーマン・ショック直後の2009年開催時の最低記録61万4400人実際、リーマン・ショック後に開催された東京モーターショーの入場者数は、今回より20万人ぐらい少なかったそう。
アベノミクスが成功してるとテレビや新聞は喧伝してますが、少なくとも新車販売台数はかなり厳しい。安定して1万台以上販売してるのは、トヨタ・アクアとホンダ・N-BOXぐらいですから。経済界は安倍総理にペコペコしてますが、しっかり言うべき点は言わないと現状は打開できない気がします。
ちなみに「東京モーターショーが開催されてるのを知らなかった」というネットの声もあったので、もう少し宣伝にお金をかけても良いのかも。