米国の『グリーンカージャーナル』誌は11 月19日、米国で開催中のロサンゼルスモーターショー15において、「2016グリーンカーオブザイヤー」を、GMの新型シボレー『ボルト』に授与すると発表した。現在ロサンゼルスでモーターショーが開催中。スバル新型インプレッサや三菱 新型RVRやマツダ・CX-9など、面白そうな車種がたくさん出品されてます。そこでジャーナリストたちによってエコカーNo.1のクルマを決められたらしい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151120-00000008-rps-ind
それがシボレー・ボルトというプラグインハイブリッド車。シボレーといえばカマロが有名ですが、ソニックなど小型車も多く発売してたりします。最終選考にはトヨタ・プリウスやホンダ・シビックが名を連ねていたものの、残念ながら落選した模様。
この「ボルト受賞・プリウス落選」から見えてくるものは、プラグインハイブリッド車の本格的な普及。
ボルトは軽く600km以上走行可能
シボレー・ボルトは日本では発売されてませんが、そもそも一体どんなプラグインハイブリッド車なのか。前に「PHVとPHEVの違い」を説明しましたが、タイプとしてはPHEVにあたります。どちらかと言うと電気自動車寄り。だから走行距離もガソリンエンジンとの組み合わせで、廉価グレードでも380マイル走行可能。キロに換算すると600km以上。EV走行のみでも38マイル(60kmちょっと)。プリウスPHVはEV走行のみでは26.4kmですので、ボルトはその倍以上も走れる。三菱アウトランダーPHEVと同じぐらい。
その割にボルトの価格は26670ドル(日本円に換算すると300万円ちょっと)から購入できるので、プリウスPHVとほぼ同価格帯とかなりお買い得。いくら性能に優れてても、高価すぎたら買えません。
ガソリン車の限界
今回2015年のグリーンカーオブザイヤーには「アウディA3 e-トロン」も惜しくも受賞を逃したようですが、こちらもPHEV。EV走行だけで52.8km走行可能。プリウスPHVの倍以上走れるプラグインハイブリッド車。昨年はBMWの電気自動車「i3」が受賞するなど、ガソリンエンジンからの脱却が一つの世界的な流れ。何故なら、スペック的に日本の「ストロングハイブリッド」はいささか中途半端。しかも新型プリウスの詳細を見る限りは、ガソリンエンジン車の燃費を追及していくのはそろそろ限界も見えてる。もう車重をとことん軽量化する以外に道はない気がします。
そもそもアメリカで既にストロングハイブリッドはエコカーの定義から外れてる状態ですので、今後も燃費規制が強まる中、ガソリンも使えるプラグインハイブリッド車が普及していくと考えられます。電気自動車はインフラの都合で急速に普及する可能性は考えにくく、まずはPHEVの普及が先になるかなと思います。
ちなみに今回受賞したボルトに使われる駆動モーターやバッテリーは韓国のLGエレクトロニクスがほぼ納入する予定らしい。だから日本の家電業界復活の鍵を握ってるのも、案外このプラグインハイブリッド車なのかも知れません。日本だと既にパナソニックあたりの鼻息が荒かったりして?