2015年10月3日土曜日

新型シエンタ ハイブリッドの試乗 & 実燃費まとめ



今年7月にフルモデルチェンジしたトヨタ新型シエンタ。その試乗と実燃費に関する報告をまとめてみました。良い所だけつまみ食い。燃費は後半の方に記述してますです。

ハイブリッドの走行性能は快適?

まず新型シエンタの注目点はハイブリッド化。アクアやカローラと同じハイブリッドシステムということですが、走行性能や走り心地はどこか違うのか。

『ニューモデルマガジンX』11月号のはらい川隆一さんの試乗レポート。「ハイブリッドは車重もあってカローラほどスムーズではない」「PWR領域はうなって加速しない、ECOの方で確実にスムーズに走行するのがベター」「どちらもノイズほど加速している体感は得にくい」と、やはりシエンタの車重の重さは無視できない模様。逆にガソリン車も比例して車体が重くなってるものの「少々物足りないが、必要にして十分」とのこと。

『カートップ』10月号の青山尚暉さんの試乗レポート。「モータートルクのアドオンで加速のスムースさ、余裕は圧倒的」。「ガソリン車よりも低重心」。「乗り味はやや硬めのタッチ」のせいか「段差などのショックが大きくロードノイズは多め」らしい。そのため15インチタイヤがおすすめだそう。

『ザ・マイカー』10月号の室田佳彦さんの試乗レポート。ハイブリッドは乗車人数3人(一人おデブさんがいたらしい)でも、「スーッと軽やかに加速し、重さを感じさせない」。

最終減速比を低くして加速力を稼いでいる。機敏な加速力は持てないが日常的な加減速には大きな不満はなさそうだ。(日下部保雄)
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20150805_714978.html
カローラハイブリッドより加速感がないという試乗レポートもありましたが、一応新型シエンタではアクアよりも減速比を大きくすることでトルクアップを図ってる模様。一般的にローギヤード化すると加速力が増すらしく、シエンタハイブリッドの走行性能は比較的快適と言えそう。

ただその反面、燃費性能が落ちてしまうで、ここが新型シエンタのカタログ燃費がリッター30キロを超えなかった最大の理由かなと推察します。

ガソリン車の走り心地は?

一方ガソリンモデルの走行性能はどんな感じ?

『カートップ』10月号の青山尚暉さんの試乗レポート。「エンジンの動力性能は大人3人乗車の平坦路でも穏やか」「急ぐ分には歯がゆいけれども、ゆっくり移動する分には問題ない」とのこと。

『ザ・マイカー』10月号の室田佳彦さんの試乗レポート。「ガソリン車はまるごと不足感を感じる」ものの、「回転数が2000回転を超えると元気な加速感」が得られるそう。ただやはり「信号待ちのたびにモッサリ感を味わう」と厳しめの評価。どうしても1.3トンの車重が足を引っ張るのか。

『ニューモデルマガジンX』10月号の試乗レポート。「ガソリン車は燃費改善のために犠牲となった加速力」「エコ運転に徹しようとすると周囲の流れについていかない」とやはり厳しめの評価。ただし街乗り程度なら気にするほどでもないとのこと。一方、ハイブリッド車の方が低重心で静かな乗り味も含めておすすめだそう。

乗り心地やロードノイズはどうなってんの?

続いて新型シエンタの乗り心地。

乗り心地は、凸凹路ではコンパクトミニバンに見受けられるガツンとしたショックはなく、後席でもよく収まっていると思う。荒れた路面を通過するときのゴツゴツ感はあるが、不快に感じることはなくソツない仕上がりだ。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20150805_714978.html
『カーウォッチ』の日下部保雄さんの試乗レポート。路面のゴツゴツ感はあまり感じないそう。

『カートップ』10月号の青山尚暉さんの試乗レポート。シエンタのガソリン車は、まるでフランス車と評価。「国産コンパクトとして例外的にサスがしなやかふんわりストロークする上質快適無比」と賞賛。ただし条件が一つ。それが「16インチタイヤを履いた」場合に限ります。

逆にハイブリッド車は16インチを履くとロードノイズが大きめに感じるそう。乗り味がやや固めだからショックが伝わりやすく、逆にハイブリッドモデルは15インチがおすすめだそう。

『カートップ』11月号のシエンタハイブリッドとホンダ・フリードを比較した企画では、「シエンタハイブリッドの乗り心地はフリードより上」「クラスを超えた重厚感」「しっかり+しっとり感あるタッチが魅力」とシエンタの乗り心地を賞賛。段差の乗り越えもしなやかにいなして、静粛性もシエンタがやや勝るそう。

ただ15インチでは粒の粗い舗装路だとゴロゴロした微振動が伝わってくるので、ガソリン車はやはり16インチがおすすめとのこと。CX-3の試乗レポートでもそうでしたが、タイヤの違いだけでここまで評価が変わってくるものなのか。

新型シエンタの三列目シートが実はすごい?

『ザ・マイカー』10月号の室田佳彦さんの試乗レポート。「フロント周りの剛性感が高く応答性が高い」とのこと。三列目シートに関しても、「クッション厚はしっかりあるので座り心地そのものは良い」。また「7人乗りの2列目中央も分割されている割にちゃんと座れる」と使い勝手も良いと評価。

『ニューモデルマガジンX』10月号の試乗レポートでも、3列目シートを評価。2列目の下に格納できる仕組みに変えたらしく、そのことでシートの横幅が拡大。前述の通り、クッションも厚みが増したので大人でもしっかり座れる。長時間でも疲れないとのこと。

また二列目、三列目と段々に棚田のように傾斜してるので、三列目シートからの見晴らしが良い。その割に頭上や足元にも空間がそれなりに確保されていたり、「各シートのサイドポケットにはスマホを置くためのポケットが用意」されているなど、内装インテリアに関してはホメ気味。

実燃費はリッター20キロを越える?

ラストは新型シエンタの実燃費。

『ベストカー』10月26日号ではホンダ・ステップワゴンとの実燃費比較。編集者・古川という方がシエンタG(ガソリン)を運転。大人二人+60kg(子供二人分)という条件。走行距離はおよそ96km。

結論から書いてしまうと、シエンタの実燃費は18.0km/L。車重や大きさの違いがあるとしても、ステップワゴンの実燃費が13.6km/Lだったので優秀。

具体的に見てみますと、講談社→木更津のアウトレット店(48km)間の実燃費が18.7km/L。木更津→講談社(46.6km)間の実燃費が17.9km/L。

編集者・古川が試乗した感想は、シエンタのガソリンモデルは加速感がないと感じる場面はあったものの、「それほど力不足感もなかった」とのこと。「乗り心地はソフトな味付けでファミリーカーにはうってつけ」らしい。

逆に大人4人が乗車した場合では、シエンタGの実燃費は10.8km/Lは急激に低下。走行距離が6.6kmと短かったとは言え、同条件でスズキ・ソリオバンディット(マイルドHV)は12.7km/Lだったことを考えるとやや微妙か。

『driver』11月号の一条考さんの試乗レポートでは、新型ソリオと新型シエンタが比較。ソリオが相当軽量化されたこともあって「一般道の乗り心地や加速フィールではソリオが勝る」とのこと。ただ実用面では「助手席側の乗り降りのしやすさはBピラーに取っ手があるソリオ」に分があるが、幼い子供はフロア高が低いシエンタがおすすめとのこと。

そこで同時に実燃費も報告されていました。それによると新型シエンタハイブリッドの高速燃費は22.1km/L。ソリオの高速燃費が24.5km/L。3列シートと2列シートの違いはありますが、やはりシエンタの今後はどう軽量化していくかがカギになりそう?

まとめ

新型シエンタは先代モデルより+100kgぐらい増加してるので、やはりガソリン車の走行性能には不満の声もあります。一方ハイブリッド車も同じく加速性能に不満があるのかと思いきや、前述の通り、減速比を調整したことで加速感はアクアなどより増したことで不満の声は少なかったです。

逆に加速感を増したことで燃費面では他車より抜きん出ることはなかったわけですが、今後いずれシエンタでもTNGAが採用されるはずなので、更なる低燃費化には期待したい所。新型プリウスを見る限り、どこまで軽量化に成功できるのかは疑問ですが。

ただシエンタの車重を考えると、プリウスの1800ccのハイブリッドシステムを搭載した方が…と思わなくもありません。実際、プリウスと同じHVシステムのノアやヴォクシーは燃費リッター20キロを越えることもザラ。そうすればパワー感やスポーティー感も増すはず!

ただ、ハンドリングではボディーを揺さぶられる感覚が大きく、ハンドルを切ったときに一体感とフロントタイヤの接地感がほしい。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20150805_714978.html
実際、『カーウォッチ』の日下部保雄さんの試乗レポートなど、シエンタにはもっとスポーティーさやアスリートらしさが欲しいという声も。様子にシエンタの見た目のイカツサとは反して、中身が少し大人しいのではないかとのこと。