でもスズキの軽自動車SUVといえば「ジムニー」。ジムニーのフルモデルチェンジも噂されていますが、コンスタントに毎月1000台前後売れてる根強い人気車種。ただ、もしかしてハスラーはジムニーベースなのか?
そこで今回はスズキ新型ハスラーとジムニーを徹底的に比べてみたいと思います。実は構造からしてハスラーとジムニーは全然違うらしい。
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ちなみに自動車情報サイト・カーギークではフルモデルチェンジ後の新型ジムニーとハスラーを比較済み。基本的にはカーギークの比較記事をご参照ください。
【ハスラー】車体や骨格フレームの違い【ジムニー】
まずは「車体の骨格フレーム構造」の違い。先に結論から書くと、実はハスラーはワゴンRベース。ジムニーベースではありません。だからハスラーは一般的な軽自動車と同じく、車体にはモノコックボディーを採用しております。
モノコック構造とはフレームとボディーが一体型になった車体のこと。室内空間を広く取れて車重も軽く設計できるので、高い燃費性能を求められる最近の自動車には必須。モノコック構造の強度自体は弱いものの、全体で衝撃を分散させる方法を取っています。
○ジムニーは今の時代は特殊なラダーフレームを採用
一方、ジムニーの車体フレームはラダーフレームを採用してる。見た目の特徴から「はしご型フレーム」と言われることも。
強度の確保が容易でいわゆる剛性感をアップさせやすい。だから悪路の衝撃だって難なく受け止めることが可能。大型トラックやトヨタ・タンドラといった本格的なSUVにも採用されてたりします。
ただラダーフレームのデメリットは意外と多い。
例えば、車内の空間を広く取るのが難しく、大きい衝撃こそ吸収するものの細かい不快な振動が発生しやすい。またハスラーとはサスペンション形式も違うなど、ジムニーの乗り心地は一般的に劣る。またラダーフレームの価格も割高。
要するに「ハスラーは街乗り仕様」、ジムニーは「完全なオフロード仕様車」と違いを区別化することが可能。でも次期ジムニーのフルモデルチェンジ時には、このラダーフレームがなくなるという噂も?
アプローチアングルとディパーチャーアングルの違い
そしてSUVとして欠かせない要素が「タイヤとフロントバンパーとの角度」。いわゆる『アプローチアングル』。このアプローチアングルの角度が急なほど障害物とぶつからないので「オフロード走行」という面では無視できない。また逆にタイヤとリヤバンパーとの角度は『ディパーチャーアングル』と言います。
ジムニーのアプローチアングルが49度。ディパーチャーアングルが50度。
一方ハスラーのアプローチアングルは28度、デパーチャーアングルが46度。
ディパーチャーアングルこそハスラーは健闘してますが、アプローチアングルに至ってはジムニーの完勝。フロント部分のデザインが影響してか、ハスラーではオフロードをブイブイ走破できそうですが少し難しそう。
昔ハスラーが小川を走ってる画像を見ましたが、車高の高さも考慮すると止めた方が良い。一言で表現するなら、ジムニーは「オフロード仕様」、ハスラーは「オフロード風」といったところ。
ハスラーとジムニーの駆動方式の違い
エンジンの駆動方式も全然違います。ハスラーがFF方式に対して、ジムニーがFR方式。またハスラーには2WDと4WDの両方のモデルが用意されてますが、ジムニーには4WDモデルのみ。つまり完全にジムニーの方が「オフロード仕様」に目的を割り切ってる。ちなみに「ドライブアクション4×4」という種類らしく、これは2WDにスイッチすることも可能だそう。
燃費性能
ジムニーには4WDモデルしか用意されてないということは、当然カタログ燃費の性能も異なります。しかもジムニーはターボエンジンのみということで、最大で燃費は14.8キロしかない。一方、冒頭でも触れましたが最近Sエネチャージが搭載されたこともあって、ハスラーは最大で燃費リッター32キロ。ハイブリッドカーと比較しても遜色がない。2WDと4WDの違いや、NAエンジンとターボのエンジンはどうしても埋められない。
ただ少しカラクリもあって、両者は燃料タンク容量も違う。ハスラーが27Lに対して、ジムニーは40Lも確保されてる。このジムニーの「タンク容量40L」という数字は普通車以上。遠出ドライブするときではジムニーは全然困らないどころか、航続距離だけだったらハスラーには負けないはず。
ハスラーの4WDターボエンジンの燃費がリッター25.0キロということを考慮すれば、ジムニーの燃費が一概に悪いとまでは言えなさそう。
取り回し性能の違い
ハンドルの取り回しも違います。いわゆる最小回転半径。車体の構造が違うので当たり前っちゃ当たり前ですが、ハスラーの最小回転半径が4.6mに対して、ジムニーの最小回転半径が4.8m。オフロードを走行するなら気にする差ではないかも知れませんが、街乗りではハスラーが有利。3ドアか5ドアかなど見た目の違い
あとは言うまでもなく、見た目も違う。例えばジムニーは今どき3ドア。ジムニーの清々しいほどの割り切りはデザインにも現れてます。ちなみにもちろんハスラーは5ドア。
あとは車体カラーも大きく違う。ジムニーの車体カラーは三種類のみ。ノクターンブルーパール、シルキーシルバーメタリック、スペリアホワイト。
ただハスラーの車体カラーは10種類から選択可能。パッションオレンジホワイトツートン、サマーブルーメタリックホワイトツートン、キャンディピンクメタリックホワイトツートン、フェニックスレッドパールブラックツートン、クリスタルホワイトパールブラックツートン、クールカーキメタリックなど。
地味にカーキ色が人気だったりします。またツートンカラーが支持されているように、オプションでデカールを貼れるなどデザインのカスタマイズ性が豊富。見た目に関しては、ハスラーがジムニーを圧倒してると言わざるを得ません。個人的にジムニーはもっとゴリゴリした男らしいデザインであってほしいかも。
室内空間や車内空間
続いて室内空間や車内空間。前述の通り、ジムニーではラダーフレーム、FR方式、3ドアを採用してる。だからジムニーの車内空間は狭く、また後部座席への乗降性も悪い。その割にスーパーに買い物とか行くと、ジムニーには主婦さんが乗ってるイメージがありますが。
一方、ハスラーはワゴンRベースということもあって、室内空間はそれなりに広い。両者の全高はほとんど変わらないにも関わらず、ジムニーの車高が高い。敢えて詳しく比較するまでもなく、ハスラーが車内空間では上回ります。
自動ブレーキなど安全性能の違い
最近は自動ブレーキといった予防安全性能が注目を浴びてますが、この点も両者は大きく違います。ハスラーには赤外線方式のレーダーブレーキサポートが標準装備されてるものの、ジムニーにはオプションですら搭載できない。この差が小さいと言えばウソになります。ハスラーにはいずれデュアルカメラブレーキサポートを搭載してくるはずなので、今後この差は広がることはあっても縮まることはなさそう。
またハスラーには「ヒルクルーズコントロール」といった機能が付いてる。坂道発進するときにアクセルに踏み替える瞬間、自動的にブレーキが作動したままの状態が2秒続く。だから坂道で後退しないので安全。また「ヒルディセントコントロール」も付いてて、これは急坂な下り坂でブレーキ操作をしなくても自動で低速走行してくれる。
他にも雪道といったぬかるんだ道でタイヤが空転しても大丈夫な「グリップコントロール」が搭載されてるなど、安全性能ではハスラーに圧倒的に有利。いくらジムニーの車体が頑丈とは言っても、ここまで安全に関する最新装備が付いてないのは痛い。
価格面
ラストは価格面。ジムニーのラインナップはFR方式の4WDターボのみということで、全体的に価格は割高。具体的に見ると129万6000円から169万1280円。一方、ハスラーは最上位モデルこそ162万1080円とジムニーと価格差はないものの、エントリーグレードは107万8920円からと購入ハードルは低め。車体カラーの豊富さも含めて、幅広いユーザー層に対応してるのがハスラーと言えそう。
ただハスラーユーザー大規模アンケートを見る限り、実はハスラーは上級グレードXが一番人気。逆に言うと安いエントリーグレードはあまり支持されてない。ハスラーの上級グレードXが評価されてる理由を参照。
だからジムニーの方が全体的に割高なものの、実際の売れ筋グレードを比較すると両者にそこまで差はなさそう。しかもハスラーにはオプション装備が豊富なので、もろもろを追加していくとジムニーの方が割安になるパターンも?
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