営業利益の額は大きいが、営業利益率はわずか6.3%。14年度も改善せず、6%に低落する見通し。HONDAの営業利益率がパッとしないらしい。利益率6.3%と聞くと一見良さそうな数値にも見えるが、SUBARUの富士重工業の営業利益率は「13.6%」だったことを考えると、その半分。
http://president.jp/articles/-/12635
ちなみに【相関図】自動車業界 最新関係図一覧なども参照。
売上高2兆9383億円、営業利益は1877億円。営業利益率6.4%は、車1台の平均売価がスズキよりはるかに高いホンダの6.3%をも上回る数字だ。ちなみに、軽自動車がメインのSUZUKIの営業利益率が6.4%。これよりも低いということは、意外というほかない。ダイハツに至っては、営業利益率7.7%と惨敗と呼べるレベル。
http://president.jp/articles/-/12561
ホンダはミニバンのステップワゴン、プチバンのフリード、コンパクトカーのフィットが売れに売れているはずではなかったのか。
売れ筋価格帯が150万円以上もする軽自動車のN-BOXも爆売れ。一台あたりの利益率も、確かフィットを超えてたはず。それなのにどうして軽自動車がメインのスズキやダイハツに負けてしまうんだろうか?
ここから読み取れるのは、ホンダ車は「コストがかかってる」ということ。とりわけ、主力車であるフィットがヒドい。
フィット一台あたりの利益はゼロ!?
「フィットはライバルに対して優位性を出すためにコストがかさみ、利益はゼロ同然。軽自動車はそれより多少いいが、こちらもコストはライバルに比べて高い」(ホンダ関係者)という。なんとフィットの一台あたりの利益がほぼゼロだそう。このホンダの関係者も、とんでもない暴露をしたな。
考えてみるとフィットのガソリン車は、130万円ぐらいとお手頃。その割にカタログ燃費は、コンパクトカーの中ではトップクラス。室内空間も広々。消費者目線で考えるとコスパは高いが、メーカー側の立場で考えると辛い所なんでしょう。
フィットのハイブリッドに至っては、160万円台から購入できる。トヨタ・アクアの乗り出し価格が180万円台ということを考えると、激安と呼べる部類。その分だけ利益が出てないと言われても、納得する他ない。
ホンダは国内の新車販売台数で「年間103万台にチャレンジ!」と公言してますが、いくらフィットの販売を積みましても焼け石に水。薄利多売どころか、無利多売。記事内では「タダ働きも同然」と表現してましたが、まさに正鵠を射てる。
ましてや最近も2017年にホンダ新型N-BOXがフルモデルチェンジして絶好調。 新型N-BOXの試乗評価を見ても、もはや無敵に近い。価格や維持費に大差がないフィットは、ホンダ車同士であるにも関わらず一方的に需要が食われるだけ。
メーカーの垣根を超えた横断的な部品の共通化
やはり利益を出すためには、車体コストを下げる他ない。要するに、一つ一つの部品の価格を下げること。スズキの営業利益率もダイハツと差が生まれたのは、そこの部分が大きい。ダイハツはトヨタの子会社ということもあって、そこら辺が徹底されてるんだと思う。最近自動車メーカー8社が集まって、ガソリン・ディーゼルエンジンの開発に乗り出しましたが、それだけではなくメーカーの垣根を超えた「部品の共通化」にも乗り出すべきなんだろう。車種のOEM供給が普及してる昨今、横断的な部品開発があっても不思議ではない。むしろ然るべき方向性。
ホンダ・マツダ・スズキなどは売れ筋車種が似てるので、お互いが手を取り合うことも難しくない?
ランキング至上主義という悪魔
現在のホンダは「ランキング至上主義」という悪魔に取り憑かれてるんだと思う。いや日産など他メーカーでも言えることか。なんとしてもトヨタを追い抜いて、新車販売台数で首位を維持しようとする意識が強すぎ。フィットがガソリン車も併売してる理由も、そこなんだろう。トヨタで言えば、フィットは「アクアとヴィッツを併売」してるようなもん。逆に考えると、そこまでしないとトヨタ車に勝てない。いかにトヨタのスゴいか、同時に伝わってくる。
ただいくらランキング上位になれたとしても、そこの収益が伴ってこなければ何の意味もない。ホンダより営業利益率が低いのは、三菱自動車(5.9%)と日産(4.8%)だけ。この路線を進んでも、一体誰が喜べるんだろうか。
売れるクルマも大事だけど、儲かるクルマも大事。結果、それが次の楽しいクルマ作り・開発にも繋がってくる。最近はヴェゼルなどコンパクトSUVなど面白い車種も発売したホンダ。本末転倒に陥らず、頑張って欲しい所。
ちなみに最新自動車サイト「カーギーク」のホンダ新型フィットフルモデルチェンジ最新情報も良かったら参照してください。