スズキは4月16日に東京で4輪車の技術説明会を開き、いわゆるマイルドハイブリッド車(HV)の投入やエンジンの燃費性能向上計画などを発表した。スズキが改めてHV軽自動車の開発に着手したもよう。ただ新聞を読む限り、新しいハイブリッドエンジン(ISG)は完成してるらしく、あとは『コスト面』の問題だけだそう。
http://response.jp/article/2014/04/16/221346.html
回生エネルギー量30%以上向上
スズキと言えば、ハイブリッド車と言えば「エネチャージ」。ブレーキなどの回生エネルギーを溜めてるだけだから、「もどき」と表現するのが正しいんでしょうが、これがダイハツやホンダよりも低燃費の軽自動車を生産出来てる要因の一つであることに違いはない。そのエネチャージよりも、新しいマイルドハイブリッド技術では『30%以上』の回生エネルギー量を高めることができる模様。その増やした分のエネルギー量を、モーター部分に当てるといったところだろうか。日産のHVに近そう。
ただ実は10年以上前に『ハイブリッド軽自動車』を発売してたスズキ。それが「ツイン」と呼ばれる車種。それの再来と言われてたりもする。
軽自動車初の、ハイブリッド車「ツイン」とは何者か?
2003年から2005年にかけて発売された、最大出力5kWのモーターを搭載した、正真正銘のハイブリッド。その国内初の軽自動車版。時期的には、アルトラパンとほぼ同期ぐらい。
これだけ短命で終わったのは、言うまでもなく「売れなかった」から。プリウスなどの普通車のハイブリッド車がやっと売れ始めてきた時期だから、なかなか軽自動車では普及しなかったんでしょうか。
2,735mmと全長が短く、車重も600kg。ミライースやアルトよりも100kg以上軽い。ただ見た目が奇抜にも程があるので、売れなかった要因はハイブリッドどうこうだけじゃないだろうと思わなくもない。
ツインの気になる燃費はどれぐらいだったかと言えば、ハイブリッドモデルでリッター34km。ただし、測定方法が古い10・15モード。
現在のJC08モードでは、おそらくリッター30kmを切るか切らないか程度だと予想。ちょうど今のワゴンRやムーブ並ぐらいだと思う。エンジンパワーもかなり非力で、最大出力がたったの44馬力。そりゃリッター30kmは超えるわな。
ただだからこそ、ここ10年の軽自動車の燃費向上は目覚ましいものがあると痛感させられる。実用性を損なわず、走行性能も損なわず、更に厳しい条件での測定方法でリッター30キロに迫ってる。各メーカーの努力には頭が下がるばかり。
マイルドHVエンジンは、まずはコンパクトカーに導入
ただし、このスズキが開発したマイルドハイブリッドエンジンは、まずはスイフトなどのコンパクトカーに導入していく模様。軽自動車はこれ以上価格に転嫁しづらいのでしょうが、スイフトなどに導入されれば、コスパ的にはアクアやフィットなどとは十分対抗し得るのではないかと思う。ちなみにエンジン周り以外では、車体も更に15%以上の軽量化を目指してるんだとか。一番手っ取り早く、低燃費に貢献する部分だと思うので、スイフトがリッター30キロを超える日も近そう。でもスイフトの場合は、走行性能や加速性能に力を入れた方が売れそうな気配はしますが。