フィアットは、3月4日に開幕するジュネーブ・モーターショーにおいて、「フィアット パンダ 4x4」をベースにオフロード性能を向上させた「フィアット パンダ クロス」をデビューさせると発表。その画像と概要を公開した。フランスのフィアット(FIAT)がプチクロスオーバー的なジャンルの「パンダクロス(PANDA CROSS)」を、ジュネーブモーターショーで発表するそう。記事中ではスズキ・ハスラーのライバルになるんじゃないか?と結ばれていた。
http://jp.autoblog.com/2014/02/22/new-fiat-panda-cross-looks-adorable/
ただ個人的にデザインや排気量の違いを含めて、ハスラーのライバルにはならないと思う。
欧州仕様なターボエンジン
パンダクロス(PANDA CROSS)のエンジンスペックを見てみると、二種類用意されている。その2つとも、やはりプチクロスオーバーを狙ってるのかターボエンジンしか用意されてない。一つ目は、0.9リッターの2気筒ターボエンジン。TwinAirと呼ぶそう。二つ目は1.3リッターの直列4気筒ターボディーゼルエンジン。MultiJet IIと呼ぶそう。ちなみに最高出力は80hp/4,000rpmで、最大トルクは19.4kgm/1,500rpm。
ルノーは2月20日、新型1.6リットルツインターボ・ディーゼルエンジン『dCi160』を発表した。2リットルエンジン比で25%の燃費低減を実現したという。ルノーは、F1で成功したエンジン・メーカーとしての経験を同社の小型化戦略に投入。最近ルノーが最新のターボエンジンを開発してみたり、ヨーロッパは「ターボ」プラス「ディーゼル」が本当に主流になってるんだなーとつくづく感じる。日本の場合は燃費を追求する以上、どうしてもパワー感・動力性能は置き去りになっても構わないと考えられがちですが、そういう姿勢は改めて欲しいところ。
http://response.jp/article/2014/02/21/217745.html
ハスラーのエンジンと比較
それは置いとき、もしハスラーのライバルになるとしたら前者のエンジン。300ccほどパンダクロス(PANDA CROSS)の方が上なので比較する意味があるかは不明ですが、ハスラーのXターボというグレードと簡単に比較。パンダクロスの0.9リッターターボエンジンの最高出力は90hp/5,500rpmで、最大トルクは14.8kgm/1,900-3,000rpm。ハスラーの0.6リッターターボエンジンの最高出力64ps/6,000rpmで、最大トルクは9.7kg・m/3,000rpm。出力の単位「hp」と「ps」はほぼ同じだから気にしなくてオッケー。
正直そこまで見劣りするほどの差ではない気がする。パンダクロスの重量はまだ明らかになってないですが、ハスラーの方がかなり軽量なはずだから、トータルの動力性能で考えると良い勝負しそう。
ちなみに軽自動車のターボエンジンの最高出力は、どこのメーカーも64ps(馬力)という自主規制が働いてる。ただ軽自動車の税金が上がる以上、このアホな規制はいい加減取っ払っても構わないはず。
ハスラーのデザイン性の高さ
比較して分かるのは、改めて伝わるハスラーのデザイン性の高さ。同じオレンジ系統のカラーにも関わらず、ポップさの次元が違う。ただハスラーも、もっとドアの部分は飾ってもいいのかも。ちょっと寂しい感じ。ハスラークーペはすごく良いと思うけど、何故発売される予定がないのが不思議で堪らない。
ポップさだけではなく、オフロードチックな部分でもハスラーの方が優れてる。例えばアプローチ・アングル、デパーチャー・アングルや最低地上高。全部パンダクロス(PANDA CROSS)が負けてる。
順番に見ていくとハスラーの28度に対してパンダクロスは24度、46度に対して33度、18cmに対して15cm。デパーチャーアングルに至っては、ハスラーの圧勝。
アプローチ・アングル、デパーチャー・アングルとは?
ちなみにアプローチ・アングル、デパーチャー・アングルとは何か?http://www.nissan.co.jp/SAFARI/REPORT/post_8.html
画像の①と②の部分。角度が高ければ高いほど、地面と接触しづらくなる。ハスラーは画像のクルマより負けてない。オフロード性能という点で見ると、「デザイン性が高い=機能面でも優秀」ということが言える。
世界で戦える日本の軽自動車!
こうやって見てくると、ハスラーがどうこうより「日本の軽自動車のレベルの高さ」が伺える。ガラパゴスと揶揄されがちな軽自動車ですが、むしろ世界に売り出せるほどクオリティーが高い。0.9リッターのエンジンがヨーロッパでも発売されてて好評なんであれば、日本の軽自動車は全然世界に立ち向かって行けるはず。