2019年5月20日月曜日

トヨタ社長の「終身雇用ヤメたい」発言の真相とは?



2019年5月13日、トヨタ自動車の社長・豊田章男が「なかなか終身雇用を守っていくというのは難しい局面に入ってきたのではないかと」と発言したことが話題になりました。

要するに「正社員をずっと雇用し続けるのは無理」という主張。

正確にはトヨタ自動車社長としての発言ではなく、日本自動車工業会の会長としての発言。そのためトヨタに限らず、「自動車メーカー全体の総意」と受け取ってもいいのかも知れない。

そこで今回トヨタ社長の発言から、「解雇規制緩和する狙い」や「解雇のハードルを下げようとしている」といったことを指摘する声も聞かれました。確かにトヨタ社長の発言を聞く限り、そういった一面はありそう。




政府与党の自動車メーカーに対する冷遇措置に嫌気?


でも、どちらかと言うと国や政府に対する批判の意味合いが大きそう。

何故なら、国や政府は「70歳定年制」を掲げているから。もし終身雇用を維持する場合、企業は更に70歳まで社員を雇用し続ける必要が出てくる。一方、国から企業に対する補助は少ないのでは負担が増すばかり。

だから、トヨタ社長も「雇用を続けている企業にインセンティブがあまりない」とディスってる。要するに、法人税の減税やその他の負担軽減策を政府与党は行ってないと主張してる。

別にトヨタも好き好んで解雇したいわけではない。むしろ待遇面ではトヨタほど充実してる企業も存在しないでしょう。もはや今どきブラック企業には人だって集まらない。

とりわけトヨタなどの自動車メーカーはできる限り、海外での生産を抑えて国内に留めようとしてる。もちろん自動車メーカーの海外生産は年々増加傾向ですが、それでも国内の顔色を伺って雇用を維持してる。

これだけ自動車がグローバル産業として定着すると、自動車メーカーからしたら海外で販売する新車は海外で生産したい。日本国内だけに集中しておくと大震災が起きた場合、新車の生産販売が世界的にストップする。


外圧を利用して自動車メーカーは海外生産を増やす?


また最近はアメリカ大統領のトランプは、海外から輸入される自動車に対する関税を増やそうとしたり、自動車の輸入台数そのものにも制限を掛けようとしている。

トランプを支持してるアメリカ人はアホしかいないのかと思っちゃいますが、逆にこういった外圧は海外生産を進める上での口実に繋がるため、自動車メーカーにとって「渡りに船」。

自動車メーカーからしたら、負担だけを押し付ける安倍政権に媚びを売るより、強硬姿勢のトランプに従うふりをした方が明らかに得策。本来、自動車メーカーが望んでいた展開になるんですから。

もちろん海外工場の方が労働争議やストライキは激しかったりするんでしょうが、いろんなリスクを減らす意味で多くの自動車メーカーは「国内から脱出したい」のが本音なのでしょう。

現状、日本政府与党の無策っぷりを見る限り、為替がいくら円安に進もうが自動車メーカーは今後工場の海外移転を推し進めていくのでしょう。

【参考サイト・カーギーク】
car-geek.com