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実燃費が10km/Lを割ることはまずない?
マガジンX10月号 |
この4Cスパイダーの実燃費をもう少し詳しく見ていくと、高速燃費は走行距離が150km。もちろんお盆の帰省時などの渋滞時は別でしょうが、これだけ走行すれば十分信頼に足る燃費値と言えるでしょう。普段高速で走る分には4Cスパイダーの実燃費はこれぐらいと考えて良さそう。
そして市街地燃費。先程の実燃費は一周13kmのコースを三回周った内の最初の数字。燃費に気を使いながら発したそうですが、それでもエアコンありでの実燃費なので優秀。二回目も同じような実燃費。
三回目はエアコンオフで走行したそうですが、この時の4Cスパイダーの実燃費は12.5km/L。先程書いたカタログ燃費を市街地燃費でも上回るという結果に。4Cスパイダーの燃料タンク容量は40Lなので、一回の給油で市街地だけで480km前後は走れるのではないかと予想されます。ちなみに4Cスパイダーはハイオク仕様なのでレギュラーガソリンより維持費がかかるのはご愛嬌。
試乗記事では「かなり飛ばしても4Cスパイダーの実燃費が7km/Lを下回ることはなかったのには驚いた」と表現されています。つまり逆に考えると、普通に走ってる分には4Cスパイダーの実燃費は悪化しない。前述の数値も考慮すると10km/Lを割ることはないか。
アルファロメオ・4Cはスポーツカーということでハードルが下がってたことも影響してると思いますが、それでもスポーツカーの実燃費として見ると低燃費と言えそう。
車重の軽さが実燃費の良さに貢献
やはり何といっても4Cスパイダーの車重が軽い。なんと1060kg。国産のコンパクトカー並み。ヘタすると4Cスパイダーはそれらより軽量かも知れない。普通の4Cの車重も1050kgとやはり軽量。これはシンプル。アルファロメオ・4Cには5000万円クラスのスーパーカーに採用されてるようなプリプレグ整形のCFRPモノコックボディを採用してるから。また4Cの車体サイズを見ても3990×1870×1190mm(全長×全幅×全高)と、全長が4メートルを切るサイズ。日本の道路でも扱いやすいサイズ感。
だからスポーツカーは実燃費が悪いと思われがちですが、意外とそうでもない。何故なら車体を軽量化すればするほど燃費が良くなるだけではなく、クルマの走行性能や加速性能が増すから。いくらエンジンパワーがあっても、車体そのものが重かったら相殺されてしまう。
例えばアルファロメオ・4Cと全くジャンルは違いますが、日本でも軽自動車のアルトワークスが復活しましたが、あの車重は600kg台。こちらはこちらで異次元レベルですが、これだけ軽かったら実燃費は良いに決まってる。
実際このアルファロメオ・4Cに搭載されてる1.7L直4ターボエンジンは、最高出力が177kW(240PS)、最大トルクは350Nm(35.7kgm)。もちろん今時240馬力程度の出力は珍しくはないですが、それでも1100kgを切る車両重量でこの組み合わせたら反則と思える加速感が体感できるはず。
つまりは痛快な走りと良好な燃費は両立できる。そこをどうやってパッケージングして商品化していくか、そういうセンスが日本車メーカーに問われている気がしました。最後は4Cスパイダーの実燃費と若干ずれてしまいましたが、いわゆるライトウェイトスポーツの未来は意外に明るいはず。ポルシェなどのようにプラグインハイブリッド化するだけが道ではないはず。