2016年7月16日土曜日

日産 セレナ 自動運転「プロパイロット」の実力と評判 評価まとめ



日産セレナが来月8月に6年ぶりにフルモデルチェンジ。そこで注目されている機能が、やはり何と言っても「自動運転(プロパイロット)」。盛んに日産はCMなどでアピールしているのでいちクルマ好きとしても期待が高まります。

プレイボーイ31号
そこでプレイボーイが「セレナの自動運転」を最速試乗されていたので、果たして本当に安全なのか?しっかり自動運転と呼べる代物なのか見てみたいと思います。ちなみに日産 新型セレナのフルモデルチェンジ情報についてはこちらを参照。




プロパイロット1.0のレベルとは?

まず今回セレナに導入する自動運転はプロパイロット1.0。レベル的にはドラクエのスライム級。具体的には自動車専用道における「単一車線内での自動運転」。敢えて「自動車専用道」と言っているのは、まだ裏道や抜け道といった場面は想定してないからだと推察されます。

レベル2のプロパイロット2.0はそこから「レーンチェンジ」が追加され、レベル3は更に「歩行者がいる街中の交差点での自動運転」を予定しているそう。時期的にはレベル2は2018年、レベル3は2020年と割りと早期の実現を目指しているらしい。


やはりACCの延長線上だが優秀

結論から書くと、日産 新型 セレナに導入されるプロパイロット1.0の実力はあくまで「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」の延長線上という評価。

ACCとは定速走行ができるクルコンを更に進化させて、ドライバーがアクセルペダルを踏まなくても前方車両と車間距離を維持しながら速度を自動的に調整してくれるというもの。自分もセレナのモデルチェンジの記事でそのような表現を使いましたが、やはり試乗された方も「機能的にはACCとほぼ同じ」と評価されています。

ちなみにセレナのプロパイロット機能は、普通のクルーズコントロールのようにハンドルに付いたボタンをポチッと押すだけで簡単らしい。

このACCはスバル・EyeSightやホンダ・ホンダセンシングにも既にあって、アイサイトは同じように車線内からクルマが飛び出そうと自動的にハンドル制御もしてくれる。じゃあ「新型セレナはショボくね?」という話かというと、もちろんそんなことはありません。

何故なら、アイサイトなどは車速が65km/Lではないとハンドル制御を行ってくれない。またホンダセンシングは車速が30km/L以下になると、ハンドル制御はおろか速度も調整できなくなります。

一方、それに対してセレナのプロパイロットは時速が何km/hであってもハンドル制御を行ってくれる。渋滞時でもペダルから足を離したとしても、自動的に再発進・速度の加減速・ハンドル制御もお手の物。まさに全自動。また他社だと小さいカーブでもプロパイロット機能が切れることがあるのに対して、ほぼほぼどんな自動車専用道でもACC機能は簡単に切れないんだそう。

そして試乗された方によれば、そのステアリングアシストはかなり強力。「肩の力を抜いていると、ハンドルに手が引っ張られるくらいだった」とのこと。それだけセレナは周りの状況を把握できてる証拠なんだと思います。

だからセレナの自動運転…ACCはスバル・アイサイトを軽く超えたと言ってもいいレベルでしょう。


あくまで現在は半自動運転・運転支援の範疇

だからセレナのプロパイロットは割りと「自動運転に近い」とも言えます。ただあくまで「運転支援システム」。日産自動車の中の人もあれだけCMで矢沢永吉に喧伝させておきながら、「手放し運転もできるんでしょ?」という質問には絶対にうなずかなかったそう。

実際、新型セレナで手放し運転しようと思ったら「数秒でプロパイロット機能が切れた」んだそう。最近アメリカ・テスラの死亡事故が発生したこともあって、新型セレナでは急遽更に厳し目に設定した可能性も考えられます。だから「手放し自動運転」とは程遠いとは評価できます。

とはいえ安全を重視した上での対応だと思いますし、セレナの自動運転はかなり便利な機能。「プロパイロットを含むレーダークルーズコントロールや車線維持アシストは一度使ってしまうと、なんともラクチンで依存体質になってしまうのも事実」と記事では評価されています。

時期的にはそろそろですが、お盆の帰省などは長時間の渋滞が発生しがち。特にお父さんドライバーは疲労困憊。その時にこのセレナの自動運転機能を使えば、相当精神的にも肉体的にも楽。

それでもレーンチェンジや人混みが多い交差点での自動運転はまだまだハードルが高いと思いますが、セレナのプロパイロット機能の実力・レベル・評価を見ると今後の展開はかなり期待できるのではないでしょうか?


価格は24万円(笑)

ちなみに、このプロパイロットの価格は24.3万円だそう。
もう少し詳細を書くと、新型セレナでは「セーフティパックA」と「セーフティーパックB」というオプションが設定される。セーフティーパックAはアラウンドビューモニタなど現行セレナと装備は変わらず、価格は約11.3万円。

そしてプロパイロットなどが含まれる「セーフティーパックB」の価格が約24.3万円。だから正確には自動運転の価格は差額の13万円前後と予想できますが、あくまで他にも別の装備もセットで付いてくる。しかも設定できるのはハイウェイスターなので、更に全体の価格はアップしてホンダ・オデッセイHV並みの価格になるとかならないとか。


ただスバル・アイサイト3.0もアドバンスドセーフティーパッケージを含めると余裕で20万円を超えたはずなので、プロパイロットの価格自体は決して割高とは言えないと思います。いずれ素のセレナにも設定できるようになるはず。