2016年3月18日金曜日

アウディ 新型 A4の実燃費と試乗まとめ



つい先日Audi新型A4がフルモデルチェンジ。「MLB evo」という新型プラットフォームを初めて採用して大幅な軽量化を達成。エンジンユニットも新しく刷新されて、新型A4の燃費性能や走行性能が大幅に向上したとか。

確かこのA4が日本国内だとアウディで一番売れてる車種。コンパクトカーのA1とかよりも人気だった気がします。だから注目度も自ずと高いはず。

ベストカー3月26日号
そこでベストカーさんが新型A4「2.0TFSI & クワトロスポーツ」とBMW「320iスポーツ」、メルセデスベンツ「C200アバンギャルドAMG」、レクサス「IS200t」とを比較した試乗記事を書かれてたので軽くまとめてみました。


ほぼカタログ燃費通り?

まずは新型A4の実燃費。残念ながら高速道路のみ(首都高速・西神田→湾岸線アクアライン金田出口)での計測になりますが、これがなかなかの低燃費。

エントリーグレードである「A4 2.0TFSI」の実燃費は18.1km/L。カタログ燃費が18.4km/Lですのでほぼ同じ。

スポーティーグレードの「A4 2.0 TFSI quattro sport(クワトロスポーツ)」の実燃費は16.4km/L。カタログ燃費15.5km/Lを優に上回ってます。

デュアルクラッチトランスミッション(DSG)は高速走行では有利に働くと言われてますが、それにしても優秀。新型A4では空気抵抗係数(Cd値)0.23を達成してることも大きいんでしょうか。ただ新型A4はロードノイズが目立つという指摘も。

ちなみにエンジンはどちらも2.0L ターボなんですが、「A4 2.0TFSI」の最高出力は140kW(190PS)、最大トルクは320Nm(32.6kgm)。一方、「A4 2.0 TFSI quattro sport」の最高出力が185kW(252PS)、最大トルクが370Nm(37.7kgm)と後者のグレードの方がパワフルになってます。

つまりクワトロスポーツだと250馬力以上ある。しかもクワトロとあるように駆動方式はフルタイム4WD。それで実燃費が16.4km/Lを実現してるのは試乗に…もとい非常にすごい。下手すりゃハイブリッドカー並。

そこで他車の実燃費を見ておくと、こんな感じ。BMW「320iスポーツ」の実燃費は18.5km/Lメルセデスベンツ「C200アバンギャルドAMG」の実燃費が17.1km/Lレクサス「IS200t」の実燃費が13.3km/L

だから新型A4に限らず、ドイツ車の燃費は優秀。まあ高速走行に限っての話かも知れませんが、「外車・輸入車=燃費が悪い」という固定観念は間違っていると言えそうです。


エンジンフィールに関する感想

ベストカー3月26日号
そこで新型A4のエンジンに関する試乗感想を見てみると、「特に2000rpm以下のごく低回転域でのトルクの図太さや粘り強さはライバルのそれとは一線を画している」という評価。4WDモデルである「A4 2.0 TFSI quattro sport」に関しても、「低回転域での力強さを備えつつ、高回転側へと綺麗にパワーが盛られていく」とのこと。

つまりA4がどうこう以前に、この「2.0 TFSI」というエンジンの出来が素晴らしいんでしょうね。低回転域だけではなく「6000rpm超のレッドゾーンまで淀みなくスイっと吹け上がる」と、この試乗記事では評価されています。

ただスペック的にも新型A4の方が優れていますが、トータルでは「BMW3シリーズの方に分がある」という感想も。しかし新型A4の静粛性は高く、BMW3シリーズではパワートレインからのノイズが大きめとのこと。ココらへんは一長一短でしょうか。

一方、ISに投入されたレクサス自慢の2.0Lターボは吹け上がり感が重々しいという評価。ただ静粛性自体には優れていて、全域でパワートレインからのノイズが抑え込まれていて不快さは少ないそう。ベンツCクラスはBMW3シリーズと同じくパワートレインからのノイズが大きく、雑味も多め。また伝わってくる微振動も不快という感想でした。


ハンドリング性能

新型A4のハンドリング。ベストカーさんの試乗記事では「先代より操舵性がナチュラル。操舵ゲインと旋回G、ロール量などの連携感がリニアになった。コーナリングの所作はアウディらしいやや人工的な感覚」とのこと。

ちょっと何を書いてるかよく分かんないですが、操舵ゲイン(ステアリングゲイン)とは「ハンドルの操作量をどれだけタイヤの傾きに反映させるか」みたいなこと。操舵ゲインが高いと、それだけ車体がクイックに曲がるんだと思います。ロール量や旋回Gはコーナリングにおける遠心力みたいなことだと推察されます。

これらの連携が新型A4ではリニア(直線的)になったということ。これでもまだ意味が分かりづらいですが、要はコーナリングを素直に行えるようになった。応答性が増した的なことだと思われます。つまり新型A4では「ハンドリング性能が増した」という解釈でオッケーのはず。


室内空間や内装

新型A4はFFだけあって、BMW・320iやベンツ・C220などFR勢よりも室内空間は広め。身長181cmの渡辺敏史という方が乗っても、後席レッグスペースは新型A4がコブシ2個分だったのに対して、レクサスISはコブシ1個分でした。乗り降り自体もA4は他よりもしやすかったっぽい。

また荷室空間は新型A4が480Lと、BMW3シリーズやレクサスISと同じ。ベンツC220だけ445Lとやや小さめ。ここらへんの使い勝手の良さは大差はない模様。

内装の質感に関しては、高級ミドルセダン車なので基本的にどれも素晴らしいんですが、ベストカーさんの試乗記事ではA4の内装はそれでも1クラス上という評価。「仕上がりは上位のA6をも上回る」といった表現がこの試乗記事ではされています。

確かにA4のデザインは統一感があって、そういうのも高評価に繋がった理由か。統一感という点ではベンツCクラスも負けてないと思われますが、新型EクラスがSクラスに準じたインパネを取り入れたこともあって結果的に落差を少し感じる結果に?レクサスISの内装は新型A4に肉薄するとのこと。

ただA4だけ「アクセルペダルが吊り下げ式」なのが気になるという批判も。


乗り心地

新型A4の乗り心地に関しては、ベストカーさんの試乗記事ではやや評価は低め。前述のとおり内装の質感は文句ありませんでしたが、新型A4では「ゼブラ舗装といった人工的な凹凸には正直に反応しすぎて車体の動きが大きくなる癖がある」とのこと。

試乗した渡辺敏史さんは本国で先にA4に試乗していたらしく、その時とのギャップ感が大きかったらしい。決して問題があるレベルではないものの、少なくともA4は日本特有の地形に合わせたセッティングはされてない模様。

一方、ベンツCクラスは「いかなる大入力でも一発で吸収してくれて姿勢をフラットに保ってくれる。いなし感の作り込みが非常に巧い」とべた褒め。BMW3シリーズもそれに近い評価でした。


総合評価 評判 口コミ

ベストカーさんの試乗記事を読む限りは、新型A4の出来は上々。基本的に欠点らしい欠点は見当たりません。内装の質感が高いのでA4を所有する満足感は高いだろうし、加速性能の高さは走っていても楽しいはず。そして燃費もよろしいと来たら、VWショックも余裕で吹き飛ばすぜー!?

ただ強いて言えば、320iやC220と比較するとA4の価格は割高。先代モデルと比較しても多分40~50万円ほど高い。まさに「A4を超えたA4」という表現は的を射ている気もします。「BMWやメルセデスベンツよりも安い」からAudi・A4を購入していたユーザーさんはどう評価する?といったところでしょうか。