2015年8月13日木曜日

制限速度60キロが無意味だと警察庁が認めてた件



自動車免許を更新するとき、講習で貰えるのが「安全運転を確かなものにするために」という冊子。これは警察庁交通局が責任をもって監修しているらしい。この類いの本をじっくり読んでる人も少ないとは思いますが、実は事故に関する詳細なデータも載っています。

そこでパラパラとめくって読んでいると衝撃的な事実が載っていました。それが「時速80キロ超での事故はほとんどない」ということ。



時速80キロ以上の事故は極めて少ない

17ページ目(第二版第1刷)
それがコチラ。画像だと少し見づらいですが、人身事故全体の80%近くが時速40キロ以下で発生してる。時速60キロ以内に限定するとなんと99%。いわゆる速度超過で人身事故を起こした割合は、たった1%しかない。

死亡事故ではさすがに速度超過の割合が増えるものの、それでも時速80キロ以上では7%、時速60キロ以上80キロ以下では11%。死亡事故に関しても、ほとんどが時速60キロ以下。交通事故による死者は年間4000人台だったので700人ちょい。

これらの数字をどうとらえるかは人それぞれだとは思いますが、個人的には警察庁さんが言うように「意外に少ない」という表現がピッタリだと思った。

制限速度を引き上げても良いんじゃね?

現在の「法定速度は60キロ」と法律では決まってます。そこで渋滞緩和のために制限速度を時速70キロ80キロに引き上げようという意見には、必ず「法定速度を引き上げると事故が起きる」という反論が起きます。

でもこれらのデータを読み取る限りはそれは間違いであって、警察庁自身も「別に時速60キロに合理性とかねーよ」と言ってるとしか思えない(笑)

考えてみると、むしろスピードを出した方がドライバーの集中力は高まる。普通、スピードを出した方が人間は恐怖感を感じる。だから高速道路のような常にスピードを出し続けてる状態だったらいざ知らず、一般道路だったらそれだけ注意力も増しそう。

逆に低速で走行してる方が、ドライバーは気を抜きがちで注意力が散漫になる。結果として、それが交通事故全体の80%が時速40キロで起きてるという前述のデータにも繋がってるはず。

この警察庁がまとめたデータを見る限りは、制限速度・法定速度を現在の時速60キロから、時速80キロぐらいまで引き上げても、実際そんなに交通事故は増えないと思う。住宅地などで時速80キロでブンブン飛ばすドライバーもそこまで多いとは思えず、もし多数いたとしても物理的にスピードが出ない道路に作り替える方が現実的かも。