だから日本メーカーはディーゼルエンジンの開発が遅れてるのかなー…と思いきや、意外に国産ディーゼルエンジンが多かった。合計5種類の国産ディーゼルエンジンが現在日本では発売中。そこでその特徴とスペックをまとめてみました。
ちなみに全て直列4気筒のターボチャージャー付きです。例えば、スズキは2気筒の800ccのディーゼルエンジンを開発済みですが、インド国内でしか発売されてないのでそういうのは除外してます。でもいずれ日本でも導入されたりして?
トヨタ自動車(1GD-FTV)
まずは世界のトヨタ自動車から。ベストカー7月26日号 |
最高出力が177PS、最大トルクが45.9kgm。圧縮比が15.6とかなり高く、カタログ燃費が11.2~11.8km/L。レスポンスさんによると「次世代高断熱ディーゼル燃焼と名付けた独自の燃焼技術と、内製化した高効率可変ジオメトリーターボチャージャー」が採用。車体の大きさを考慮すると優秀な燃費性能。もちろんエンジン部分以外の要素がたぶんに絡んできますが、価格は396~513万円とやや割高。
トヨタとマツダが提携したことが話題になりましたが、ついプラド搭載のディーゼルエンジンはマツダ製?と思ったりもしますが実は違います。トヨタが開発した完全オリジナル。トヨタ車としては、ディーゼルエンジンは8年ぶりに復活。特徴としてはディーゼルエンジンから排出される有毒なNOxを尿素SCR(アンモニア水?)で除去してます。
一応グローバルに展開してて、世界を見渡すと2.4Lバージョンもあります。世界的にもSUVブームですから、いずれプリウスSUVバージョンの登場もウワサされてますが、いずれ2.4Lディーゼルターボも日本で投入されるかも?
ちなみに新型ランドクルーザー200にはディーゼルエンジンは搭載されません。理由としては「ランクル200はV8エンジンでこそ存在価値があるやん?」ってことらしい。GDエンジンは言っても4気筒なので知れてる。新型ランドクルーザー200には引き続き「1UR-FE」というV8エンジンが搭載され、最大トルクでこそプラドのディーゼルと変わりませんが、最高出力が318PSと寄せ付けない。
マツダ自動車(S5-DPTS・SH-VPTR)
続いてマツダ自動車。トヨタのディーゼルターボとは異なって、そもそも有害なNOxを排出ガスとして出さない仕組み。だから尿素SCRという新たな出費は必要としません。上 |
排気量は1500cc。最高出力は105PS。ただ最大トルクは車種でバラバラ。デミオの変速機6MTだと22.4kgm、6ATが25.5kgm。CX-3の最大トルクは27.5kgmと微妙に差が出てます。このスペックは出力は1800cc、トルクは2500ccのガソリンエンジン並み。
価格はデミオが178~219万円ですが、CX-3は237~302万円とほぼ外車並。あとCX-3はデミオと異なって、3ナンバーと大きめ。だから意外に車重も重くて、圧縮比は14.8と高いものの、デミオの燃費が22.8~30.0km/L、CX-3の燃費が21.0~25.0km/Lと歴然とした差があります。色んなCX-3の試乗レポートを読む限りは、同じエンジンでもそこまで評判は?
下 |
とにかく何と言ってもパワフル。最高出力が175PS、最大トルクが42.8kgm。リッター19キロ台後半を維持しつつ、このエンジンスペックを確保してるのはすごい。CX-5だと低速トルクが分厚いので悪路や雪道などオフロード走行が得意と世界的にも評判だとか。
アクセラもアテンザもCX-5も価格は300万円以上を超えてますが、CX-3の価格を見た後ではそこまで割高感はしない?
三菱自動車(4N14・4M41)
最後は三菱自動車。意外な感じもありますが、実は近年において真っ先に国産ディーゼルエンジンを復活させてきたのが三菱自動車のパジェロ。特徴としては、有害なNOxには吸蔵還元触媒を利用して無害化してます。トヨタのように尿素水は使ってないので新たな出費は不要?詳しく見ていくと、クリーンディーゼルターボは二種類。デリカD5に搭載してるのが「4N14」とパジェロに搭載してるのが「4M41」。似たような型番号で一瞬どっちがどっちか分かりません。
デリカD5の「4N14」は、国産ディーゼルエンジンで唯一ミニバン車に搭載。排気量が2300cc。圧縮比が14.9とやはり高く、カタログ燃費が13.6km/Lと決して悪くはありません。最高出力が148PS、最大トルクが36.7kgm。動力性能では他のミニバン車を寄せ付けません。CMでも急な坂を登ってる映像が印象的。
パジェロの「4M41」は排気量が3200cc。圧縮比は16.0と、国産ディーゼルエンジンの中でトップ。最高出力は190PS、最大トルクは45.0kgmとパワフル。片岡英明という自動車評論家さんによると、「オフロード性能は文句無くダントツ」だそう。また燃費は10.0km/Lと二桁を確保。2.2トンという車重を考慮すると、十分すぎる燃費。
価格はデリカD5が351~404万円、パジェロが375~493万円。冒頭のトヨタ・ランドクルーザープラドに決して負けない価格。正直手を出しづらいといえば出しづらい。デリカD5だと余裕でトヨタのアルファードやヴェルファイアが購入できる価格ですから。
ベストカー8月10日号 |
つまりパジェロはしばらく古いディーゼルエンジンのまま続きそう。ちなみに軽自動車版パジェロミニは2017年8月頃に復活するという噂も。