ムーブカスタムハイパー |
ダイハツは、「 ムーヴ 」と「 タント 」に一部改良を施し5月11日(月)より発売開始する。今回の一部改良では、ムーヴ、タント共に衝突回避支援システム「スマートアシストII」を採用。ダイハツの自動ブレーキ「スマートアシスト(通称スマアシ)」が、このたび進化するらしい。その名も「スマートアシスト2」。素晴らしいネーミングセンス!
http://autoc-one.jp/news/2166400/
そこでスマートアシスト2ではどう進化したのか内容をまとめてみた。
カメラ搭載は軽自動車初!
スマートアシスト2の最大の特徴としては、軽自動車初のカメラを一つ搭載したこと!先日改良されたスバルアイサイト3も然り、自動ブレーキの進化は目覚しいものがあります(*´Д`)ちなみにその改良アイサイト3ではカメラが4つに増加!
旧型スマートアシストは赤外線レーザーのみだった。何故なら、価格を安く抑えられるから。だからスズキやホンダの軽自動車の自動ブレーキも赤外線。ちなみに、自動ブレーキの種類は大まかに3タイプあります。
だから新型スマアシ2からは、赤外線+カメラの併用タイプになった。トヨタセーフティーセンスCがまさにそれ。ちなみにホンダセンシングはミリ波レーダーとの併用タイプだから、それらよりは優秀。
だから自分が予期した通り、今後の自動ブレーキはカメラとの併用タイプが主流になっていくはず。でも軽自動車に併用タイプの自動ブレーキが搭載されるのがここまで早いとは思わなかった。
そこで次はカメラを搭載したことで何が進化したのか見てみたいと思います。
スマアシ2の作動速度
まずは自動ブレーキの本髄である作動速度。いわゆる衝突回避支援ブレーキ機能と呼ばれるもので、目の前の障害に対して自動的にストップしてくれるかどうか。旧型スマートアシストでは自分の車が時速30キロまでだった(実際には状況によって時速20キロ程度が限界)。でもカメラ機能を併用することで、その作動速度が大幅にアップ。それが時速50キロまで対応して、自動的にブレーキを掛けてくれる!
これはすごい大きな進化。スバルアイサイト3よりはさすがに劣るものの、日常的に使う分には特に問題ないレベル。やはり赤外線レーザーの時速30キロまで、ってのは心もとない。言い方は悪いですが、時速30キロまでの交通事故だったらエアバッグでナントカなるんじゃね?という話なので、正直あってもなくても…と思ってしまう。
(5月19日追記)
ただしあくまで「時速差30km/h」という条件が付く。つまり止まってる車両に対しては、旧型スマートアシストの時速30km/hからほぼ進化はしてない。自分の認識不足でしたが、正確に表現したら「動いてる低速車両にも対応」した程度の進化と言えます。
時速100キロまで危険を認識!
あとは走行中の前方車両の接近に対する対応も進化。前方車両の接近を警告は、旧型スマートアシストでは自車の時速30キロまでだった。でも多くのドライバーは自力で対応できる範疇の速度のはずなので、あまり意味をなしてる機能とは言えない。
ただ新型スマートアシスト2からは、自車の時速100キロまでだったら警告してくれるように進化。そろそろゴールデンウィークにも突入しようとしてますが、高速道路での走行に対応した機能。遠出ドライブする人や家族連れも多いと思うので、どうしても疲れから注意力が散漫になりがち。そういった時に危険を知らせてくれる。
スマアシのカメラちゃん素敵。
(5月19日追記)
ちなみに、これも「速度差が約60km/h以内」+「先行車両との距離が80メートル以内」 という条件が別につく。仮にコチラが時速100km/hで走行してても、相手車両が40km/h未満の速度で走行してたら警告はしてくれない。当然高速走行していた場合、80メートルという距離の差は案外短いようにも感じる。
スマアシ2は「歩行者」にも対応
スマアシ2にカメラ機能を搭載したということは、対象物が「何」であるかも識別・判別できるようになった。それが「歩行者」にも対応できるようになったこと。
やはり赤外線レーザーは性能が低いため、静止している対象物は認識できても、動く歩行者を認識するには限界があった。事前に警告してくれることでドライバーの注意力がアップする。
ただし、あくまで警告止まり。スマアシ2は歩行者を発見しても自動的に停止してくれるわけではありません。
車線からのはみ出しにも対応
そしてラストが「車線逸脱警報」。カメラがあることでセンターラインなどを認識できるので、スマートアシスト2では車線をはみ出しそうになると警告してくれる。条件は、「時速60キロ以上でウィンカーを出さない」とき。
高速道路上で走行してるケースを想定。ただ追い越し車線に入りたい場合、いつも横着してウィンカーを出さない人にとってはお灸をすえられるカタチ。最近はみ出し事故で理不尽な裁判の判決が出て話題になりましたが、センターラインのはみ出しを防止する機能は今後かなり需要が伸びるはず。
でも、あくまで「警告止まり」という点に注意。アイサイト3などのようにハンドルを制御してくれることはない。過度な期待は禁物。でもいずれハンドルの自動制御にも対応してくれるでしょう。
トヨタのセーフティーセンスと同じ
今回のダイハツのスマートアシスト2をまとめると、一応タイトルではアイサイトと比較したような感じになってますが、実際には赤外線+カメラ併用タイプのトヨタのセーフティーセンスCと機能は似てる。ただムーヴではリアにもレーダーを発射してるので、むしろトヨタのセーフティーセンスC以上かも知れない。また普通車だと車両重量が1トンを超えるのは当たり前ですが、軽自動車は軽いからブレーキの制動力自体が効きやすい。それだけ自動ブレーキの効果も発揮されやすい。
(5月19日追記)
4月29日の段階で「トータルの衝突安全性ではアイサイトを超えるかも」と書きましたが、改めてスマートアシスト2の詳細を見てみると、さすがにそれは大げさでした。
スマアシ2のまとめ
一番最初にどの軽自動車メーカーがカメラタイプの自動ブレーキを導入するか、ずっと個人的に興味があったんですが、その答えとしてはダイハツでした。ムーブが軽自動車で一番初めに自動ブレーキを導入したこともあって、まさに面目躍如?個人的にはスズキに頑張ってほしかったですが、先を越されたカタチ。ただワゴンRなどに導入してる「レーダーブレーキサポート」は少し特殊。普通はフロントバンパーやグリルあたりに配置してるんですが、ルームミラーあたりに赤外線レーザーを配置してる。
今回のスマアシ2やアイサイトを見てもらったら分かるように、ちょうどそこにカメラを設置してる。だからもし赤外線レーザーとの併用タイプの自動カメラを導入する場合、カメラの配置するのが難しくなってくる。
だからスズキとしては今後どういった対応を取れるのか、同じように赤外線とカメラを併用するのは厳しそう。ということは、ソリオに搭載してるミリ波レーダーに変えてくるしかないと思いますが、それだけで「カメラ+赤外線レーザー」の併用タイプに対抗できるかどうか。
またホンダにはホンダセンシングという自動ブレーキがある。今後はNシリーズにも投入してくるはずですから、スズキとしては形勢は更に不利なりそう。スズキはどこもカメラは導入してこない?と思い込んでた節もありそうですから…うーん。
(5月19日追記)
…と4月29日に書きましたが、5月19日にはスズキの軽自動車スペーシアがマイナーチェンジ。そこで自動ブレーキも進化させて、スマアシ2を上回るカメラ二個を搭載。まさにアイサイト2方式。むしろスマアシ2よりアイサイトの性能に近く、結果としてはデュアルカメラブレーキサポートに10日足らずで追い抜かれたカタチ。
スズキはなにも考えていなかったどころか、スマートアシスト2の詳細をあらかじめ知っていて、それを上回る武器を黙々と用意。何も知らないダイハツが先に発表するのを虎視眈々と待っていたフシすらある。修ちゃん恐ろしや((((;゚Д゚))))ガクブル
詳しくは 【比較】デュアルカメラブレーキサポート vs スマートアシスト2も参照。